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展示会前日

展示会まであと2日!


すでに私達は展示会に使用する照明器具の準備を終えており、

業者との詰めの打ち合わせも終わっていた。



「だけど、どうして私達ってイベント会場で電気配線したらダメなんでしょうかね?

 電気工事士の資格持っているから配線してもいいと思うんですけど・・・。

 それに私達が自分達で配線すれば、その分だけ費用は相当安くなると思いますよ?

 あの人達、一日3万円近く払わなあきゃいけないんですから!

 それなら私が代わりに1万円でバイトしますよ~。」


「何かあった時の場合に備えてだよ。

 ケガするなんて、あってはならないからね~。

 まあ、俺達は一応監督って立場なんだから、

 しっかり配線が出来てるかどうかはチェックしよう。」


「分かりました・・・。」


「ほら、事業所内に運送屋が来たから運び入れるよ。

 早く運び入れないと、次の手順に支障をきたしてしまうからね!

 今日の夕方から展示会場で設営が始まるんだからさ。」


「はーい!」


取り扱うのが電化製品であるため、その日の朝に積み込んで

その日のうちに展示会場におろす段取りとなっていた。

確かに、車の中に一日放置して不具合でも発生したら困るだろうけど・・・


そんなやわな電化製品って使用するのに大丈夫なんだろうかと思ってしまう・・・


ちなみに運搬車への積み込みもうちの会社では業者が運び出しをして、

私達はその傍にいて、見ているだけです。


もし運び出しをして、私達が怪我をするといけないとのことで、

会社の規則にバッチリと記載されているのです・・・。


・・・展示会とかあっても本当に何もできないじゃない・・・


何か祭りを傍から見ているだけのような感じがしてちょっと寂しいな~・・・



荷物の運び出しは2時間ほどで終えて、

私達も監督をお役御免となって、事務所へと戻る。



「昼過ぎにはこっちを出るよ。」


「りょーかいしました!あ、お昼どうします?」


「外で食べようか?もしかしてお弁当持ってきた?」


「いえ、今日は外で柊さんから

 奢ってもらえるだろうと思って持ってきてません!」


「・・・ずいぶん用意の良いことで・・・。」


「任せてくださいよ!!」


私と柊さんは昼まで事務処理を進めて、

昼過ぎになると2人で会社を出て、展示会場へと向かう。



「東京ビッグサイトって私、初めてです!!」


その言葉を聞いた柊さんがニタリと笑う。


あ!?これ、前に飛行機で私をだまそうとした時の表情だ!!



「もうだまされませんよ!!

 ちゃんと事前に東京ビッグサイトについては調べて来てるんですからね!!」


「・・・そんな人聞きの悪い。俺がいつだましたって言うんだよ!」


「飛行機の時に騙したでしょう!あの時にと同じ悪い顔をしてましたよ!!」


「・・・そんな記憶ございません。」


「柊さんになくても私にはしっかりありますからね!

 イジメた方は忘れても、イジメられた方は絶対に忘れないんです!

 その心理とまったく一緒ですよ!!」


警戒心まるだしで柊さんと接する。

その姿に柊さんが苦笑しながら、



「とりあえず新橋まで出て、そこでご飯を食べて東京ビッグサイトに行こう。」


「分かりました!」


予定通りに新橋でご飯を食べてから、初めての東京ビッグサイトに向かう。

道中、明らかに同業他社の人達が大勢いて・・・



「お!南日本電機の柊さんじゃないですか!!」


こんな風に柊さんに声をかける人が多数いたのである。

やっぱりこの業界では、柊さんは結構有名な人なんだな~・・・



私達が会場に付いた頃にはまだ、開場がされておらず

みんながビッグサイトの会場付近でウロウロしていたり、

地べたに座って携帯で電話しながら、パソコンを操作している姿が

結構な人数いた!!


・・・そこまで仕事しないとダメなの?


そんな疑問が湧いてくる中、私の近くにいた同業者と思われる人達も

同じように携帯片手に仕事をしているのだが・・・


何で仕事してるって雰囲気を出して、こっちをチラチラと見るのかね・・・


何かのアピールか何かだろうか?


まあ、絶対にそんな出来る風の奴らには声なんて書けないし!

それに仕事してないのバレバレだからね!!


・・・ウザいな・・・


その空気の中で絶えるのにそろそろ限界を感じ始めた頃、

やっと会場が開場されて、次々と搬入が始まった!!


・・・で、アピール組は私の傍から離れないと・・・・


声をかけてくる勇気もないくせに、

なにをアピールしてるんだろうな?

そもそもアピールして、私が声をかけると思っているのだろうか?


・・・ないわ・・・


私はすぐに傍から離れて、会場内へと入って行くのであった。


会場内に入り、私達が展示ブースを構えるエリアに行くと

すでに搬入業者によって、搬入が開始されていた。


それを・・・


私達はただ見るだけだけど・・・


しかもイベント運営会社が用意したイスに座って、私達はその作業を見る。

至れり尽くせりで、飲み物も食べ物も全部用意されているのだ。


・・・暖房まで用意されてるんだけど・・・


必死に作業している人の前で、ふんぞり返るなんてできませんよ・・・


みんなが必死で働いている中で

ここに座っているだけなのは苦痛で仕方ないです!!



「・・・ちょっと周りを観にいて来てもいいですか?」


「産業スパイに間違われないようにねー。」


「え!?」


「まあスパイは嘘だけど、ピリピリしてるから、変な刺激を与えないようにね。」


「・・・大人しくここにいます。」


確かに周辺はあわただしく設営を行っており、見学何ってでき雰囲気ではない。


とういうか、ところどころにこの展示会の主催者が用意した監視員なのか、

その人たちが立っており、他の会社の設営を見ていた人に注意したり、

写真を撮ろうとした人を注意したりしていた・・・。


たぶん、私がウロウロすると確実に声をかけられてしまうのであきらめて座っておく・・・


柊さんはまだ、作業員の方に声をかけられて図面の確認したりと

仕事があるから良いけど私は・・・


本当に暇なんですけど!!


その後、夜になる頃には大まかな設営が終わり、

各照明器具の点灯確認が行われて、問題がないことを確認した。



「これで今日の作業は終了だって、あとは明日細かいところの設営と

 コンパニオンの人達が説明する時の内容の確認、細かい指示くらいだよ明日は。」


「じゃあ、明日は私はこっちに来なくても大丈夫ですね。」


「うん、今日はご苦労様。」


「いいえ!これで夕飯奢ってもらるんだから頑張りますよ!!」


「・・・あれ?俺、そんな約束したっけ?」


「私の中ではしてます!!」


「・・・分かった。今日はもう諦める。」


私は初めての新橋で飲むということをこの日体験したのであった!!


何かサラリーマンしてるよ私!!


次話は本日19時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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