棚ぼた進化と恐怖の化け物
ハローハロー。僕は名無しのしがない冒険者スライムでーす。
進化もはたして今ではボス討伐のため遠く離れた日本からえんやこらー
逃避ぐせ直した方がいいな……
ただ今俺は、絶賛困惑中である。
とりあえず起きたことを順に話していきたいと思う。
ボス部屋に入った俺は最初に鑑定を行ない、敵がゴブリンソーサラーと呼ばれる、魔法を使えるゴブリンの亜種であることを知った。
そいつはまず前より少し大きな火の玉を放ってきた。俺は一瞬焦りはしたものの硬化すれば耐えられるとふみ攻撃を受けることにした。 ここまでは良かったんだ、うん。
だがいつまでたっても衝撃が来ないので目を開けるとちょうど体に火の玉が当たった。
「うおっ!」
しかしどこも痛くない。何故だ?
……あっ! 全属性耐性かっ!
そんなことを考えている間にも、火の玉は何度も俺にぶち当たる。
そして5分ほど過ぎ、俺の前で必死になにもでない杖を振り続けるゴブリンソーサラーに しつこいっ! とばかりに毒液をかけると動かなくなり今にいたる。
……MP切れだったようだな。てか全属性耐性やばすぎだろ!
まさか全く衝撃がないとは思わなかった。
《2LvUPしました。》
……まあレベル上がったし気にしないでいいや。
とりあえず食べちまうか。いただきまーす。
《通常スキル 『レッドボール :Lv1』 を取得しました。》
よし、予想通り! これで二つ目の魔法ゲットだぜ!
ボスを食べきると急に ポンッ! と音がして宝箱のようなものが現れた。
近づいて体当たりを繰り返し何とか開けると何か皮でできたものがでてきた。 うーむ、これは……どう考えてもゴブリン達の着ていた皮の鎧だな。いらないしアイテムボックスの実験に使ってみるか。アイテムボックス!
そう言葉にした瞬間真っ黒な底の見えない穴が出現した。そこに皮の鎧を放り込む。そしてもう一度出そうと意識すると目の前に皮の鎧が現れた。
「アイテムボックスめっちゃ便利やー!」
ひとしきり騒ぎ落ち着きを取り戻した俺は部屋の奥で怪しげな階段を見つけた。
一応モンスターかもしれないので鑑定をしておく。
《五階層階段》
なるほど、ここは五階層だったのか。
まあとりあえず降りてみるか。
下に着くとそこは洞窟から一転、ジャングルのような場所に変わった。
「おぉー、すげー! 階段を降りると景色ががらりと変わる、これぞダンジョンって感じだな。」
わくわくした気分のまま進んでいくと湖にでた。
ここで一旦休憩するかと湖に近寄ると突然水面が動き出した。
「何だ?!」
急いで湖を離れたとたん湖から巨大な魚がでてきた。
「ギュギョーーーー‼」
でかっ!かっ、鑑定!
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名前 :なし
種族 :ビッグウォーターキングフィッシュ
状態 :重傷
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重傷?なんかわかんないけどチャンスか?よし。
「ブラックボール!」、「ブラックボール!」、「ブラックボール!」
ブラックボールの怒涛の3連発に、でかざかな(名前長い……)は倒れた。 ドスンッ‼ ……死んだか?
《7LvUPしました。進化条件を満たしましたので進化先を選んでください。》
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ダークスライム……闇魔法が使えるようになる。暗黒の可能性を持つ。
ポイズンスライム……珍しい種族。その毒はほとんどの生物にとって劇薬。毒液を覚えていなければならない。
大食いスライム……たくさん食べるスライム。食べれば食べるほどおなかがすく。進化しやすい。
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うーん……迷うな。このままいくならダークスライムだが、ポイズンスライムも魅力的だ。大穴狙いなら進化後に暴食の石関係の進化先が出るのを見越して大食いスライムか。
……………よし、強くなるのが先決だ。ポイズンスライムにしよう。
ポイズンスライムを選ぶと体が紫と黒という毒々しい色に変わっていく。
《通常スキル 『毒液 :Lv2』 がエクストラスキル 『劇毒 :Lv1』 に統合されました。『毒無効』 を取得しました。 『鑑定Lv3』 を取得しました。》
終りか。ステータスオープン!
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名前 :なし
種族 :ポイズンスライム……珍しい種族。その毒はほとんどの生物にとって劇薬。
状態 :通常
Lv :1/20
HP :20/20
MP :30/30
攻撃 :10
スピード :20
{通常スキル} 鑑定 :Lv3、闇魔法 :Lv1、レッドボール :Lv1、アイテムボックス、こんしんの一撃、ステータス閲覧、体当たり :Lv2
{エクストラスキル} 劇毒 :Lv1
{耐性スキル} 物理耐性 :Lv1、全属性耐性 :Lv10
睡眠無効、睡眠回復、毒無効
{種族スキル} 硬化 :Lv1、吸収 :Lv2、分裂 :Lv1
{称号} 世界を越えし者……成長補正、進化補正
引きこもり……睡眠無効、睡眠回復を得る
???……封印されています
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よし、だいぶ強くなったな! 俺もしかして最強に近づいてる?
……この時俺は浮かれていて気づいていなかった。何故ビッグウォーターキングフィッシュが重傷だったのか、それはそいつを重傷にさせるほどの存在がいたということにほかならないということを…。バッシャーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「なっ、何だ?! えっ!嘘だろ……」
そこにはさっきの魚と同じくらいの大きさだが威圧感が全然違う
魔物がいた。
「……鑑定」
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名前 :なし
種族 :スモールレッサーサーペント
状態 :軽傷
Lv :18/30
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どっ、ドラゴン……
やばいやばいやばいやばい、どうする、どうすればいい?
こいつは洒落になんねえぞ、おい……
「ガァァァァオォォォォォッ!」
うっ、動けねえ。何だ?威圧系のスキルかなにかか。
マジでやべぇ。
そんな俺を虫でも払うかのように尻尾で叩き飛ばしそいつはまた湖へと帰っていった。
「はぁはぁはぁ、くそっ!力強すぎだろ…」
すっ、ステータス閲覧!
HP :5/20
まじかよ、あんな軽く振っただけで……
また調子乗ってた。とりあえず危険だけどもう意識も危ない。
どうにでもなれ!
俺の意識は闇に飲まれていった。
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覇王迷宮……この世界に七つあり、それぞれのダンジョンから魔王族種になるために必要な大罪系スキルを持つ魔物があらわれる時がある。
覇王迷宮の底にはそれぞれの大罪の名がつけられた10回層からなる小型ダンジョンがある。そこをクリアし覚醒と呼ばれるものが行われるとその者は大魔王と呼ばれるようになりその者一人で大国の王と対等の権力を持つことになる。また覚醒していなくても大罪スキルを持つものは魔王と呼ばれ小国の王と対等の権力を持つことになる。
遅くなりました