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ドラクーエドリィⅡ ~としあきの遺産~  作者: 肉壁FIG
第一部 冒険への誘い
2/43

二話

 ファンタジーなSDキャラのファイル名は、「ドラクーエドリィ」とあった。


 どこかで聞いたことのあるタイトルを組み合わせたようなタイトルだが触れないでおこう。華麗に。


「ドラクーエドリィ」の下段にも関係ありそうなアイコンが二つ置いてある。


「あディタ」という用途不明のソフトウェアと、「設定メモ」と記されたメモ帳のデーターだ。


「あディタ」とはなんだろうか。ネットにつながった自分のパソコンで検索してみる。0コンマの速度で先生が検索結果を表示。さすが先生。素早い。


 どうやらこの「あディタ」というソフト。正式名称「RPGエディター」といって物好きな有志が集まって制作・公開しているフリーのRPG作成ツール。つまりプログラミングの知識などない素人でも割かし簡単にロールプレイングゲーム制作にチャレンジできる無料のフリーソフト、ということらしい。


 これはもう間違いないだろう。親友が制作にひと月かけ、あの日、俺に見せようと、プレイさせようとしたのはこの「あディタ」で作った自作RPG「ドラクーエドリィ」なのだ。


 ドットのSDキャラのアイコンは自作RPGを起動するアプリケーション。「設定メモ」はその名の通り自作RPGの設定資料なようだ。


 それにしても以外だ。予想では小説辺りであろうと検討をつけていたのだが、まさか自力でゲーム制作に挑むとは、親友の創作意欲の熱意をいささか低く見積もっていたようである。すげーな親友。


 だが思い返すと親友も俺もRPGの類いは大好きでよく貸し借りしたり、クリアタイムを競ったり、一人ゲーなのに二人いっしょにプレイしたりとしていた。もし俺に向けて何かを作るのならば最も自然なチョイスかもしれない。俺の目頭と心はギュッと引き締まった。


 もうこれ以上の思考の寄り道は不要だ。親友のプレゼントを開けるとしよう。HD破壊問題はしゃーない。保留だ。小説なら自分のパソコンにデーターだけを移動すればよかったが、ゲームだと勝手が違う。親友のパソコンでそのままプレイするべきだ。


 俺は緊張しながら歩みを止めぬ勇者のアイコンを左クリックした。

 ソフトが起動しデスクトップ画面中央、小さな白枠黒背景のウィンドウに白字でLet's gameと出現し読み込みが始まり横倒し棒グラフが満タンになるのを待つ。


 棒グラフを見つめながら俺はふと、これがゲームやらネット小説だったならを妄想した。


 突然俺がディスプレイに吸い込まれたあげく次元の狭間で何かの神様に謝られて、異世界行きが決定しチートを貰ったり姿が変わったりして異世界にトリップして大冒険が始まったりするよな、とかそんな感じ。まあそんなこと起こるわけないんですがね。


 他愛無い妄想をしている間に無事読み込みが終わり乱雑なデスクトップが画面から消えた。全画面表示のゲームらしい。俺はタイトル画面やらストーリーのあらすじのような文章が次に表示されると勝手に思っていた、が違った。そんなものは最初からなかったようなのだ。さすがは同人ゲーといったところか。


 俺の目に映ったファーストインプレッションなゲーム画面は真っ黒い背景に白字で表示された次のようなものだった。










*************


 ~城塞都市アリガミン~ 



 →ウィーワントの 酒場

  冒険者の 宿

  ボタクッテヤル 商店

  モズグス 寺院

  バラシオンの 王宮

  アッティラ 大通り 

  訓練所

  まち はす゛れ


*************









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