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初めての商社と挨拶

「明日、噂の商社が夕方こっちに来るけど、田口と井口さんはどうする?

 一度一緒に会ってみる?」


「あ、ごめん。俺は明日は社内教育で不在なんだよ。」


田口さんはどうやら教育があるらしくて参加できないとのこと。

うちの社内教育は絶対に強制参加であるため

もし不参加にしたいとか言う場合には、部長印をまで求めてくる!!

・・・絶対に不参加にはさせないぞという執念を感じてしまうのだが・・・



「あ、井口は大丈夫です!参加させてください!」


「じゃあ、2人で参加しようか。」


「柊さん、打ち合わせはどこでするんですか?

 商談コーナーですか?それとも会議室で?」


「ああ・・・会議室って空いてる?」


「ちょっと待ってくださいね。」


そう言いながら、社内ネットワークを調べて、会議室の空き状況を確認する。

夕方に空いている会議室を調べると・・・



「ありました!予約入れときましょうか?」


「じゃあ、お願い。」


「了解しました。」


私は会議室の予約を入れながら、初めて取引先との打ち合わせをすることに

ちょっとワクワクしているのである。


一年目で業者と打ち合わせをすることなってめったにない。

特に研究所は皆無である。


だから今日が私の渉外デビューである!!



「へぇ~、今まで取引先と商談とかしたことないんだ。」


「ないんです!なかなか、研究所にいると外部との接触ってないじゃないですか!

 だから、今日はちょっと緊張していて・・・名刺の渡し方ってどうするんでしたかね?」


「そこからかい!」


柊さんは私に笑いながらもやり方を教えてくれたのであった。

普段しないことはやっぱり緊張するな~・・・


私達が会議室の前に行くと、すでに商社の人達は入り口のところで立っており、



「わざわざすいません、こんな辺鄙なところまでお呼びして。」


「いえいえ、こちらこそ声をかけていただきありがとうございます。」


商社側には、いかにも偉い人!っていう人が待っていたのだが、

私達を見るや否やすぐに頭を下げて私達に挨拶をしてくれる。

・・・全然ふんぞり返っている様子は微塵もない・・・


その後ろには・・・ギャル?って感じの女性もいるのだが、

こちらもしっかりと頭を下げて私達に挨拶をしてくれるのであった。



「中にお入りください。」


柊さんの言葉がかかるまで、しっかりと待っている2人。

なるほど、営業ってこんな感じなんだな・・・



「失礼します。」


そういって、中に入っても柊さんに促されて、テーブルの横までくるものの

備え付けの席の後ろで、また立ち止まる。



「どうぞ座ってください。」


「ありがとうございます。」


そう言って、やっと座り始めたのであった。


徹底されてるなぁ~・・・


一つ一つが今までに体験したことがないことなので非常に勉強になる!



「しかし、御社は九州事業所と関東事業所では全然雰囲気が違いますね。」


「そうですか?」


「ええ、九州事業所は我々が商談する会議室や建物自体、きれいにされておりますが、

 関東事業所は・・・趣のある建物が多いいですね。」


「まあ、向こうはお客さんを迎えることが多いですからね。

 こっちは協力メーカーさんの出入りがメインですから、

 やっぱり人に見せる見せないの差って大きくでますよね。」


「なるほど~、そういうことですか。」


柊さんと商社側との世間話から始まり、その後も場所の話が続いていた。

いつまで続くのかと思っていたら、急に柊さんが、



「そういえば、九州事業所で有機ELの材料納入遅延したらしいですね。」


「!?」


その言葉を聞いた途端に硬くなってしまう商社側の2人。


っというか、柊さん、九州事業所でのことまでしっかりと把握されてるんですか?

ちょっと驚きなんですけど・・・



「大変申し訳ございません。」


慌てて2人が頭を下げて謝る。

だけど、その対応に対して柊さんは笑いながら、



「僕は全然かまいませんよ。

 だって、今はもう関東事業所の人間ですからね。」


ニッコリ微笑む柊さんに頭を上げた2人は苦笑する。



「だけど、気をつけてくださいね。査定には響きますから。

 これから、関東事業所経由での付き合いとなると思いますが、

 僕から見ても結構厳しいと思いますよ。ここの調達部は。

 だから、変なところで査定を下げないでくださいね。」


その言葉を聞いた2人の顔が一気に引きつるのであった。


・・・査定ってなんでしょうか?聞いたことがない言葉なんですけど・・・・



「っと、まあ、忠告はそのくらいで。

 まずは自己紹介をしましょうか。

 新しく事業所が変わったので、連絡先が今度からはこちらになります。」


そう言いながら、柊さんは名刺を取り出し、商社の方々と交換していく。



「こちらは同じ部署の井口です。」


そう言って、私は柊さんに促されて名刺を交換していく。



「照明事業部の井口と申します。」


「講談商事の西と申します、宜しくお願いします。

 お名刺、頂戴致します。」


年配の偉そうだった方は、西さんというらしい。

名刺を見ると副社長と書かれており、やっぱり偉い人だったんだ!!


次に私はギャルと名刺交換をするのだが・・・



「講談商事の山田と申します。」


「照明事業部の井口と申します。」


拙い私の名刺交換に対して、すっとキレイに渡す山田さん・・・


何か、比べられてるようでちょっと凹んでしまう・・・



「なかなか、初々しいですね。」


西さんが私に対しての印象を言って下さるのだけど・・・


それは嫌味なんでしょうか!!


名刺渡しもできていない私に対して!!



「彼女は今年で2年目ですからね。

 まだまだ初々しいですよ。

 あ!?そう言えばたぶん山田さんと同じ年だと思いますよ。」


「え、そうなんですか!?」


思わず私が反応してしまう。

だって、同じ年って聞いたら、反応しないわけにはいかないじゃないですか!!

同じ年で何でこんなに差が生まれてるのよ!!


・・・たぶん、講談商事の方々に話を振ったと思うのだが、

思わず私が反応してしまった・・・



「私は・・・こんなに大人びた感じには慣れないですね。」


「そんなことないですよ井口さん。

 私なんかよりもしっかりされてます。」


話した感じは、ずいぶんしっかりとした大人の方で・・・


見た目が完全にギャルだからなめてました・・・


その後も柊さんと話をするお二方を見ながら、

同じ年でこんなにしっかりされていることに驚くのであった。


社会人として揉まれるというのはこう言うことなのだろうか・・・


次話は本日19時に投稿予定です。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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