毎日更新
「ただいまー」
「おかえりー」
今日も放課後、すぐに母の元に帰る。
「ご飯作っちゃうね」
「いつも悪いねー」
「あいよー」
なんだかんだで、家事は疲れるけれど苦行ではない。
他の子達が遊んでいる間に云々とか、文句がないわけではないけれど。
なんだかんだで、やっぱり母が大好きだから。
「今日は麻婆豆腐だよ」
「ありがとう!いただきます!」
「いただきます」
「おいしいよ、みこちゃん」
私はあまり器用ではない。
でも母はそんな私のご飯をおいしいといってくれるから。
「役に立ってる?」
「すごく立ってる!」
「よかった」
こうして母の役に立てるなら、それだけで自分に価値を見出せる。
ああ、でも…時々。
良い子でいるのはちょっと辛いなと思ってしまう。
でも、それでも。
胸が痛くて、私ばっかり辛い気がしても。
「お母さん、私頑張るからね」
「うん、みこちゃんは頑張ってくれてるよ」
「うん」
お天道様の下で、悪い子にならないよう生きているけれど。
お天道様、本当に見ているのなら。
宝くじだけでも、当ててくれないかなぁ。
「宝くじ、当たると良いなぁ」
「今度こそ当たるよ」
「当たって欲しいね」
ヘルパーさんとかをお願いできれば、それだけで格段に楽になるのだけど。
そう楽にはならないよね。
「ねえ、お母さん。私また書籍化できるよう頑張るからね」
「うん!頑張って!この間も生活費の足しになってすごく助かったから!」
「生活費といっても、三ヶ月分だったけど」
「十分すぎるよ!」
今はお父さんの遺産と、遺族年金と、奨学金で色々やりくりしている。
バイトができれば良いのだろうけど、高校や家事と両立できない。
中卒はさすがに厳しいので退学するのも…通信制の高校という手もあるけれど…色々言い訳しても、正直ゆうちゃんと離れたくないだけだったりするけれど…お母さんも許してくれているから。
「でも早いうちから出版も経験できたんだしだいぶすごいんじゃないの?みこちゃん」
「どうだろう。でも貴重な経験をさせてもらえたよね」
「また書籍化できるといいね!」
「できるように頑張るよ」
そして今日もお風呂を見守り、自分も入って、洗濯して干して、マッサージ。
その後就職したい企業をまたピックアップして、勉強もして、面接の自己練習もして。
自己練習に意味はあるのかとは思うけど、イメトレは大事なはず。
うん。
そして、寝る前のちょっとの時間をなんとか作って作品を更新する。
毎日更新は大変だけど、やっぱりまだまだ諦めたくはないのだ。