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エレクトロニクス社の陰謀

「はい、南日本電機です。」


私が外線の電話に出ると、慌た様子で私に電話のかけ主が話しかけてくる。



「講談商事の山田と申します。柊様はおられるでしょうか?」


「少々お待ちください。」


そのことを特に気にもせずに、返事をして電話の保留を押す。

そしてご指名のあった柊さんへ、



「柊さぁ~ん!愛人1号からお電話です!」


「ぶふぅーーー!」


村中部長と田口さんが私の声を聞いて吹き出す。

ジト目で見てくる柊さんは、



「・・・井口さん、俺に愛人はいませんけど?」


「ええ~!?いますよ!

 講談商事の山田さんが一号です!

 そして僭越ながら私が二号ですね!

 そして、この間のコンパニオンの江田さんが3号でしょう?」


「・・・まったく身に覚えがないんだけどね・・・。」


「ひどい・・・あんなに激しく夜を一緒に過ごしたのに・・・。」


そう言いながら崩れ落ちる私に柊さんは辛辣に、



「・・・2点だな。」


「・・・何なんですかその点数は?」


「芝居が古臭いから・・・。良かったね演劇や女優の道に進まなくて。」


「・・・ちなみに点数は何点満点ですか?」


「100点満点。」


「低すぎでしょう!!

 私の熱演に対して、その評価はものすごく不服ですよ!!」


思わず抗議をしようとするのだが、それを手で制して、柊さんが電話に出る。

・・・電話が思ったら絶対に抗議をしてやる!!



「お電話代わりました柊です。」


電話越しでの挨拶を交わしたかと思うと、

急に困惑したような顔に変わる柊さん、



「え?今からですか?・・・時間はとれますけど・・・どういった用件ですか?」


え?今から講談商事が来るの?

何やら問題が起きたような感じがする・・・



「え!?」


やっぱり問題が起こったんだ!!


それを感じたのは私だけではなく、田口さんも村中部長も柊さんへと視線を向けて、

電話が終わるのを待っている。


電話が終わって柊さんは開口一番に、



「講談商事がエレクトロニクス社の窓口を外されたそうです。」


「「「え!?」」」


3人が驚きの声をあげる。

そんな3人の驚きを無視して更に話を続ける柊さん、



「しかも、うちからの指示で商社の講談商事を外したことになっているそうです。

 講談商事が言うには、うちとエレクトロニクス社で直接取引をすることになったとのことで、

 講談商事には有機ELを売らないと言ってきたそうです。」


「はぁ!?そんな指示を出したのか?」


村中部長が驚きながら尋ねると、



「いいえ、まったくそんなことはしてません。

 だいたい、エレクトロニクス社との直接取引なんて現時点で出来るわけがないんです。

 取引口座もありませんし。」


「なら何でそんなことを言ってるんだエレクトロニクス社は?」


そう言いながら村中部長の顔がハッとする。



「澤藤は今日の出社は何時だ?」」


村中部長が庶務の野々宮さんに確認すると、

野々宮さんは手元のパソコンを操作してスケジュールを確認して、

村中部長に応える。



「11時です。」


「いつも通りの社長出勤だな。」


苦笑している村中部長、



「柊ちゃん、講談商事は何時に来るの?」


「僕のスケジュールで空いてる時間にしてもらったので11時に来ます。」


「ちょうどいいね。

 澤藤から交渉でそんなことを言ったのか確認して、

 講談商事との話し合いをしよう。」


「はい・・・。ただ、これでうちと取引を直接するってことになると・・・。

 ちょっと購買部に直接取引か可能かどうか、それと何か方法がないか確認します。」


そういって、電話を掛けだす柊さん。



「はぁ~・・・ここに来てめんどくさいことになってきたな・・・。」


頭を掻きながら思惑をする村中部長であった。



「なるほど・・・。」


出社してきた澤藤さんに事の話をする村中部長。



「で、そんな約束をしてきたの?」


「いえ、してません。

 確かにエレクトロニクス社からは直接取引がしたいと要望がありましたけど、

 それに約束をした覚えはないです。」


「・・・直接取引の要望が上がったことは報告にあがってなかったけど?」


「ええ、その場で約束もしなかったので、報告する必要もないかと思ってました。」


「その時の議事録は?」


「ありません。」


「・・・何でない?」


「いえ、特にその交渉時に決まったこともなかったので・・・。」


「・・・決定事項がなかったとしても議事録上げるのが普通だろう?」


「お言葉ですが、決定事項もないのに議事録をあげるなんって

 時間の無駄にしかならないかと思いまして・・・。」


「その判断は俺がすることであって、澤藤、お前がすることじゃない!

 二度とないようにキッチリと報告書はあげろ!」


村中部長が怒っている中で、外線が入り、私が取ると案の定講談商事からの電話であって、

意を決して、2人が話している中へと行き、



「あ、あの~、講談商事さんが来られましたが・・・。」


「・・・分かった。澤藤、柊、お前らも一緒に来い。

 まずは事情説明だ。こちらからそんな指示はだしていないっていう。」


そう言って、2人を連れて村中部長は会議室へと向かうのであった。



次話は20時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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