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自己紹介

「おはようございまーす。」


そう言って、出社してきたのはこの部署にこの4月から配属となった田口さんだ。

田口さんは柊さんと同期らしいくて、昨日会った時に柊さんと

親し気に話していて、



「いやぁ~柊君と仕事が出来るなんて思ってもみなかったよ!」


「俺も全然思ってみなかった~。」


そう言って、苦笑する2人なのだが、

田口さんは、関東事業所に1年目から配属になっており、

柊さんは1年目から照明事業部の本社の九州事業所に配属となっていた。


もともと関東事業所と九州事業所では、ほとんど交流もなく、協力もない。

何よりトップ同士がものすごく仲が悪いから、必然的に事業所同士の社員同士も

仲が悪いというか・・・若干、険悪なムードを醸し出している・・・


そのため関東事業所に配属になったら、関東事業所内を転々とはするが、

九州事業所に異動はほほとんど皆無と言っていい。


そのため柊さんも田口さんも入社してから半年間の工場実習で一緒に仕事をして以来、

初めて仕事を一緒にすることになったらしい。



「そこの席に柊君がいると超違和感があるね~。」


「大丈夫、俺も違和感ありまくりだから。」


「だよね~。

 これから宜しくおねげーしますだー柊参事。」



確か、数年に一度くらいのペースでしか会ったことがないって言っていたけど・・・


・・・本当に?


ずっと昔からの友達のように振舞うのだけど・・・


この5人がまずは同じチームとして活動していくメンバーである。



「まずは大谷ちゃんの部隊と挨拶をしようじゃないか。」


村中部長の一言で、急ではあるが大谷課長の部署というか、

私達は一応大谷課長の部署に所属になっているのだけど、

お互いの挨拶をすることになったのだ・・・。


会議室に20名ほどのメンバーが集まって、

名前と歳、出身などで無難な挨拶をしていく中で、

まず最初に口火を切ったのは、



「村中といいま~す!

 歳は秘密です!

 ただ、いつでも青春してますので、女性陣いつでもウェルカムだぞ!」


・・・


まあ、村中部長の挨拶はスルーしておこうかな・・・


大谷課長も愛想笑いを浮かべているなか、

野々宮さんは真顔でしかもため息をつくのであった。


秘書にあんな態度をとらせるなんて・・・


ちなみに私の挨拶は、



「井口です!

 今年二年目で、25歳です!八大学出身で、初めての1人暮らしを満喫してます!

 今年度から柊さんの下で働きますので宜しくお願いします。」


「わかー!!いいねー。」


・・・そんな声をかけるのが・・・村中部長である・・・。

その後も一人で私に質問を投げかけてくれるのだが・・・


全然、仕事のことは聞かないし!!



「ねえねえ!趣味は?」


「あ!お菓子作りです!今度みなさんに持ってきますので、

 甘いモノが苦手な方とかいたら事前に教えてくださいね!」


「期待してまってるよ~。

 若い子の手作り・・・どんなのか今から期待して夜も寝れないかも!

 ねえねえ、お酒飲める方?

 ご飯を食べに行くとしたら何を食べにいきたい?

 おじさんは範囲内?それとも範囲外?」


・・・何でこんなに村中部長って食いついてくるんだろうか・・・



「村中部長、セクハラ訴えられますよ。」


ここで柊さんが苦笑しながら、村中部長の暴走を止めに入ってくれた。



「えーこんなので!!!セクハラになる!?」


「立派なセクハラになりますって。

 この間の役職者教育でしっかり習ったじゃないですか!」


ブツブツいう村中部長を押さえて、今度は柊さんが自己紹介をしていくのであった、



「九州事業所から来ました柊と申します。

 歳は28歳で今年29歳になります。

 阪大学出身です。

 関東事業所は年に数回は来ますが、分からないところが多いいので皆さんに尋ねるかと思います。

 なので、優しく教えてくださいね。」


そんな挨拶をしてくれるのであった。

ちなみにこの挨拶には村中部長は一切質問はなかった・・・


村中部長が食いついたのは、大谷課長、野々宮さん、私、

そして他にいる女子社員の時のみである。


・・・はっきりしてるな・・・


だけど、柊さんに対して、みんなは興味津々のようで、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。

だいたいが柊さんよりも下の年齢しかいないチームであるため

みんなが色んな事を聞きたいのがよくわかる。



「どうやったら、留学出来るんですか?」


「何の勉強してるんですか?」


みんなが尋ねるのは仕事に関する内容である。

だけど、それを破る強者が突然現れた・・・



「今まで何人ぐらいの人とお付き合いしましたか?」


・・・村中部長である・・・



「俺は・・・10・・・20・・・27人くらいかな?」


だれも聞いてません・・・


若手がみんなが呆然としてしまうなか、



「それ・・・素人だけですか?」


何と柊さんはその質問にのってきたのであた!!

って、聞いてる私が恥ずかしいような質問を!!



「ばか!玄人入れたらもう二桁じゃ、おさまらないよ~。」


大いに笑う村中部長。

そんな村中部長であるが、急に笑いを止めたかと思うと・・・



「これが出来るから柊ちゃんは、その年齢で“参事”っていう肩書があるんだよ~。

 みんなよく覚えておくといいよ~。

 まさに自分達が上に行く時の手本になってるんだからね~。」


呆然としている私達。

ただ・・・


1人だけ食いしばったような顔をしたのを見逃すことはなかったのだ。


大谷課長・・・


今は先ほどまでと一緒でにこやかにしているが、

一瞬苦々しい顔をしていたのを私は見逃すことはなかったのである。


次話は9時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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