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コンパニオン候補

「・・・あの人、大丈夫ですかね?」


「さっきの人?」


「そうです・・・。だって、泣くほど辛いのにオーディション受けるなんって・・・。」


「それだけ思い入れがあるのかもよ。

 あの人、出身が九州って言っていたしさ。

 それも照明事業部の九州事業所の傍の近くらしいし。」


「そうなんですか!!」


柊さんの言葉を聞いて、すぐに柊さんが持っているプロフィールを貸してもらう。

彼女のプロフィールを見ると、そこは九州事業所のすぐ傍の住所になっていたのである。



「・・・受かってほしいですね。」


やっぱり同郷の人には受かってほしいと思ってしまうのが人の心情だろう。

柊さんも「そうだね」と答えてくれるし!


ただ、その後で私に柊さんはプロフィールが書かれている紙とは

別の紙を私に見せてくれる。

その紙は升目になっていて・・・



「・・・これは?」


「採点表。」


その紙を見るといくつかの評価項目が横軸、

縦軸には今回オーディションを受けるモデルのものであろう名前が書かれていた。


それぞれの項目が10点満点で採点していく方式となっていたのだが・・・



「柊さん・・・。」


私はある項目を指さしながら、柊さんに尋ねる。

そこの項目には・・・



「出来レースなんだろうよ。」


柊さんが皮肉たっぷりそう告げてくる。


その項目はなぜかオーディションも始まっていないにもかかわらず

◎や〇、×がすでに書き込まれていたのであった。


その項目に名称は入ってないのだが、目星がついてしまう・・・



「・・・何なんですか、これ?」


「本命が◎、対抗が〇、そしてすでに落とされているのが×なんだって。」


「え?まだオーディションもしていないのに?」


「すでにイベント会社とモデル会社で出来上がってるんだろう?」


「・・・最低・・・。」


柊さんに言われて、◎がついているモデルさんの所属事務所を見ると

確かに私でも聞いたことがある所属事務所である。

〇も有名なモデル事務所であった・・・



「唯一救いなのは、さっきの人に×がついていないことだよ。」


そう言われて確認すると確かに江田さんには何も記載されていなかった・・・


だから、無条件で落とされるということはないんだろうけど、

だからと言って・・・ほとんど通る可能性なんてないんだろうな・・・



「コンパニオンは4人を選びますので。」


イベント会社が取り仕切って司会を初めて、オーディションが開始された。


一人ずつ出てくるのは分かるのだが・・・


なぜか・・・


モデルは全員水着姿になっており、審査員の前でポージングとっていくのである!!



「・・・何でですか?」


「何が?」


私と柊さんは横並びに立って審査をしている。

・・・私は審査権を持っていなけど、柊さんは持っている・・・

だから、小声で話しかけることも可能なのだ。



「何で水着審査なんてあるんですか?」


「・・・目の保養?」


「・・・最低・・・。」


今回の展示会では、南日本電機の普通の制服が用意されていて、

展示会中はその制服を着て、応対をする予定である。


だから、水着姿なんてなることなんかない!!


なのに・・・この男達は・・・


私は思いっきり柊さんに肘鉄を加える。



「何で!?」


「女性を侮辱した罪です!!」


「俺だけ!?」


「我慢してください・・・。」


「はい・・・。」


色々なポージングを指示する審査員たち。

審査員たちがポージングを堪能した後で、やっとナレーションを始めるのだが、

◎や〇が付いている人達は決して褒められるような技術ではなかった。


逆に×の中にはナレーションが上手い人がいたのに・・・この人は落ちるんだろうな・・・


◎が付いている人は1人、〇が付いている人は1人、

あと2人は無印の中から点数で決めるかと思っていたのだが・・・


そんなことはなかったのである!!


無印の人がナレーションを終えた時であった。

司会をしているイベント会社の人が、



「彼女はこの後あります審査員様達の慰労会にも参加してくれるそうです。」


その言葉に審査員のみんなが『おぉ~!!』と感嘆すると、



「はい、宜しくお願いします。」


そう笑顔で答えるモデルさん。


その後もつつがなくオーディションは進んでいき、

あるモデルさんのところで、また同じように、



「彼女はこの後あります審査員様達の慰労会にも参加してくれるそうです。」


そう私達に告げてくれるのであった。



「・・・モデルってそんなことまでしないといけないんですか?」


「そんなことまでするから、仕事が取れるんだろう。」


「え?もしかして・・・。」


「彼女達2人が残りのコンパニオンになるんだろうね。」


「・・・本当に最低・・・。」


え?なに?ホントに体を張らないとオーディションには受からないの?


それじゃあ、それに真剣に頑張っている人がバカをみるじゃない!!


何で真面目に頑張ってる人がバカをみなきゃいけないのよ!!


私は憤るばかりであった・・・



次話は20時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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