54話 その祈りに曇り無し
敵の防衛ラインを突破した軍は半分の兵を旧王城広場に配置して私達は旧王城を進んでいた、旧王城は外とは違い化け物や悪魔は少ない、代わりに大量のトラップが仕掛けられていた、今は罠に詳しい兵達を先頭に旧王城の玉座の間を目指し進んでいた、
「それにしてもやけに罠が多いな、それにどれも
非殺傷系ばかりだ、、ほらあった、これも非殺傷型だ。」
クライスさんがそうぼやく、確か怪我人を増やした方が戦争は有利になるんだっけか?
そんな事を考えて居ると廊下の奥が少し光った気がする、、まさか、
私は急いで前に出て盾を構えた、すると光線が
数本盾に命中した、成程ね罠に気を取らせて
魔法で仕留める、文字通りの罠か、
「敵襲!盾隊は前に!魔法隊は打ち返せ!」
だが突然壁と床から魔法陣が出現する、まさか裁判所の時の!
「全員退避しろ!」
そんな指示虚しく、魔法陣は光り輝いたのだった
私が目を開けると其処は廊下では無く其処は広い
空間だった、恐らく教会だろうか?
左右に長椅子が連なり奥に祭壇が有り一人祈りを
捧げる騎士が居た、そしてどうやら私ともう一人しか居ないらしい、静かな物だな、
「来てしまったか、久しぶりだねエース•レスト君」
誰だ?
祈りを捧げて居た人が立ち上がり此方を見た、
そいつは首には金色に輝く冒険者ギルドの、
龍級紋章タグが掛けられていた、
そして青のラインが入る白い鎧を皆纏いその左手には刃の反対側に溝が沢山掘られている短剣、
たしかソードブレイカーだっけか?が握られ
そして右手には装飾が施された剣が握られていた、
恐らく敵だが一応私は会った事が?そして敵か?
と書いた
「おや、これは失礼、私の名前はハリス、
ハリス•ヴァーンシエルだ、クルセンアリーナで実況していた人だよ、まあ覚えてないならそれで良い、そして残念ながら私は敵だよ」
成程ね、じゃあ殺すか、だが相手は龍級冒険者、
評議国に一人しか居ない強者だ、生半可な強さじゃ無いだろう、私は武器を構えた、
「まだ若いのにごめんね?でもアマネセルさんが
本気で殺せって言うからさ、」
ハリスは短剣で剣になぞる、すると剣に黒い煙が
纏われる、そして短剣も白い煙に纏われる、
そして武器を構えた、
「最初から本気で行くよ」
次の瞬間遠くに居たハリスが目の前に現れる、
早い!私は盾を構え槍を構えようとすると槍が
動かない、槍を見ると短剣で抑えられている、
成程、こりゃ龍級だわ、私はシールドバッシュを
決めるがハリスに回避され届かない、
「判断が早いね、でもそれだけじゃ駄目だよ」
ハリスは素早く下がり移動しながら攻撃する、
私は防ぐので精一杯だ、それでも私は隙を突いて攻撃するが
「おっと、危ない、反撃されないようやってるんだけどね、こりゃ数年で化けるね」
コイツ余裕そうにしやがって!
だが前も言った気がするが相手が少しでも舐めてくれるのは良い事だ、私は攻撃を捌きながら動きを
冷静に見る、ハリスは多分バランス型だ、
攻撃防御が均等で速度が高い、そんな感じだ、
コイツは特化した部分が今の所見えない、ならば!
私はわざと短剣を槍に絡ませてからハリスの腕を掴んだ、耐久には自身が有る!ゼロ距離の殴り合いと
行こう!
「ほう!凄い力だ全然離れない!」
私はハリスの頭を殴り付ける!だが鎧その物が硬いのか余り手応えが無い、ならば、
私は盾を離し左肩でハリスにぶつかる、
「?そんな事しても無駄、これは、、毒か!
君も死ぬぞ!。」
そう私は両肩両足に毒袋を仕込んでいるのだ!
しかも毒は私が幼少期から研究し編み出した
最強麻痺毒だ私は手作りマスクを付けている為安心!だが貴様はどうかな!そしてハリスの動きが止まる、チャンス!私はハリスのヘルムを取ろうと手を伸ばすと
「隙あり」
こいつ!
私は剣で左腕を切り付けられる、クッソ痛い!
それでも私は足掻きに殴り付けるが効果無し、
私は蹴り飛ばされた
「君が毒を仕込んでるのは知っていたよ、
来世では毒の匂いを消す努力をすると良い、、」
「(悪魔憑き)」
ハリスがそう言うと私の斬られた箇所から黒い煙が広がる、なんだよこれ、滅茶苦茶痛いし何故か
悲しみが溢れ出す!、私は思わず涙を流す
「悪魔憑き、私の剣に斬られた者はその闇に
呑まれ悲観の内に死ぬ、でも安心して?死ぬ時は皆寒いし悲しいしそんな物だよ」
クソ!即死技とかふざけんな!どうするか、
このまま終わり?この私が?嫌だ嫌だ嫌だ!
死にたく無い!痛い!死にたい、死にたく無い!
どうすれば、、、一か八かだけど、、最期にやってみるか、、多分奴は、油断している、多分行ける筈
私はスキル(全解放)を起動し白い煙が立ち込める短剣を奪う
「なに?」
傷口に突き刺した、く、痛い、だが黒い煙と白い煙が合わさり消え出す、どうやら成功らしい
やっぱ闇には光だよな!
