58話 傷跡
我々が勝利し一週間が経った、首都に残存していた
魔神解放戦線はその殆どが殲滅されようやく死者の
弔いを行っていた、
「母様、、父様、、、どうして、、」
カリーさんとサリーさんが墓の前で泣いていた、
だがその墓に遺体は無い、騒動の始まりの時、二人の親であるゼインさんとエリーさんは裁判所で
死亡していた、アマネセル討伐後は二人の遺体を探したが見つける事は出来なかった、恐らく解放戦線に利用されたのだろう、、私は持っていた花を備え、手を合わせた、だが時間は待ってはくれない、悪魔の残党はまだ首都で戦っている、
月光騎士団が居るとは言え人手は全く足りていない、私は泣いている二人の肩に手を置いた、
「もう、こんな時間?、、行きましょうカリー、、これ以上、私達の様な被害を起こさせない為に。」
「うん、、わかったよおねえちゃん、、、また来るね父様母様。」
そうして私達歩き始める、さあ今日も元気に悪魔狩りだ、
そうして言われた場所の悪魔掃討も終わりリリアナ達とも合流し爺ちゃんとカイル君達の見舞いに私達は軍病院に来ていた、あの後爺ちゃんは傷が開いてしまったりカイル君は悪魔との戦闘でとんでもない重症を負ったりで入院中だ、そして軍病院の庭に行くと
「どうしたカイル!そんなんじゃ立派な戦士にはなれんぞ!」
「わ、かってます!」
二人が軽めだが戦っていた、
二人は一応入院中の筈だそれも結構な重症だ
爺ちゃんは左腕が無くなり瓦礫に埋もれたり、
カイル君は腕からお腹に掛けて跡が残る程の怪我を
した筈だが、
「二人とも何してるの!止まるよエース!」
私はリリアナと共に二人を制圧した、
そして二人はリリアナと病院の人に叱られていた、
当然の結果である、そして私は側の柱で眺めていたソングマンに怪我は大丈夫か?、と書いた
「ん?おう、怪我は殆ど完治したぜ、明日には
退院だ。」
そうか、それは良かった、じゃあ少しお話良いかな?、具体的に言えばどうして旧王城に居たのかとか、
「そ、それはな、、その。」
「私の指令によるものだエース君。」
奥から月光騎士団長がそう言ってくる、どゆこと?
「此処ではなんだ向こうで話そう。」
そうして私達は病院の裏手に来た、確かに此処には
誰も来ないだろうな、だって塀の向こうは
悪魔の死体火葬場だこの時間なら誰も居ない、
「さて、何処から話せば良いか、今から言う事は
一応機密だ他言無用だから心してくれ。」
私は頷いた、
「まず、、そうだな、クルセンで君が戦った
暗殺者は私が手配したものだ、」
、、、、、、、、え?、、、、え、、、
私は唖然とする、意味が分からない、どゆこと?
「そうだな、、言い訳をするなら我々は
悪い噂のある実力者は場合によっては排除する、
まあ今回はこちらの調査不足だった様だがな、
すまなかった。」
騎士団長は普通に謝った、私は許しますと書いた、
まあ噂を立てる様な事をした私も悪いからね、
「そう書いてくれるとありがたい、それで話を戻すが私とソングマンは昔戦った事が合ってな、
その時に私が負けて以降なんやかんやで月光騎士団にソングマンが入り浸る様になったんだ。」
え?じゃあソングマンは騎士なの?私が質問すると
ソングマンは顔を逸らした、おい、
「いいや、彼は無職だよ、ウチには飯をタカったり偶に団員と模擬戦をしたり迷惑を掛けたりしていただけの一般人だ、どう思う?無職。」
「どうって、、まあ今はお前が紹介してくれた仕事で稼げてるから無職じゃねぇって、だから無職呼びは辞めろ。」
「いやお前は無職だ、まあそんな事はどうでも良い、ともかくエース君もよく知る通りコイツは
コミュニケーション能力が高くて強く、危険だ、
そして偶に頭も回るから連絡手段も確保してあったのさ、そして君達に救援要請をされた少し後に
ある程度情報を掴んだソングマンが連絡してきた、そして私は兵士達が旧王城への攻撃と同時に旧王城に侵入しアマネセルを暗殺するようソングマンに依頼した、まあ無理だったがな。」
「無理言うなよハルト、あの悪魔は滅茶苦茶強かったぜ?それはお前も知ってるだろ?」
「まあな、確かにお前が居なければアマネセルを
削り切れず我々では倒せなかっただろうしな、
お手柄だソングマン。」
「だろ!じゃあ報酬金、期待してるぜ。」
騎士団長は目を逸らし
「、、、、任せろ。」
そう言った、多分少量しか払われないだろうな、、
それからお見舞いも終わり私達は宿に戻り
飯を食べていた、この宿は奇跡的に戦火を免れ
珍しく内装も綺麗なままだ、そして現状この街を統治している公爵が頑張ったのか以前と変わらず上も下もご飯を食べれていた、しかもちゃんと上手い、
でも今日はまだやる事が有る、私達は夕飯を食べた後街の中央広場にやって来ていた、此処に来るのは初めてだが建物が燃えたりして明らかに広場は
拡大していた、そして広場の中心には巨大な
丸太を重ねて作られた巨大なキャンプファイヤーが
煌々と燃えていた、周囲には沢山に人が居おり、
今日は死んだ市民達の共同火葬式の日だった、
今回の騒動、巷では赤色戦争と言われているらしい、赤色戦争で亡くなったのは死体が確認された数が訳二万人、行方不明者は
十五万人にも登る、たがこの統計は戸籍保有者のみの統計で有り、恐らく死者や行方不明者はもっといるだろう、そして、首都の人口は訳五十万人、
首都の三分の一が死亡した、、凄まじい死者数だ、
しかも行方不明者は恐らくダンジョン化の養分や
あの黒い指を食べさせられて化け物に変えられているだろうから帰ってくる事はないだろうな、、
「どうして、、、、どうして、、」
「なんであの子が死んで俺が生きてる、、、なぜ、、」
「ままぁ、、ままぁ、、ううぅ」
此処からでもこんなに悲痛な声が聞こえてくる、
そして私の足を掴み市民が縋り付く様に叫ぶ
「あんたらが、、アンタらがあの化け物共をもっと早くに倒していれば!娘が死ぬ事はなかっだ!なんでだよ、、どうして助けてくれなかっだ、、、、」
私は何も言わない、解放戦線は徹底してこの日まで存在を隠蔽していた、しかも現在は皇国との
戦争中だ気づける筈がない、それに私は冒険者だ、縋り付いていた市民もわかっているのかそれ以上は言わなかった、酷い状況だ、得たものは薄く失った物は余りにも大きい、一緒に来ていた皆もその表情は重い、うーん、もしアマネセルが力を失ったとは言え生きていると知ったらどうなるのだろうか?
暫く黙っておこう、そう言えば神様はアマネセルを
新しい器にくっ付けるとかどうとか言ってたけど
それらしき物あったっけ?暇な時に探してみよう。
そうして火葬も終わり私達は帰るのだった。




