第2話 向かい側の男の能力!
「ちょ、ちょちょちょ待ちなさいよ!」
慌てて追いつく鈴値、男は振り返り、鈴値に話しかけた。
「そういえば、自己紹介がまだだったね。僕の名前は影名利木よろしくね。
その制服、利府陣高校のやつだよね?」
影名は髪が黒で長さは耳元にかかるくらいだった。
服装は利府陣高校の男子用の制服だった。
一緒の高校なんだ、と思いながら鈴値は答えた。
「はじめまして、私、鈴値凛林って言うの私も利府陣高校よ、さっき先に行こうとしてたけど一緒に行きましょうよ。」
「いや、僕は一緒に行くことが出来ないよ。」
「えっなんで?」
「僕の能力は時に人を苦しませるんだ…。」
あぁ、中ニ病か…中学校でもそんなやついたな…と鈴値は思った。
「はぁ…まず人間に能力なんてないから、そんなこと言ってたらいつまで経っても成長しないわよ。」
「試してみるかい?」
鈴値の顔の近くに影名がすごい速さで寄ってきた。
間近でみると影名の顔は中性的で女装してもばれないくらいだった。
そして影名の目には鈴値がくっきりと写っていた。
「ふ、ふーん、じゃあやってみなさいよ!」
「手加減はするけど後悔しないでね…。」
影名の手が鈴値の手に、ちょんと触れた。たったそれだけの事なのに鈴値の身体に電流が走る!
「はぅあぁぁぁぁ!」
ビクッと背を反らせた鈴値は反射的に影名から離れる。
息を荒くし、影名に触れられた所を手で押さえる。
「はぁ…はぁ…あんた一体何したのよ!」
「物凄く簡単に言うと君を気持ちよくさせたんだよ。」
「えぇー!?」
あまりにも良く分からなかったので鈴値は驚いた。
気持ちよくってどういう事?と思った。
「あ…あんたの能力って…これ!?2つの意味で信じられない…。」
「まぁ女性限定だけどね、気持ちよくさせるのは。
しかも一度触れた相手は僕が能力を使うことで、いつどこでもどんなときでも気持ちよくする事が出来るんだよ。」
何故かよく分からないが理解してる鈴値だった。
恐らく経験したからだろうと無理矢理思い込むことにした。
「そして、この能力を使えば利府陣高校の女の子達を…。」
そうつぶやく影名に鈴値が答える!
「なっ…そうはさせないわよ!私があなたを倒してでも止めてみせるわ!覚悟しなさい!」
「ふっ、それは無駄なことだね。」
「やってみないと分からないでしょ!なんでそんなこと言えるのよ!」
「だって僕そういう事に興味ないもん、じゃあね先に行くね。」
「ええぇぇぇぇーーーーー!?」