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柊君は腹黒・・・らしい・・・

パソコンを開いてまずはメールチェックを行うのだが、



「あ、これは・・・。」


それは大谷課長からのメールで、

どうやら柊さんに関する情報が添付されていた。


柊さんは照明事業部では相当有名な人である。

ただ、有名なのは私も知っているのだが、職歴・経歴については詳しくは知らない。

私は大谷課長から送られてきた添付ファイルを開いて中身を見ると・・・



大学卒業後に照明事業部の九州事業所の研究所に入っているんだ・・・


え?大卒?と思ったら、


1年後に元の大学の大学院へと入学してる。


そういえば、社会人大学院生ってうちの学校にもいたな・・・


大学院卒業までに有機EL用の材料を弊社独自で開発・販売にまでこぎつけると・・・


その後、アメリカで2年間共同研究をして、戻ってきたら、

有機ELで世界最高効率を樹立と・・・


年齢28歳、ことして29歳か・・・


25歳の時には20億の売り上げを達成してるんだ・・・


今がちょうど私が25歳、今年で26歳だけど・・・


やっと私がヨチヨチ歩きが出来て来たかなっと思っているのに

同じ年で片や売り上げ20億円をたたぎあげているとはな・・・


しかも私と3歳しか違わないって・・・


優秀って言葉はまさにこんな人のためにあるんだろうな・・・

こういう人が部長とかになっていくんだよね・・・


個人情報を読み上げていくうちに、軽く凹まされるのであった。



気がついたら、事業所外の席に座っていた人はいなくなっており、

徐々に部署のメンバー達も出勤してくる時間帯へとなっていたのであった。



「おっはよー。見た?」


8時45分ギリギリに課長が出勤してきて、

開口一番に私に話かけてくれた。



「おはようございます。メールありがとうございました。

 先ほど見せていただきました。」


「私もみたけどさ~、何か、スーパーマンって感じだったね。」


「ちょっと凹みました。私とそんなに年も違わないのに・・・。」


「私だって凹むよ~。っていうか、そんな人を仮にも部下に持つことになる何って・・・。

 うわ~、どうしよう嫌な子だったら。」


「何かありそうですね!これだけの成果を出してると、

 それを鼻にかけてそうなイメージがあります!」


「だよね~。

 しかもこれが国立の阪大学出身てのがね~。

 “使える阪大学”か、“使えない阪大学”か・・・。

 そんなことを考えるだけで不安になるわ。」


「そうなんですか?

 けど、大谷課長だって関大学出身者じゃないですか!!

 むしろ一段上の大学出身者だと思いますけどね。」


「井口~、知ってる?

 井口の出身校の九州の八大学はもちろん、関大学や阪大学なんかは、

 使えるか使えないかがはっきりしてて、みんな戦々恐々なのよ。

 使えないのが来たらどうしよ~ってね。

 変に偏差値が高いから、使えないやつはホントプライドだけが高くて

 全然言うこと聞かなくて最低だって言われてるんだからね!」


「・・・そんなこと言われてるんですか?」


「そうよ~、井口は使える方で良かったけど、

 外れがきたら・・・はぁ~憂鬱になるわ・・・。」


そんな時だった、見知らぬ男性が私達のエリアに入ってきた。

一瞬緊張がます!


え?


もしかしてこの人が柊さん?


28歳!?見た目が明らかに年上のような感じがすうんだけど・・・


特に頭の部分が・・・


この人の下で働くのかな!?


私の緊張が一段と高まる中、



「大谷・・・今日は暴れてないの?」


・・・え?


大谷課長に対して軽口をたたく。

あれ?大谷課長と柊さんは初対面だった気がするけど・・・


「あれ?何でこっちに来てるの?

 っていうか、いつの話よ!!もう!入社した頃の話をしないでよ!!

 私だって、あの頃に比べてずいぶん大人になったんだからね!」


その男性に対してフレンドリーに話しかける大谷課長。


・・・あれ?


私が不思議そうな顔をしているのに気づいたようで、



「ああ、こいつは私の同期よ。九州事業所の人間だから。」


私に大谷課長が説明してくれるのであった。



「どうしたんだ?何かあったのか?」


「いや~、来月から・・・。」


そこまで大谷課長が言ったところで、



「あぁ~、柊がこっちに来る話か!それって、ここの部署になったわけ?」


「そうなのよ~、それであの子が柊君の下に付くことになったからね。」


「それはそれは・・・ご愁傷さまです。」


そう言って、私を労わるように話しかけてきたので、



「え!?そ、そんなにひどい人なんですか?」


私がおびえながら聞くと、



「あいつは・・・


 腹黒いよ。」


「え!?マジで!?」


驚く大谷課長に、力強くうなづく同期の方。

当然私の不安はより一層濃くなっていくのであった・・・



「マジだ。あいつの同期が俺の部下にいるけど、毎朝、


 『今日も黒いね』


 って挨拶をしてるくらいだからな。」


・・・あれ?



「もしかして・・・弄られてるの?柊君って。」


「あ、バレた?俺も毎日弄ってるよ。


 『今日も黒光りしているぞ腹が!』


 って言ってる。」


「・・・そんなにいじられキャラなのに、何で腹黒なのよ。」


「何事も結局あいつの思っている通りに自然と進めていきやがるんだよ~。

 うまいことやるんだって!

 だから、みんなから腹黒って呼ばれてるんだよ。」


「・・・それは嫌じゃないの?だって、柊君の思い通りにさせられるってことでしょう?」


「全然。気にもしないな~。

 したたかな奴だけど、基本はいい奴だからな。」


「・・・全然、意味が分かんないんだけど・・・。」


「まあ、会って話してみればわかるって。

 あいつ今日はこっちに来てるんだからな。」


「そうよね。昼から話をすることになってるしね。」


「そうなの?じゃあ、その時を楽しみにしときなよ。」


「ええ、楽しみにしとくわ。」


大谷課長の同期の方はそのままどこかへ行く。



「・・・どうやらいい人みたいですね、柊さんって。」


「みたいね。あいつが保証してくれるんだから、

 本当にイイ子なんだろうね~。」


「ちょっと不安が小さくなりましたよ。」


「私もよ・・・これで違ったら、あいつタダじゃおかないからね!」


少しだけ不安が小さくなって昼からの面談に臨むのであった。


次話は10時に更新予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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