渡り鳥
それから数日が経過して、チームに1人加わった。
その人は笑顔で私達に挨拶してくれて、一発目の印象はグッドであった!
「今日からお世話になります。澤藤です。」
「宜しくお願いします。」
村中部長が今日は不在のため、柊さんが受け答えをする。
知ってはいるけど、一応みんなで自己紹介をして、
現状の話をすると・・・・
「ちょっと・・・大川さんって人と話をしてどういった風に売り出しているのか、
それと取引先に同行させてもらうことって出来ないかな?」
「大川さんなら昼から、別件でこちらに来るらしいのでその時にご紹介します。
同行に関しては僕じゃあ、何とも言えないのでその時に大川さんに尋ねてくださいね。」
「うん、お願い。」
・・・なぁ~んか、態度が悪くない?
確かに柊さんと澤藤さんは同じ参事という役職だけどさ・・・
柊さんよりも10歳以上年上とは言ってもさぁ~
私、この人苦手かも・・・
それが澤田さんに対する話したことでの印象の変化であった・・・
その後、大川さんがこちらに来てから、柊さんが澤藤さんを紹介して、
今後について打ち合わせをしていた。
「どんな人でした?」
澤藤さんは打ち合わせ終了後に、大川さんが企画部がある本社に戻ると言ったので、
一緒に企画部に行きたいと言いだして、一緒に帰っていったのであった。
「仕事が出来る人じゃないかな。」
「・・・そんな建前いりませんよ!私は柊さんの本心が聞きたいんです!!」
「ふははは、じゃあ、どんなのを期待しているの?」
「人間としてクズとか、あの人と仕事をしたら人格が落ちるとか!」
「・・・ちょっとまて・・・。」
「はい?」
「俺がいつもそんな風に人を判断しているように聞こえるんだけど?」
「・・・。」
「否定をしろ!否定を!!」
「だって・・・
そう思ってるんですもん!
否定なんてできないです!!」
「よし!一度、ところん話し合ってみようか。
それでキッチリと指導してあげるよ。」
「え?セクハラですか?」
「・・・・き、汚い奴め・・・。」
「柊さんの指導でこうなりました!」
「待て!俺と出会って、一カ月ちょいなんだから、俺が指導でってのはおかしくない?
それなら前の大谷課長の影響じゃないの?」
「大谷課長はすごーく人格者でした!」
「・・・“は”ってのが気になるけど?
それだと俺が悪いみたいじゃない?」
「だから、さっきからそう言ってるじゃないですか!」
「・・・いいや、そんな当然みたいな顔で言われても困るんですけど・・・。」
「で!どんな人でした!!」
「まあ、俺とは種族が違う人だね。」
「?わかりません?」
「まあ、技術者じゃないよ。本当に企画とかが得意な人なんだろうね。」
「へぇ~、意外なまともなコメントですね。」
「ちょっと、本当にトコトン話さないとダメみたいだね・・・。」
「あ?焼き肉ですか?それともステーキ?・・・たまには寿司とかでもいいですけど・・・。」
「何で、説教する場所が食事の場所になってんだよ!!
しかもどれもこれも高い所を選んでるな!?」
「まかせてください!時価のすし屋を知ってますから!」
「それこそまかせられるかぁ~!!
井口さんと行く時は、回転ずし以外の選択肢はないね。」
「ケチ!!こんなに可愛い女の子にご馳走するのに
回転ずしなんてありえないですよ!!」
「・・・誰が可愛いって?」
「わ・た・しです!私以外いないでしょう!!」
「てっきり、石川さんのことを言ってるのかと思ったよ。」
「・・・それは確かに石川さんに比べれば見劣りしますけど・・・
これでも新卒採用の先輩コメントに選ばれてるんですよ!!
その時点で社内でも上の方の可愛らしさを持っているってことじゃないですか!!」
「・・・自分で自分が可愛いって思ってるんだ・・・。」
「なんですか!!駄目ですか!?そこそこは可愛いと思ってるんですけど・・・。」
「まあ、可愛いと思うよ。」
その言葉が思ったより自分の鼓動を早くした。
う!顔があかくなるかも!!
何とかごまかさないと!!
「澤藤さんとは、うまくやっていけますか?」
「うぅ~ん、まあ、うまくやっていくしかないと思うけどね。
たぶん、性格上、全部に口を出さないとダメなタイプな気もするから、
しっかりと自分の考えを持て対応しなきゃダメだよ。」
「うっす!」
「・・・応援団じゃないんだから・・・。
今日の仕事分が終わったのなら、帰っていいからね。
今日はノー残デーだから。残業せずにまっすく帰って。」
「ふふふ、今日はとある居酒屋のクーポンの最終日なんです!!」
「・・・で?」
「もう!察しが悪いな!
こんな美女が誘ってるんだから、じゃあ、行くか!って言ってくださいよ!」
「いや~、ここの線引きって難しいんだよ。
この間、役職やの教育で習ったんだけど、セクハラ・パワハラに当たるラインだからさ。」
「じゃあ、セクハラですね。」
「ちょっとまて!!俺は行くとも、一緒に行こうとも言ってないはずだ!!!」
「・・・無駄に頭が回るのが、妙に腹が立ちますね。」
「・・・それは褒めてる?それとも本気でイラついてる?」
「まあ、私が誘ったのなら、セクハラにならないんで、行きましょう・・・
金づるさん!」
「・・・名前が違いますけど・・・。」
「あ!!本音と建て前間違えました!
柊さんって言おうとしたんですよ!
・・・テヘ、間違えちゃいました。」
「・・・もう、井口さんの本音を聞いたあとだから、
どんな仕草をされてもあざとさしか感じないけどね・・・。」
「・・・はぁ~、素直な気持ちで受け取れないって悲しいですね。」
「・・・俺に問題があるのか?」
「で、一応、柊さんと私だけだとまずいので、
田口さんもゲットしときましたよ。」
「ポケモンみたいに言うな・・・。
田口が飲み会って意外だな~。」
「ええ、最初は渋ってたんですけど、柊さんのおごりって言ったら、
喜んで参加するって言ってましたよ。」
「・・・それ・・・俺が参加を決める前だよね?」
「・・・あ、今から再度誘ってきます。」
「いや、もういいから・・・。
まあ、いいけどね。」
「ですよね~。ここでケチったら男が廃りますよ!」
「・・・散々な言われようだな・・・たかられようとしているのに・・・
金を払わなければ廃るって・・・。」
「まあまあ、期待してますんで。とりあえず、私着替えてきますね!」
「ああ、俺もすぐに着替えるよ。
まだ、田口が戻ってきてないから、帰れないけど。」
「へぇ~、やっぱり部署のリーダーって役割はしっかりとやるんですね~。」
「それで給料貰ってますから。」
「ふふふ、それを今日は飲み尽くしましょう!」
「・・・ほどほどに頼むよ。」
私は女子更衣室へと服を着替えに行き、
再度事務所の自分の席に戻ってきた時には柊さんは服を着替え終わっていて、
田口さんが着替えにいっているらしかった。
・・・柊さんの本音を聞きださねば・・・
次話は20時に更新予定です。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




