プロローグ 酷く本数の少ない都会から田舎への長距離馬車
初投稿です。
よろしくお願いします。
精霊歴29年 5月。
身の丈3mはある大型の黒い馬が、その体の半分ほどの大きさの馬車を引いて、舗装のされていない馬車道を走っていた。
やがて馬は一つの白い看板の前で大きくいななき止まる。
「お客さん。ようやくつきましたよ。小セントラルですよ!」
白髪の御者が長旅で凝った肩を鳴らしながら後ろに声をかけると、大きな旅行鞄を持った20代半ばの男が降りてきた。
「んーーー!やっと着きましたか!4時間も馬車に乗りっ放しは流石に効きますね!ありがとうございました!」
男は黒髪を掻いたあと少し伸びをして、苦笑しながら代金を御者に渡す。
御者はそれを受け取ると、他に客もいないからか、休憩がてら煙草に火をつけた。
「そうでしょうねぇ。大セントラルの方の都会人なら、明日は体中痛くて大変でしょうよ。今日はよく休むといいですよ。それじゃ!」
御者は人懐っこい笑顔で手を振って男を見送った。
男もそれに笑顔で手を振って返し、簡素な馬車乗り場を後にする。
少し歩くと、坂の上から山に囲まれた小さな町、小セントラルが一望できた。村より少し大きいという程度の、農業がほとんどの町。
「今日からここが俺の町か!」
街を一望しながら、男、ペイジは挑戦的な笑みを浮かべた。
着いただけです。
誰にも見られてないと思うとこういう独り言いってしまいます。
見てる人はちゃんと見てるんですね。
サブタイトルは本編とはあんまり関係ないことが多いです。