第3話 利府陣高校の実態
「ちょっとそれってどういう事よ!」
鈴値は反論していた。
話しは10分ほど遡る。
鈴値はある違和感を覚えていたのだ、理由は鈴値の他に女子が一人も居なかったのだ。
なんだか気まずいまま、とりあえず席が近かった影名と雑談(主にさっきの文句を)していた。
その後女性の若い先生がやってきて(名前は映礼先生)自己紹介をはじめた。
後で説明してもらおうと思っていたのだが、話しの途中で鈴値を指してこう言ったのだ。
「そこのあなた!なんで制服を着てるの!」
「えっ…え…私!?」
「その制服は入学式用よ!あなた用の服があるから今すぐ着替えなさい!」
そう言って映礼先生が持ってた紙袋からとりだしたのはスク水だった。
そうスク水だった…。
ご丁寧に名前もつけられていて、お腹の部分に「すずね」とひらがなで大きく書かれていた。
それだけでも信じられなかったが、その次映礼先生は信じられない事を言い出した!
「ここで着替えなさい!」
「ちょっとそれってどういう事よ!」
周りには30人くらい男子がいる。
気をつかって寝たふりをしたり(影名は完全に寝てる)そっぽを向いたりしてる男子もいたが、やはりニヤニヤして見てる男子の方が多かった。
「どうしたの?早く着替えなさい!」「そんな…そうだ!影名!今すぐ起きて!起きてよ!
ねぇ!!
起きなさいよごらぁぁぁ!!!!」
キレた鈴値はなんと片腕で影名を黒板に向けて投げ出した!鈴値は人並み外れた腕力の持ち主だった。
グチャっと、嫌な音が鳴りズルズルと落ちた影名は鼻から血を出しながら、ゆっくり立ち上がり振り返って鈴値に向かって口を開いた。
「なにごとな」
「影名!今すぐその先生に触って!じゃないと次は顔面にパンチぶちこむわよ!」
寝起きでよく分からなかったが、殴られるのは嫌だったのであの能力で先ほどから絶句してる映礼先生の腕を掴んだ。
「え?あっああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!何これぇぇぇ!!!」
「いいわよ!その調子よ!影名!」
「あっあああっあなたぁぁぁぁはなし……うぅぅあぁぁぁぁ!!」
「スク水着なくてもいいならやめてあげてもいいわよ!!」
「着なくていいからぁぁぁぁぁ!!離してぇおかしくなっちゃうぅぅぅぅ!!!!!」
「よし、離していいわよ!影名!」
教室には勝ち誇った鈴値と、鈴値の言いなりになってる影名と、痙攣している先生と、いつの間にかおいてけぼりになってる男子達がいた。