長旅と乗り物
乗り物を乗り継いでいくときの、音や振動や景色の移り変わりを描きました。
えみこちゃんは汽車に乗っています。
止まっている時も、動いているときも大きな音がします。
汽車は山の中を通り、トンネルに入りました。
トンネルの中では、話ができないほどの大きな音です。
えみこちゃんは、耳がツーーンとして音が変に聞こえるような気がしましたが、少したつと治りました。
トンネルから出て窓の外を見ると大きな景色が広がっています。
上のほうを見上げると青い空がちょっと見えます。
その下には、赤や黄色になった大きな山が見え、もっと下を見ると透き通った川があります。その横には道路があります。
そのうちに道路の車が増え、山がなくなり、建物も多くなりました。
少し大きな街に着きました。
今度は電車に乗り換えます。
えみこちゃんは、これは汽車よりも静かな乗り物だなあと思いました。
さっきほど大きな音はしません。
しばらくすると、建物が減り山が増えたところで、電車のすぐ横に海が広がりました。
遠くには船も見えます。
海の上には大きな空が広がり、すじ雲が見えます。
それからは、山の中に入ったり、海に出たり、田んぼや畑が見えたり、建物が増えたり減ったり、を何度か繰り返しました。
そのうちに大きな橋を渡りはじめました。
ガラガラと大きな音がします。
船が橋に向かって進んでくるのが見えました。
えみこちゃんは、電車の窓から下を見てみました。
すると海がとても下のほうに見えてびっくりしました。
いくつも橋を通り、やっと海は終わりました。
海が終わると、平地が続きました。
田んぼや畑があり、だんだん建物が増えてきました。
大きな駅に着きました。
今度は新幹線に乗り換えです。
新幹線に乗ると、これはもっともっと静かでした。
でも、駅に止まっているときにとてもゆれはじめたので、えみこちゃんはびっくりしました。
しばらくすると、別の新幹線が横を通りました。
そのときは、とてもゆれ、大きな音がしました。
通り過ぎてからもしばらくゆれていました。
でも、動いている新幹線はあまりにも静かだったし、えみこちゃんは長旅で疲れていたので、とうとう寝てしまいました。
しばらくすると、外には今までの山より、もっともっと大きな大きな山がそびえ立っていました。
えみこちゃんは、夢の中で、タカとナスビがさわいでいるのはなぜかなあと思っていました。
ご感想をいただいて、最後の部分に少し追加してみました。