拠点と出会い
次の日の朝、目覚めた俺はさっそく次の階層へと行くための階段探しを始めた。
「うーん……。リトルレッサーサーペント倒してから敵なしだな。
でもここ六階層だしな。とりあえず俺の今のレベルならあと十階層くらいは余裕だな、行くか。」
てなわけではい、ドン!
やって来ました16階層~。早すぎるとか言わないでくれ、ボス含めて弱かったんだよ、いや本当に。サーペントを決死の思いで倒したのに比べれば全然……
どんなに強そうに見えても劇毒であっさり死んじゃうし、豚が擬人化したようなオークとか日本の昔話の鬼そっくりのオーガとか、前なら強敵だったはずなのに今ではちょっと元のサイズに戻って体当たりすれば一撃だった、憐れなり。
危なかった時といえばオーガが6体くらいの集団で襲ってきた時くらいだ。それも小型化して逃げ回りながら一体ずつ撃破すればなんとかなった。でも……
「さすがに強行軍すぎて疲れたなー。俺もけっこう強くなってきたわけだし、しばらくはここらを拠点にして趣味でも作ろうかな?」
というわけで俺はここに拠点を作るためほら穴探しを開始した。
あっ、忘れないうちに今のステータスをご覧にいれよう!
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名前 :なし
種族 :大食いスライム……たくさん食べるスライム。食べれば食べるほどおなかがすく。進化しやすい。
状態 :通常
Lv :23/25
HP :200/200
MP :90/90
攻撃 :60(革命時 120)
スピード :70
{通常スキル} 鑑定 :Lv4、闇魔法 :Lv8、レッドボール :Lv6、アイテムボックス、こんしんの一撃、ステータス閲覧、突進 :Lv3、威嚇 :Lv8、付与魔法 :Lv3
{エクストラスキル} 暴食(仮) 気配察知 :Lv3
{ユニークスキル} 死毒 :Lv2
{耐性スキル} 物理無効、全属性無効、睡眠無効、睡眠回復、毒無効、飢餓耐性 :Lv8
{種族スキル} 硬化 :Lv8、分裂 :Lv1、小型化
{称号} 世界を越えし者……成長補正、進化補正
引きこもり……睡眠無効、睡眠回復を得る
???……封印されています
ゴブリンキラー……ゴブリン種に対する攻撃補正
革命……格上の相手と戦うとき攻撃力が2倍
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いやぁ~、自分のことながらやり過ぎたな、うん。
とまあ、物思いにふけってる間に、いい穴を見つけたので入っていく。
「グォォォォ…グギャッ!……」
憐れ、名もなき熊よ。お前が必死に守ってきた(かどうかは知らないが)ほら穴は俺がしっかりと有効活用してやるから安心して安らかに眠れ(名前知らんが)。
とまあご冥福をお祈りしつつ俺は、アイテムボックスに貯めていた毛皮や木など様々な素材(魔物の死体ともいう)をとり出し内装作りに取りかかる。
まず魔物の死体から毛皮をはがし、途中で見つけた小川から汲んだまま、アイテムボックスに放り込んであった水筒に入った水で洗う。ちなみに水筒は、サーペントの皮の固さを利用して折り曲げながら作りあげた俺特製の一品である。
次にトレント共の死体から自由に木を切り取っていく。
よし準備は整った、一体何を作ろうかな。
…………そうだ! 絨毯と椅子がいい。最初に置く家具といえばそんなもんだろう。
まず毛皮の裏側をスライム特有の粘着体でくっつけて乾くまで待つ。これを5、6回行うと大きな絨毯じみたものができるので、形を闇魔法の闇刃を使ってきれいに整える。これで絨毯は完成だ。
次にトレント共から取った木を、日本にある丸太椅子のように闇刃で切り、上に毛皮を丸く切り取ったものを乗せてシートがわりにする。よし椅子も出来た!
次は調度品作りだ。
鹿の頭で体が馬そっくりな魔物であるホースディアー(日本語訳じゃなくてよかったな!)の頭を切り剥製のようにして壁に埋める。
さっき殺した名もなき熊も剥製のようにして穴の隅に飾る。
それからも俺は黙々と作業を続けた。
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!今流行りのほら穴ハウスだよー!
まず玄関にあたる入口にはおしゃれなオーガの置物が!
2体で1セット、日本の金剛力士像にそっくり! さらには剥製なので、とってもリアル!おまけにスキルの威嚇を付与してあると来たもんだ!
そん次に奥に進むと、まあ何てこと! 鹿の頭の剥製やでっかい熊の剥製、さらには柔らかい絨毯、森の家にありそうな素朴な丸太椅子!!
他にも色々掘られた穴があり、なんとなんとひとつひとつがお部屋になっている!
これは買うしかないでしょう奥さん!
てな具合に自分としてもとても満足できる家が出来たので次は食材探しにでる。
「なんかうまそうなもんないかなー。思えば食べても食べても飢餓状態で困ってた頃はうまいものなんて探す暇がなかったな…… 今は時間が空いたし、せっかく周りの木には調味料がわりになりそうな実をつけてる物もあるんだ、料理にでも挑戦するか」
そんな感じに森の中を進む俺。しばらく進んでいると隣の草むらから魔物の気配がしたので覗いてみる。
「このモフモフした生き物何だ?」
そこには頭に宝石がついており、狐に似た見ための柔らかそうな謎の生き物がいた。
「……鑑定してみますか。鑑定!」
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名前 :なし
種族 :カーバンクル(亜種)
状態 :睡眠
Lv :30/50
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うわっ! まさかのレベル上かよ……
カーバンクルって?
《 『ステータス閲覧』 が発動しました。
古代の生き物と呼ばれておりいたずらが大好き。魔法が得意でとくに種族スキルの 『宝石結界』 が強力。どんな攻撃も一度は耐えられる。だが宝石が高く売れるため人間に大量に狩られほとんど絶命したと言われている。》
すっ、すげぇ……。
こいつそんなすごい種族なのか。全くそうは見えねえんだが……
しかもそんな種族の亜種とか……どんだけだよ!!
と、俺が一人はしゃいでいると、うるさかったのかカーバンクルが目を覚ました。
「キュァァァ~。」
…………。
「ハッ、ハロー?」
「キュァ?」
うわっ、こっちじーっと見始めた……
なんかわかんないけど負けてたまるか!じと目で返してやる!
「じとーーーーーーーーーーーーーっ。」
「じーーーーーーーーーーーーーーっ。」
「じとーーーーーーーーーーーーーーーっ。」
「じーーーーーーーーーーーーーーーーっ。」
「じとじとーーーーーーーーーーーーーーーーーっ。」
「じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ。」
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スキルの強さは順に、通常スキル(普通)、エクストラスキル(通常スキルを極める)、ユニークスキル(エクストラスキルを極める)、オリジナルスキル(持つ者がほとんどいないスキル)、アルティメットスキル(その者だけが持つスキル)となっている
オープンキャンパスで遅れました。
やっぱり1~2日投稿にします。