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講談商事の謝罪・・・

次の日、私達は西副社長と共に

もう一度関東事業所の柊さん達をもう一度訪れるのであった。


更には今日は社長も一緒に来ているのである・・・。



「今日はどういった用件で?」


今日も柊さんと共に、村中部長、澤藤さんが応対してくれた。

柊さんの言葉に対して・・・



「この度はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」


その言葉と共に社長、西副社長、私は深々と頭を下げるのであった。



「え?いや、どういうことですか?」


困惑する柊さんに対して、



「いえ、こちらの西が大変ご迷惑をおかけしたということで、

 本日はお詫びに来たしだいです。」


社長がお詫びの言葉を述べる。

そしてスッと差し出されるお詫びの品の数々。



「・・・。」


柊さんはそれに圧倒されたのか黙ってしまう。



「弊社を今後ともお願いできればと思います。

 小間使いでも何でも言っていただければ喜んで対応させていただきますので。」


「・・・それは今度窓口から外されてもいいということですか?」


澤藤さんが笑みを浮かべつつ、その鋭い視線を飛ばしてくる。

それに応えるのは社長で、



「はい、問題ございません。

 これからも御社を御贔屓いただけますようお願いします。」


そう言って頭を下げる社長。

それに対して・・・


満足げな顔を浮かべる澤藤・・・


私は・・・


あなたが憎い・・・


本当に殴ってやりたいくらいに・・・


あの後・・・


あなたが私達に何をしたのかを!!!




私達が関東事業所での会議を終えて、



「・・・疲れましたね。」


「ああ、さすがにな~。」


そう言いながら西副社長と一緒にうちの会社の東京事務所へと向かう。

その途中で、



「六本木ヒルズ行きませんか?」


「・・・俺に・・・たかる気だろう?」


「そうです!だって、せっかくなら

 あのめっちゃ高いって言ってたコーヒー飲みたいじゃないですか!!

 うまく行きますよーにって願掛けも込めて!」


「・・・そうだな。」


私と西副社長は一緒に六本木ヒルズに行って・・・



「こ、これが一杯3500円のコーヒーですか・・・

 いつもコンビニの100円のコーヒーしか飲まないのに・・・

 あれで結構しあわせなんですけど・・・。」


「ああ、味わって飲めよ。」


そう言われて襲る襲るコーヒーカップを手に取り

ゆっくりと口へと近づける。


そして一口飲んで・・・


・・・



「西副社長・・・


 私は・・・


 味の違いが分からない女でした・・・。」


結局コンビニのコーヒーとの差が分からないほどの馬鹿舌だったようで、

その後も飲むのだが・・・


コンビニの方が飲みやすいんですけど・・・


自分でいうのもなんだけど、本当にもったいない・・・


そのことを正直に西副社長に伝えて、



「ほんと、連れてきて損したよ。」


と大笑いされるのであった。


そんな時だった、西副社長の携帯が鳴り、

至急東京事務所に来て欲しいと言ってきたのである!

慌てて2人で戻っていく。

詳細は聞かされていないため、頭の中ではネガティブなことばかりが浮かぶのであった。



「・・・取引停止ってどういうことですか?」


「・・・分からないんだ。南日本電機から、定期検査の結果がきたんだけど、

 不合格で取引停止になった。」


私は愕然としてしまう。

そして、あの男の最後の言葉を思い出すのであった。



“柊君、飼い犬のしつけ方はしっかり学んでおくべきだね。”


きっとそれに違いない!!


あの男が裏で手を回したに違いない!!


なんて汚い奴なんだ!!


私と西副社長も目を合わせる。

お互い考えていることは一緒なんだろう。


私達は今目の前で頭を抱えている社長に今日の出来事を伝えるのであった・・・



「・・・澤藤さんがやったんだろうな・・・。」


呆然と聞きながら、その答えをだす社長。



「そうだと思います。」


大手メーカーは一年に一度検査を取引会社とする。

当然一発でOKとなることもあれば、引っかかってしまうこともある。


うちの会社でも過去には引っかかったこともあったのだが、

それは軽微であれば、改善しましたの報告でOKであり、

その間も普通に取引はしている。


重いモノになると、一カ月後までの改善依頼が来て、再度検査が入る。

たいていここでOKになるが、まれにもう一度検査をと言われることがあり、

その時はもうい一度検査をする。


そう、引っかかったとしても再検査ですむのだ!

それなのに、再検査もなしでいきなり取引停止なんってことは絶対にありえない。

明らかに圧力がかかっているのは明確だ。



「・・・このままいくと関東事業所だけではなく、

 南日本電機全体の取引が無くなってしまう・・・。

 そうなるとうちの会社の8割の売り上げが無くなってしまうんだ・・・・。」


その言葉に息を呑む・・・


当然営業だし、副社長付なので会社の経営については知っている。

売上も南日本電機に大きく依存していることも知っていた・・・


だけど、こうやってハッキリと言われるとそのことを自覚するのであった。


8割の売り上げをすぐに取り戻すこと何ってできるわけがない!!


間違いなくこの先に待っているのはリストラ、事業縮小以外ありえない。

この人員を保つにはそれしかない・・・


こうなることは分かっていてあいつは仕掛けて来たのだろう・・・


あいつが・・・



「今から・・・謝りに行きますか?」


西副社長が重い口を開く。



「・・・そうするしかないよな・・・・。」


社長もその意見に同意するのであった。

ただ、私は謝りたくない・・・


いや、決して私だけじゃない!


社長も西副社長も当然謝罪をしたい何って思ってない!!


だけど、現実問題謝らないと会社がいきなり危機に陥るのだ!


なんってやつなんだ!


なんて最低な奴なんだ!!


だけど・・・あいつに屈するしか・・・ない・・・


私は電話を掛けると、女性が出てくれた。



「私、講談商事の山田と申します。

 いつもお世話になっております、柊様おられますか?」


「あいにく柊は終日会議となっております。」


「どのくらいに終わりますか?」


「少々お待ちください。」


感じの良い人で良かった。

ここであいつが出たら何を言っていたか分からないや・・・


数分経過した後に、



「申し訳ございません。本日の打ち合わせ後の調整は難しいです。

 もし可能であれば明日の9時にいかかでしょうか?

 村中、柊、澤藤ともその時間帯であれば対応可能です。」


「そうですか・・・それでお願いできますか。」


「かしこまりました。」


「あ、あのすいません!」


「はい?」


「打ち合わせって?どこの方とかと教えて貰うことはできますか?」


絶対に教えて貰えないだろうなっと思っていたのだが、



「御社も関係している案件での打ち合わせです。」


ハッキリと社名を出しては教えてくれなかったのだが、

どうやら柊さんは私達のために頑張ってくれていることがわかると

さきほどまでの嫌な気分がずいぶんと治まってきた。



「それでは、明日、宜しくお願いします。」


「こちらこそ、宜しくお願いします。」


柊さんは必死で頑張ってくれてるんだ!

私だって頑張らないと!

あいつにだって、頭の1つぐらいさげてやる!!


次話は20時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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