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第03話 委員長@がんばらない


 放課後、本来ならユイに付き合うなりして寄り道するところだが。


「さっそくだけど下之君」

「あー、了解」


 そういえば俺は学級委員になったのだった、なんとなく流されるままに了承してしまったが面倒になってきた。


「ユウジ! アタシを裏切るのか!」


 などとユウジが廊下に出ようとする目の前に立ちふさがった。ここで「スマン、委員長。ちょっと時間くれるか?」と聞いて肯定に首を縦に振ったところで。


「裏切るなんて大袈裟な、俺は部活に入らないとは言ってないぜ?」

「本当か! じゃあ早速アタシと一緒に部活申請に――」

「悪いな、俺は一人しかいないんだ。部活と委員会、どっちが内申にプラスになるか考えなくとも分かるだろ?」

「ひどい! 友人よりも成績表かぁ! こっちが先約だったのに、ユウジの二股やろー!」

「人聞きの悪い、世渡り上手と言ってくれ――またその内付き合ってやるから、今日はスマンな」

「うーむ……分かった」

「部活申請の大義名分やら言い訳を考えとけー、明日部員集めて申請しに行くぞ」

「っ! ありがとうユウジ!」


 と、待たせていた委員長にユウジは「スマン」とジェスチャーをして廊下を歩きだす。


「女の子の扱いが上手ですね、下之君」

「え、あれを女の子か……」

「……一方で中々に黒いですね」

「まあ俺の数少ない友人だからな、一応部活に入ると言った手前こんぐらいは手伝わないと」


 と、苦笑気味に委員長に話すユウジ。


「そういえば下之君、どうして私の指定を受けいれたのですか? ぶっちゃけ面倒くさいでしょう?」

「委員長もなかなかだぞ……うーん、まあ別にいいかなってな。俺が断ったら委員長が面倒臭そうだったしな」

「委員になるのがやぶさかでなかったのですか? さっきの内申云々も関係あるんでしょうか」

「いやー、内申は即座に思いついただけ。まあ委員長とは中学校も同じでクラスも通して同じなのに話す機会なかったからな、接触を試みたってところだ」

「……(罪作りな人ですね)」

「罪作りな人ってなんだよ」

「なんでここで難聴にならないんですか。はぁ……行きますよ」

「おう」


 そうして二人は委員会に向かった、最初の委員会集会は自己紹介のようなもので終わった。



* *


 

 一時間ほどの集会を終えて廊下を戻る。


「実はですね、下之君」

「おう、聞くぞ」



「実は私、委員長面倒くさいんですよね」



 ユウジは思わず足を止めた、しかし委員長は普通に歩きつづけ、ユウジが続かなかったことに疑問を覚えたところで足を止める。


「え、中学三年通しても委員長だったよな」

「はい」

「面倒臭いの?」

「はい」

「……えっ、なんで?」


 純粋な疑問だった、今まで好き好んで委員長を務めていたと思っていた委員長からの面倒くさい発言。


「委員長になると、委員長特権でクラスメイト名簿が見れるんです」

「はぁ……」

「そこで個人情報を手に入れます」

「えー……」

 

 ユウジは落胆と同時に引いた、そんなことの為に今まで辛抱強く委員長を務めていたのかと。そして個人情報欲しさって……


「変な意味じゃないですよ、純粋な好奇心です」

「いやいや! 不純な気しかしないぞ!?」

「誰の何を知りたいのかは乙女の秘密です」

「乙女の秘密便利だなー!」

「……まあ、今回委員長になってそれ以上に良い事がありましたが」

「え、なんだって?」

「……今回は普通の声で言ったんですけどね」


 主人公に必須な難聴スキル、ユウジは未だ使いこなせていない。

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