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04 MARIA

「マリア、ただいま」

返事の無い部屋、椅子に座り続けるマリアに微笑みかける。

それは一年中続いていた。

マリアを描いた絵は賞を取り、ロイの名を有名にした。

卒業後も、マリアを描いた。

マリアをベースに描いた色々な画法で書いた絵は賞を取る。

大きな場所に引っ越しても、マリアを手離したりしない。

「マリア、どうしたら目を覚ます?」

マリアに言われた過去に誰かがした方法を試しても無理だった。

マリアの笑みが好きだった。

数日間の思い出は心の支えだ。

「マリア…」

ある日の事だった。

「王子様のキスで目を覚ます…」

これはよくある童話のパターンだった。

半信半疑だが、ロイは試す事にした。

ロイは願いを込める。

「マリア、目を覚まして…」

ロイは呟くと人形であるマリアにキスをした。

固かった唇は柔らかくなり、目もパチクリさせる。

ロイが唇から話すと、マリアは驚いていた。

「キスは、初めてです…」

その言葉に、ロイも驚く。

マリアは自らの手で唇に触れる。

「やわらかい…私、人間になったのでしょうか?」

マリアは呟いた。

愛の形、それは色々ある。

好きな人を重ねたり、美しい物が好きだったり、友情だったり。

ロイはマリアを人として愛した。

結果、マリアは人間になったのだ。

「ロイ!」

マリアは椅子から立ち上がる。

二人は抱き合うともう一度キスをした。

それからは、二人が夫婦として暮らしたのは言うまでもない。

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