「君は、、本当に凄いね、、正解だ、」
私は立ち上がる、幸い腕以外大丈夫だ、そして短剣を全力で壁に打ち付けると短剣は深々と突き刺さる、これで簡単には取れんだろう、
「私の短剣を、、、悲しいけど当然だ」
私はスキルを起動したまま突撃する、目標は勿論首!
「ぐ、いきなりだね!だけどそんな動きは、!、何!?」
私達が打ち合っていると、天井からハリスに向かい
攻撃が飛んでくる、味方か!
「エース君!」
そして天井から降りて来たのは何とローリアさんだったのだ!、まじかよ、どうしてこんな所に!?
て言うか生きてたのか!
「君は、一光のローリア!?どうして此処に!」
「ふふ、知っていますか?権力者の住処には
秘密の逃げ道が付き物でしてよ、さて、死んで下さい、冒険者の方?」
どうして居るか分からんが助かった!これで形成
逆転だな、
「全く、モテる男は辛いね、まあそれでもやるしか無いか」
そうして再び戦闘が開始される、
私が盾で攻撃を防ぎローリアさんが攻撃を仕掛ける
次第にハリスは追い詰められていく、
「まず、いね、」
「そろそろ降伏なさってください、冒険者ギルドの英雄を手に掛けたく無いので」
ローリアさんが降伏勧告をしている、このままズルズル戦えば間に合わなくなる、
「悪いが無理だよ、この仕事は金だけじゃ無い!」
ハリスはそう言うと大きく下がる、
「これは、使いたく無いけど、ごめんね、アリス」
ハリスは懐から黒い指を取り出す、不味い!
私は武器を捨て全力でハリスに飛び掛かる、
幸い躊躇したのか接近に成功し私は黒い指を
振り落とし組み伏せる、ハリスは暴れるが私の方が
力が強いらしい、次第に力が弱まる
「はは、終わった、、ごめんねアリス、、
お兄ちゃん此処で終わりみたい、はは、」
そして完全に無抵抗になる、
コイツ妹が居るのか、うーむ、まあ敵なら殺すしか無いか、私がハリスのヘルムを取り首に手を回そうとすると、
「待って下さいエース君、」
ほえ?
「殺せよ、、どうせ私は終わりだ、、」
「ハリス•ヴァーンシエル、、降伏しなさい、アリスが誰か知りませんが二人とも悪い様にしません、」
え、まじで言ってる?絶対殺した方が良いよ!
「降伏?何を言ってるんだい君は、それに貴族は
信用出来ないよ」
「、、仕方がありませんか、エース君、拘束を解いて下さい。」
本当に言ってるのか!コイツは敵だぞ!
私は視線を向けるが
「大丈夫です彼からは敵意も闘争心も感じません。」
私は渋りながらも拘束を解いた、
「ハリス殿?これで信用出来ましたか?
貴方の事情を聞かせてくれませんか?」
「、、、、分かった」
そうしてハリスは語り出す、
「私には妹が居る、名前はアリス、、私達は孤児でね、幼少期は孤児院で育った、そして孤児院で出会ったのがアリスさ、、血は繋がって無いが私の事を兄様兄様と慕ってくれてね、、
私が冒険者をしようと思ったのもアリスが背中を押してくれたからだ、そして私はアリスに支えられながら冒険者として大成し、国どころか大陸でも上から数えた方が早い程強くなった、だけど、、所詮は強さだけだった、、、、アリスは昔から病弱でね、
六か月程前に不治の病に掛かってね、、当然私は
国中から名医を呼び寄せて見て貰ったが、、、」
ハリスは泣き出す
「、、持って、一年も無いと医者たちはそう言ったんだ、、、そして途方にくれていた私に取引を持ち掛けたのがアマネセルさんだ、、彼は病を直す薬を提供する代わりに協力する様取引した、、だから僕は彼を裏切れない、」
成程ね、そりゃ敵になるわ、納得、でも妹さん
人質に取られてそうだしやっぱ殺しておくか、
「ハリスさん、、此方に寝返りませんか?」
「は?話を聞いて無かったのかい?無理だよ、」
「要するに妹さんの病気を治したいのでしょう?
それならアルバ家、いや帝国上級貴族に伝わる
どんな病気も癒すと言われた女神の涙と言われる薬があります。」
女神の涙?確かどんな傷や病気も直すとか
言われている幻の薬だ、だがその製法はバシール帝国崩壊と共に、、あ、
「女神の涙って伝説の?ありえない、そんな物は存在しない!」
「いいえあります、アルバ家の名に掛けて嘘はありません、それに私も昔不治の感染症に感染した際に飲みました、そして私はアルバ公爵家の
後継にして一人娘、父は殴ってでも了承させます、だから此方に寝返りなさい、」
「、、、、、本当に女神の涙をくれるのか?」
「もちろん、女神の涙はアルバ邸と公爵自身が
持っています、そして旧王城攻撃に父も参加しているでしょう、もし約束を破れば父と私を殺せば手に入ります。」
「、、分かった、其方の味方になろう。」
「ありがとうございます。では行きましょう、
妹さんの病気を治すにも先ずはこの騒動を終わらせます。」
「分かった、この件に私も少なからず関わっているんだ、全力を尽くそう。」
そうしてハリスとローリアさんが握手を交わした、
これで鬼強い味方が加わったな!良かった良かった!
「では、行きましょうか!」
そうして私達は歩き出すのだった。




