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スライム君のダンジョン戦記?  作者: 初心猫田
10/52

ダンジョンクリアと新たなダンジョン

さて、次は何に進化できんのかなー?


《進化条件を満たしましたので進化先を選んでください。》



=======================

ダークスライム……闇魔法が使えるようになる。暗黒の可能性を持つ。

デスポイズンスライム……ポイズンスライムの最終進化先。その毒は中位ドラゴンをも死に至らせる。

暴食スライム……暴食之王(ベルゼブブ)のスキルを得る可能性を持つ。また闇属性とのつながりが強くなる。魔食剣グラトニーの能力を一部使えるようになる。

エンペラーゴールデンスライム……選んでほしくてずっとスタンバってました。どうかこの私を選ぶという正しき選択をあなたがとることを祈ります。小国の国家予算並みの値段で売れる。

=======================



おいエンペラーゴールデンスライム!! お前ついに語りかけてきてんじゃねえか! 進化先がスタンバってんじゃねえよ!!

もう無視だ、無視!

ダークスライムの暗黒の可能性ってのも気になったが、やはりここは暴食スライムだな。


《通常スキル 『鑑定 :Lv6』 になりました。ユニークスキル 『暴食』 がオリジナルスキル 『暴食の王』 に統合されました。通常スキル 『闇魔法 :Lv10』 がユニークスキル 『暗黒魔法 :Lv1』 に統合されました。通常スキル

『ファイヤボール :Lv2』 がユニークスキル 『黒炎魔法 :Lv1』 に統合されました。通常スキル 『突進 :Lv7』 がエクストラスキル 『猛進 :Lv1』 に統合されました。》


ご都合主義が過ぎるぜこりゃ……

いや魔王になれる可能性があるなら成長率もこんなもんか。世界を越えし者の補正もあるしな。

しかし困ったなー、急に変わったスキルが多すぎる……

スキル検証しながら進むか。


「ねぇマスター?」

「ん、何だ?」

「何でマスターのスキルってそんなに多くて強いのばっかしなの~?」

「えっ? こんなもんだろ、普通。」

「いやいや~、普通じゃないよ~。僕のスキルで使いやすいのなんてユニークスキルの宝石結界とあとは通常スキルの鑑定とアイテムボックスと光魔法くらいだよ~? 死んじゃったお父さんとお母さんは鑑定さえ持ってなかったしさ~」

「えっ、なにこの子しれっと親が死んでるとかカミングアウトしちゃってんの?」

「マスターに隠し事はやだからね~。僕達人間の冒険者? とか言うのに狩られそうになって僕だけこのダンジョンに逃げ込んで助かったんだ~。いや~あのときは死ぬかと思ったよ~。」


うわっ、悲しい話を世間話のように明るく話してやがる。健気だ。いや能天気なのか?


「でっ、何で多いの~?」

「うーん……俺もはじめて知ったからなー。まあいいじゃん、いつかわかるだろ。」

「それもそうだね~。そんじゃいこっか~!」


俺達は、毎日の散策で元々見つけてボスを倒し終えてあった十七階層への階段を下っていった。



正直がっかりだ。相手になる奴が全然いない。今の俺ならカー君のために安全マージンをとったとしてもリトルレッサーサーペントレベルの奴が5体襲ってこようが無傷で倒しきれる自信がある。逆に言えばそれほどまでに暴食の王と魔食剣グラトニーの組み合わせは凄かった。

俺がグラトニーで使用できる能力は今のところ魔力を断つことただひとつだったのだが……正直なめていた。

念魔法で自由自在に飛び回る魔食剣は敵に当たるごとに体の魔力を断ち、食らうことができる。

それだけならまだましだが恐ろしいことにこの剣は根こそぎ奪い取った魔力を剣の内部にため、切れ味を増していく。

さらにたまった魔力のいくらかは暴食の王によって回収し俺自身の魔力に変換できてしまう。これで念魔法に使用する魔力は0となり永久機関の完成だ。

しかもカー君によると魔物や人間は、体を動かす時に少なからず魔力を使用しておりそれを断たれると、とても動きづらくなるらしい。グラトニーさんまじチート……

そんなわけで俺達はほぼ2年近くかけてダンジョンを進み(この間にカー君が無事2度ほど進化をし、四尾ギツネなんていう興味深い進化を果たしたが)、つい先ほど99階層をクリアしたところだ。ちなみに暴食スライムは最大レベルが120とぶっ飛んでいるのでまだ103レベの俺には進化など縁遠い話だ。


「カー君、飯もすんだし、たぶん最後の階層であろう100層に挑戦してみないか。」

「そうだね~。でも僕のレベルだとたぶん、この階が限界なんだ~、ごめんね~。だから最後はマスターがクリアするまで従魔空間にいるよ~」

「そうか。確かにレベル70代にはきついだろうし、むしろよくやったよ。この階層でも恐らく適正レベル80だもんな、わかった。従魔空間にいてくれ。」

 「頑張って~、 じゃあね~」


……カー君がいないとこんなに寂しく感じるんだな。

行くか。



100階層におりるとそこには……魔方陣が二つ並んでいた。

どう言うことだ? 魔方陣をよく観察していると隣に小さな立て札があった。



=======================

よくぞここまで来たな、大変だったろう。

右の魔方陣を使えば外に出ることができる。

そして今以上の力を求めし暴食の者よ、左の魔方陣をゆけ。

そこには10階層からなるダンジョン ベルゼブブ がある。

今までとは比較にならないレベルのダンジョンだ。ここまでの階層をクリアしたものでさえ生存率としては1パーセントほどでしかない。そのように作ってある、怖ければ右の魔方陣に行ってもよい。強制ではないからな。

しかしお前が力を、いや覚醒を求めるならなんとしてでもクリアしろ! 邪魔なものはすべて食らいつくせ!! 初代暴食之王(ベルゼブブ)より

=======================



……山田 龍、邪魔なものは食らいつくせとか言うから少し格好いいと思ってたけど初代の受け売りかよ!

しかも覚醒してないってことは、怖くなって右の魔方陣から出たんだろう!! へたれ! 俺の感動返せ!!

はぁはぁ……久しぶりに突っこんじまった。

落ち着いてきたことだし行きますか。

いざベルゼブブの1階層へ……ゴー!




?????side


「んっ? ふーん。おもしろい奴だな」

「どうかなさいましたか? 王よ」

「いやね、今暴食のダンジョンに繋がる道を通った者がいたみたいなんだがそいつの魂が妙なんだ」

「妙……とは? 転生者とか言う奴でしょうか。」

「いや、確かにそれもあるんだがどうもそいつ……魂が二つあるんだよね、それに二つともなんか知ってる気がするし。しかもお付きの者がマモンとこの眷属になるはずの狐なんだ。」


「なっ!!魂が二つもあるうえに別の魔王の眷属をですか。それはなんとも……」

「おもしろいだろ? もし暴食のダンジョンをクリアして出てきたらあれを渡さなくちゃね、親友の初代ベルゼブブとの約束だし。クリアするのを楽しみにしているよ、三代目!」





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