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「ありがとうございました」

 借りたエプロンを英語教室の先生に返す。かなりの大柄なのでエプロンも大きい。


 田処夫人には不満げに、先に言ってくれたら私のを貸せたのに、と言われたが、生来慎ましやかな私が「お宅の息子さんが体を張ったマジックをやろうとしてますけど、アシスタントをしたいのでエプロンを貸してください」と厚顔にも申し出るなどできない相談だ。


「エィプロン、お似合いでしたよ」

「エィプロン?」

 聞こえたままを鸚鵡返しにすると、先生は満足そうに大きく頷く。

「そう、Apron。アルファベットのAは『ア』と発音するのが基本だけど、『エイ』とも読むんですよ」

 教室に通っているわけでもない私に教えてくれるのは親切なのか、それとも子供が入り乱れて誰が誰だかわからなくなっているだけか、とにかく先生は言って、例を挙げる。


 エィプロンのA。エイプリルのA。

 そしてAは、エイリアンのA。


 これはさすがに、まさか、であろう。


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