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ラセッタの動物たち

作者: あしか

 ねえ、世界っていったいなにでできてるんだろう。


 こないだ、2歳になったばかりの小さなトナカイの男の子はそう言った。

 つぶらな瞳がかわいい。


 きっと、ちょっとしたラッキーさ。


 もうすぐ、13歳になろうかという老齢の七面鳥はそう言った。

 顎から伸びた白い髭が地面まで届きそうになっている。


 ラッキーってなあに。


 どうしてもりんごが食べたいってときに、シロアリについてなにか思いつくかってことさ。


 ふうん……。


 話は変わるけれど、丘の上の小さな家に住んでいる、あの有名な七面鳥の夫婦の3匹目の子供が、こないだついに、空を飛ぶのに成功した。

 32メートルの、見事な大飛行だった。

 これはやっぱり、彼女の父親が、毎日仕事を終えてから、彼女の練習につきあってあげたからだろうな・・・。

 だから、その子が飛んだとき、二番目に喜んだのは、父親だった。

 一番は、もちろん彼女だ。

 そのとき父親は、こんなことを言った。


 すごいぞエリー、初めて飛んだのに、32メートルも飛ぶなんてな、お前は3歳になっても飛べないのをずっと悔しがっていたが、父さんは、初めて飛んだときは、12メートルしか飛べなかったんだぜ。さあ、今日はもうお家に帰ってご飯にしよう、帰ったら、みんなに今日の話を聞かせてやろう。


 さきに帰ってて、お父さん、あたし、もうちょっと飛んでみたいの、やっと、飛べたんだから。


 彼女はそう言った。

 顔は嬉しさと興奮で染まっている。


 だめだだめだ、あまりやりすぎると、変な癖がつくからな、それにもう遅い、続きは明日にしよう、明日はもっときれいに飛べるようにならなくちゃな。


 きれいに飛ぶってどうゆうこと。


 空のうえまで飛んでから、そのうえまで飛ぶってことさ。


 ふうん……。


 さあもう帰ろう、お家で母さんが美味しい料理を作って待っているよ。


 うん、お父さん、続きはまた明日ね、絶対、約束だよ。


 ああ、約束だ。それじゃあ急ごう、お家まで、427メートルもあるからな、急がないと、夜になっちまう。


 ……七面鳥は距離を測るのがすごく得意だ。彼ら、彼女らは、毎年ものすごく遠いところまでまったく同じ日にちで引っ越しをするらしい。


 もっと話をしたいところだけれど、今日はもう遅い、ここまでにしよう。


 ラセッタの動物たちは、みんなとてもいい動物たちだ。

今日も、ラセッタにはのどかな空気が流れているし、朝になれば、優しい太陽が顔をだすだろう。


 それでは、また、どこかで。

拙い文章ですが、楽しんで読んで頂けたなら、幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ほのぼのした動物の家族、心地よい気分にさせてくれます。
[一言] 続きが気になります。ほのぼの感がいいですね。よろしければ僕のも見ていって下さい。
[一言] ほのぼのと面白かったです。
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