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澤藤さんのやり方

その後、柊さんと村中部長が事務所内にある打ち合わせスペースに行き、2人で話をしていた。

それを横目に見ながら私は、



「そう言えば、井口さんと飲んだことはなかったね?」


澤藤さんと話していた。

全然澤藤さんの話が頭に入っては来ない・・・

柊さん達、どんな話をしているんだろうか・・・



「そうですね・・・あ、いや、歓迎会でご一緒したじゃないですか!

 あの時、3次会までご一緒したと思いますよ!

 カラオケも行きましたし~!」


「あれは公の場だよね。いや、個人的にって意味でだよ。

 ここって個人的には飲みに行ったりはしないのかな?」


「そうですね・・・。意外とそんなに飲みに行ったりしないですよ。

 本社の方々は東京に会社があるから、毎日のように飲みに行っていると聞いていますけど?」


「それは言い過ぎだよ。

 ただ、飲みに行くのも仕事だからね。

 飲んでいる時もいろんな話が聞けて、勉強になるよ。」


「そうなんですね~。だけど、こっちではそんな文化がないので分からないですよ。」


「じゃあ、今度飲みに行こうか?」


「ええ、機会をみていきましょう!」


「OK!じゃあ、井口さんの都合の良い時に声をかけてよ!」


そんな話を私としながらも、企画部の大川さんを見つけて、

大川さんの元へと行く澤藤さん。



「あの人・・・本当に技術者なのかな?」


私が聞いた話では本社の技術者として、現在でも活躍していると聞いているのだが、

やっていることは大きく技術者から離れているような気がする・・・


明らかに技術ではなく、営業や企画といったところなのだろうか・・・


まあ、柊さんに言えば、そういう人がいるから商品が出来るし、売れるんだっていうけどさ・・・


技術者であるなら、技術者としてのプライドで働いてほしい・・・


澤藤さんと同じ技術者と言われるのが腹ただしいし、嫌な気分になってしまう。



「はぁ~、やになっちゃうね~。」


そんなため息をつきながら、村中部長と柊さんが戻って来る。



「これで、今まで考えていた方針を大きく修正しなくちゃいかんからね。」


やっぱり村中部長の考えとは違ったんだな。

それを確信しながら、私は聞き耳を立てていた。



「内覧会はもう、変更のしようがないから、このままいって。

 その後の話についてはインテリア照明を主に検討していく方向ですすめよう。

 それと資料についてもインテリアに置き換えた場合に

 どのくらいの明るさが必要かなどを調べておいて。」


「わかりました。」


「ふー・・・。

 とりあえず、俺は今日は予定通り、こっちは引きあげて、本社に行くけど、

 何か他に連絡事項はある?」


「いえ、先ほど伝えたので全部です。」


「うん、わかった。ちょっと手間が増えてしまったけど、

 まあ、製品化だけを考えると間違いではないからね。

 ただ、プラスアルファは必須だとおもうから、ちゃんと考えていこうね。」


「了解しました。」


「じゃあ、俺は出るから、後よろしく!」


そう言って、帰り支度をしていく村中部長に、



「お疲れさまです。」


柊さんの言葉を合図に、私達も、



「「お疲れさまです。」」


と挨拶をするのであった。

それにひどく疲れた感じで挨拶を返してくれる村中部長。



「・・・で、2人とも聞こえてたと思うけど。」


田口さんと私に話しかけてくる柊さん。



「また面倒が増えたし!!」


田口さんが愚痴る中、



「インテリア照明の方の規格と仕様のデータを頂戴。」


「うぃー!」


そう返事をして、田口さんは作業にかかる。



「井口さんの方は今日の議事録は出来そう?」


「あとちょっと時間をいただければOKです!」


「・・・不満な点はあるかもしれないけど、議事録に思惑はいれないように書いてね。」


「はい!」


「そして、俺、澤藤さん、村中部長の順に議事録回して、その後、全体に配布。」


「えぇ~!?結構な手間になるじゃないですか!!」


「けど、そうしないと澤藤さん辺りは何だこれ~!!ってクレームつけてくるよ。」


そう言われて、私は納得する。

絶対にあの人は意にそぐわないことだと反対してきそうだ・・・

だから、柊さんが私の上に立ってくれて、

その火の粉がかからないようにしてくれる配慮なんだと。



「・・・分かりました。」


「じゃあ、宜しくね。」


議事録はその後、すぐに完了して、柊さんのチェックはすぐに完了した。

なので、澤藤さんにチェックをお願いしたのだが、



「分かった。」


そう返事はしてくれたものの、結局その日には返事はもらえずに

今日の終業時間を迎えたのであった・・・


次の日の朝、メールを確認してビックリする!!



“井口様 議事録はすぐに配布お願いします。今回は僕の方で作成し、配布させていただきます。”


そのメールと共に会議参加者全員に送付しているのであった。


え?


だって、私、チェックを頼んだのに!?


それにこの添付ファイルのメールの議事録のベースって、私が書いたやつじゃん!!


このメールを見て思わず目が点になるのであった。



「澤藤さんからチェックしてもらったの返ってきた?」


「いえ、依頼したんですけど、返ってきてません・・・。」


「そうだよね・・・。」


柊さんがため息をつきながら、澤藤さんからのメールを読んでいて、



「内容もだいぶ変わってるしね。これ、絶対に村中部長が激怒するわ。」


柊さんは苦笑しながら、



「澤藤さんには俺の方から言っておくから、気にしないようにね。」


「・・・はい・・・・。」


結局、その後、澤藤さんに柊さんは言ったらしくて、



「ごめんごめん、そう言えば俺に送ってもらってたね。」


そう言って、平謝りをする澤藤さんであったが・・・


この人、絶対に確信犯じゃん!!


だって、そもそも私が書いたのを変更して送ってるんだから!!


私のを見てないなんて言い訳は通用しない!!


それなのに悪びれた様子もなく、あの態度は一体何なんだ!!


村中部長からも「分かってるよ・・・お疲れさま。」とねぎらいの言葉をかけられたけど・・・


ますます澤藤さんに対していいイメージを持てません!!!


私の中で、澤藤さんに対する嫌悪感がますます膨らんでいくのであった・・・




その後内覧会が開催されて、かなり有機ELは好感触を得たようで、

各地域の協力メーカーからはこちらへのコンタクトが増えたのであった。


内覧会で得られた結果はやはりインテリアに関するコメントが多く、

結局はインテリアを主に行くことになったてしまうのであった・・・



次話は8月23日7時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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