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第9音

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薄暗い廊下を案内係の後ろで漠然(ばくぜん)と歩いていた。


前世で天才と呼ばれた俺は、この世界でも通用すると思っていた。きっとそれが間違いだったんだろう。

その過信がきっとダメだったんだ。



しばらく進むと、案内係は扉の前で止まった。



「こちらのお部屋でお待ち下さい。」


そう言ってぺこりと頭を下げてどこかへ行ってしまった。



…??てっきり校門に案内されると思っていたので拍子抜けした。

帰っていいよと言われたのにも関わらず、なぜこんな所に案内されているのか全然理解が出来なかった。




仕方ないので恐る恐る扉を開けるとそこは、絢爛豪華(けんらんごうか)な会議室のような小部屋だった。




ポカンとした後え、何?本当に何?と混乱しながらよく見ると、何人か同い年くらいの少年少女が椅子に座っていた。男子が15人と女子が17人。












その中には、ユズリの姿もあった。



「!ユズリ!!?」


『ミヅキさん!!』

そういって立ち上がったユズリは俺の元へ駆け込んで来た。



『良かった!ずっと見ていたんですよ!!素晴らしい演奏でした!!』


そう言ってウルウルとした目で嬉しそうにこちらを見てくるユズリが眩しくて目を(つむ)った。



「えー…っと待って、これどういうメンバーなの?なんでここにいるの?」



『分かりません…ただ、皆さん先程の試験が終わったあと案内されたらしく、そこの小さなモニターで試験を見る事が出来たのでずっと見ていたんです。どうしてここに案内されたのかは、誰も分からないようです。』



へぇーとか分かったように言ったけど、ユズリが可愛いからここになんで案内されたとか正直どうでもいいんだよなとか考えていた。



「そんなことよりユズリ、凄かったな!感動したよ!!俺横笛とかの知識皆無(かいむ)だから細かいこととかわかんないけどすっごい優しくて柔らかい音でびっくりした!」


『いえ、そんな…ミヅキさんのピアノなんか私もう圧巻されてしまって…こんなに凄い人が世の中にいるんだなぁって感動しました…!』



ユズリが輝いた目で俺を褒めてくれる。ピアノやっててよかったな俺。初めてそう思ったよ。



ユズリの尊さを噛み締めていると、急にノック音と共にドアが開いた。



そこにはさっきの案内役の女性が立っていた。





「お待たせ致しました。試験が終了致しましたので、お部屋の移動をお願いします。」


女性は「こちらへ」と言って一礼した。

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