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お墓詣りに行く日
ごめんね、愛してる。
それしか言えない。
手を合わせて祈りを捧げる。
ごめんね、大好き。
家からそれなりに近くにあるお墓。
そこで今も変わらない父の姿を探している。
墓石を磨いて、お線香をあげて、手を合わせて。
それしか、もう出来なくて。
親孝行をしておけばよかったなと、今更後悔をするばかり。
『情けは人の為ならず、巡り巡って自分に返ってくる』
『成るように成るさ』
『ケ・セラ・セラ』
『愚直に生きろ』
『愛してる』
父がくれたたくさんの言葉は、私の中でいまでもきらきら光る。
父のくれた夢、父がくれた私の理想の私はまだ遠過ぎるところにいる。
だからこそ、このきらきら光る言葉たちと共に生き続けるしか出来なくて。
それでも頑張るから、いつかまた会えるその時は褒めてくれるだろうか。
なんて、お墓の前ではいつもそんなことを思ってみたり。
月命日に必ず会いには来ているけれど。
届いてるのかな。