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飲み会は、貴重な情報収取

「・・・で、いつものところなのね・・・。」


「ええ!私、こっちに来て、個人的に飲みに行くことなんてなくって!

 知っているお店って事しかないんですよ!


 それにこの間来た時に柊さんと一緒にクーポンもらったじゃないですか~!

 それが今日までだったんで、これは行かなくてはって思って!」


「まあ、いいけどさ~。」


私達3人はそのままお店の中へと入って行く。



「お飲み物何になさいますか?」


「俺は生ビールで。」


「じゃあ、私も生ビールを!」


「俺は・・・


 メロンフロートで!」


「「「はぁ?」」」


店員さんも含めて驚いた声をあげる。



「・・・まあ、いいんじゃない。」


柊さんは苦笑しながらも田口さんの注文を許していたのだが、



「いやいや、今から食べれるんですよ?

 いいんですか?

 メロンフロートってアイスの乗ったデザートだと思うんですけど・・・・」


「うん、俺、甘いの好きだから。」


「・・・じゃ、じゃあ、メロンフロートでお願いします。」


私は呆然としながらも店員さんに注文しつつ、



「今日のおすすめって何ですか?」


「今日はサラダ仕立てにしてますけど、刺身が乗った海鮮サラダがおすすめす。」


「じゃあ、それ一つください!」


店員さんが言い終わるか終わらないかのタイミングで柊さんが注文する。



「まだ!おすすめを全部聞いてないじゃないですか!

 聞いてから頼みましょうよ!」


「だって、サラダが食べたいもん!」


「“もん”って!?」


私は思わず笑ってしまう、柊さんがもんって言う何って、可愛らしい!!

だけど、無性に私の悪戯心を刺激してしまい、



「もう!もうすぐ29歳のオッサンがいつセリフじゃないですよ!」


「オッサン!?」


「十分オッサンですよ!ねえ、店員さん!」


「28歳なんですか!?」


「やっぱりそっちに驚きます~?ちなみに何歳くらいだと思ってました?」


「てっきり、22、3歳くらいだと・・・。」


「良かったですね、若く見られて。」


「・・・。」


仏頂面をする柊さん。

それもそのはずである!


柊さんは年相応か年上に見られたのいのだ!!


くぅ~、私の悪戯心を刺激する!!!



「他におすすめありますか?」


「はい、他には地元の魚系の料理がいつくかと・・・。」


そう言いながら、本日のおすすめ料理が書かれた手書きのメニュー表を見せてくれたので、

その中からいくつか頼んでいく。



「あと、ポテトサラダと唐揚げ、ポテトフライもお願いします。」


「え?ポテト系が二つもありますけど?」


田口さんの注文に私が思わず驚くと、



「だって、メロンフロートにはしょっぱいもの系があうじゃない。」


そんなことを言ってくるのであった!!

いや、確かに甘いのモノには、しょっぱいものがあうけど・・・


おこちゃまか!!


っとこころの中でツッコミをいれるものの、口には出さない。


田口さんにはどこまで距離を詰めていいのか、今だに推し量っているところなのだ・・・



飲み物が届き、乾杯をして、みんなで料理を食べ始めたところで、



「田口、お前、澤藤さんと一緒に仕事したことあるだろう?」


「うん、あるよ。」


「え!?あるんですか?!」


田口さんの発言に驚くのだが、

それよりもよくそんなことを柊さんが知っているなぁ~!?という点に驚く!!



