表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が魔剣、妹が聖剣に転生した件  作者: 梨野可鈴
第二章  使い手との旅
15/61

勇者と旅する私(02)


 †††


 キースは猫のように目を細め、セラと私を見ていたが、ぽつりと呟いた。


「もしかして、その剣――賢いんじゃないっすかね」


 キースの一言に、セラはきょとんとした。訳が分からないというように聞き返す。


「賢い……剣が?」

「うーん、何となくっすけどね、何かこっちの言うことを理解してる感じがするんすよ」


 わああっ!?

 まさかの発言に、私はピッカンピッカン点滅して答える。セラがちょっと眩しそうに目を細めた。


「えっ、急に何?」

「うーん、反応してるっす。……セラがやってる訳ではないっすよね」

「まさか……というより、僕はこの剣を魔道具として使いこなせてるとは言いがたいと思う」


 キースは明らかにセラではなくて、私の方を向いて、恐る恐る聞いた。


「……はい、なら1回。いいえ、なら2回光れるっすか?」


 ピカッ! 私は即座にイエスの返事を返す。

 セラとキースが目を丸くした。


(こ、これは……剣に転生して諦めていた、他人とのコミュニケーションが可能に!?)


 教会にしまいこまれていた頃に比べると、セラとキースと一緒に旅に出てから、ずっと退屈しなくなった。

 二人の会話に割り込めなくても、聞いているだけでも楽しかった。

 けど、話せたらずっと嬉しいにきまってる。

 諦めていたコミュニケーションが、まさか叶うのか! ここは何としてもアピールしなければ!


 セラは半信半疑で、私に尋ねる。


「せ、聖剣……様は本当に意識があるんですか?」


 ピカッ。イエスの返事。


「んー、答えが分かってる質問しないと。俺は女っすか?」


 ピカピカ。これは、ノーの返事ができるかどうかの確認だね。

 更にキースは、指を3本にゅっと立てた。


「これは何本っすか?」


 ピカピカピカッ。3回点滅する。


「1+1は?」


 ピカピカ。2回点滅。


 キースは感心したように腕を組む。


「完璧っすね。こっちが見えてるし、それなりの知能があるっすよ」

「そ、そんな……」


 セラは私を地面に置くと、素早く半歩ほど距離を取った。


(……これはまさか、気味悪がられた?)


 でも、自分の持ち物が実は意識を持ってたと分かったら……うう、私でも気色悪いとか思うかも。

 ショックを受けていると、セラは――勢いよく頭を下げた。


「す、すみません! まさか聖剣様に意識があるとは知らず……振り回してしまい申し訳ありません」


 ……。

 ……あ、あれ?


 地面に置かれた剣に頭を下げるセラ。すごくシュールだ。


 振り回してすみませんって……あれかな?


 そういえばセラ、私を使いこなせるよう、私で時々素振りしてたもんね。いや、剣だから、そこはむしろウェルカムなんだけど……どう伝えるべきか。

 とりあえず「気にしてないよー」と言いたくて、否定の意味で2回点滅してみる。

 しかしセラは勘違いを続ける。


「いいえ……お許し頂けないということですか?」


 ち、違う違う! うう、どうしたらいいのよ!

 混乱して、切れかけの蛍光灯のごとく点滅しだした私と、困惑するセラに、キースが助け舟を出してくれる。


「セラ、聖剣さんには、はいかいいえで答えられる会話をしないとっす」

「そうだね……え、ええと……」


 言葉に詰まるセラに、キースが聞く。


「聖剣さんは気にしてないっすよね? そもそも、聖剣さんがセラを選んだんっすから」


 ピカッ。その通りだよ。


「よろしいのですか……僕が、聖剣様を……その、使わせて頂いても」


 ピカッ。使って下さい。


「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします」


 うん、良かった。

 まあ、欲を言えば、セラと私の年齢――前世のだけど――は、そんなに変わらないだろうし、変にあらたまって敬語を使わないでほしいな、なんて思う。

 けど、そこまでのコミュニケーション能力はないから、とりあえず肯定の意味で、元気に1回輝いておいた。


「ちなみに聞いてもいいすか?」


 何かな、キース? 

 チャラ男と思ってたけど、今私の中では、ぐんぐんと君の株が上がってるよ!


「聖剣さんは……男っすか?」


 ……。

 この体で性別があるのかは微妙だけど、2回光っておいた。

 というかキース、剣相手に性別を尋ねるのか。


「え? 女性なのですか?」


 うん……一応。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