「うん、ちょっと前だけど、別件でね。それでどうした?」


「いや、その時の話を聞きたくてね・・・。

 っていうか、てっきり井口さんはそのことを知ってて、誘ったのかと思ったけど?」


「いや、初耳です・・・。

 私はただ単にクーポンを口実に柊さんにたかろうと思っただけですから・・・。」


「あ、そこは本気で言ってたのね。」


「はい!」


「まあ、いいけど・・・・。

 とこで、その時はどんな感じで進めてた?」」


「ええっとね~。まあ、今日の受けた印象もそうだけど、

 結構強引に進めるタイプで、しかもかなりかき回してくるタイプ。

 かき回してかき回して、こっちはその応対で必死で応えるって感じだったよ。」


「ふ~ん・・・。」


「で、まあ、手柄は自分のものにする人だったよ。」


「まあ、想像通りって感じだね・・・。」


「見た目と話し方で想像できるよね~。」


田口さんと柊さんがしゃべっている中に割って入りながら、



「何で、澤藤さんって、いろんなプロジェクトに顔を出しているんですかね?」


そんな私の質問に、



「まあ、1つは点数を稼ぐのにいいからだろうね。」


「点数ですか?」


「そう、プロジェクトって言うのは基本的に昇進ポイントが高いんだよ。」


「へぇ!?知らなかったです!!」


「まあ、当然、今回みたいに何もないところから、

 次の商品を生み出すってことをするようなことがあるから

 難易度が高めなんだけど、その分リターンも大きいんだよ。」


「なるほど・・・。じゃあ、皆さんはプロジェクトに参加したがるんですね!」


「そんなことはないよ。大体、みんな参加しないでいいならしないと思うよ。」


「どうしてですか?」


「だって、大変だからね。

 今回のも大変なのは分かるだろう?

 みんなから反対されている中で、商品化を目指さなきゃいけないんだからさ。」


「それは・・・そうですけど・・・。」


「だから、今やっていることで一生を終えたい。変えたくないって思うのが性だよ。」


「だけど、澤藤さんは違うんですか?」


「まあね、あの人はたぶん探求心とかいうよりも

 自分がいかに最速で昇進するかに興味があるんじゃないかな?

 そしてその方法として、プロジェクトに参加することを選んだって思うよ。」


「・・・ポイントが入るからですよね?」


「それに成果も十分に上げられるからね。

 それに行く先、行く先のプロジェクトがうまく行くなら、

 プロジェクト担当者なら、そんな成功請負人を呼びたいにきまってるじゃん。

 それが今ではいい循環を生んでいるんだと思うよ。」


「なるほど・・・。」


そして、ここで田口さんが、



「そろそろ澤藤さんは副部長に就任するらしいよ。」


「へぇ~、それってどこの?」


「いや~、詳しいところまでは情報が流れてないけどね。

 本社では最年少副部長に就任らしい。」


「もうそこまでいっているのなら、わざわざプロジェクトに

 参加しなくてもいいじゃないのかな?」


「いや、澤藤さんの中では副部長じゃなくて、部長の椅子を狙っていて、

 そのためにこのプロジェクトに参加しているって話が上がっていた。」


「・・・どこからそんな情報を集めてくるんですか?」


「まあ、俺はこんな下世話な話が大好きだからね~。

 本社にもこんな話が好きな奴らがいて、

 そこの連中と情報交換をしながら集めてるんだよ。」


楽しそうに話す田口さんだが、私は若干田口さんを軽蔑したような目で見てしまう。

それと気になるのは・・・


情報交換をしているってことはこっちの情報も流しているってことかな?

どんな情報を流しているのやら・・・



「どうせ、俺の情報を流してるんだろ?」


「正解!やり手の柊は本社でも注目の的だからね。」


「さようで・・・。今のところはどんなこと言われてるの?」


「村中部長の急先鋒の柊が澤藤とどんな戦いをするかってのが人気かな?」


「さっき言ってた部長の座って材料開発チームの事業化の部長席?」


「そういうこと!

 今のところは三つ巴の争いになってるよ。」


「?村中部長と澤藤さん以外にも?」


「九州事業所の諏訪部長もだって。」


「・・・それにしては足を引っ張ることしかしてなかったけど、諏訪部長。」


「ああ、それは有機ELチームに対してだろう?

 あれは九州事業所にあって実質的な管理もしているかもしれなけど、

 名目は本社管理だからね。

 ここで、体たらくを示して、本社から名目も九州事業所に持ってきたいんだろうね。

 そして、成果を出して、材料開発チームの部長に座るっていうのが、

 諏訪部長の筋書きだったみたいだよ。」


「・・・よ~く知ってるな・・・・。」


「さきに言っておくけど、こんな話をものすご~く、楽しんでいる連中はごまんといるからね。

 会社内には、だから、情報が欲しかったら言ってよ。」


「・・・そんな時が来ないことを願っておくけどね。」


「俺的には情報発信する側にいるのも気持ちがいいから、

 是非とも交換条件で情報を欲しがってほしいモノだよ。」


今日の飲み会は田口さんの裏の嫌らしい顔が前面に出た飲み会だった。


・・・まあ、楽しかったです・・・


誰と誰が付き合っているとか、どの人が不倫してるとかの話も出ていて、

どうしてそんな情報が?っていう疑問がわいたけど・・・


そんな話しが意外と好きな自分がいたのであった。


次話は8月22日7時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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