表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/22

15

 白いケーキは素人ケーキ、黒いケーキは玄人ケーキ。


 隣の英語教室は、10周年の記念ということで、教室を開放して「クリスマスお楽しみ会」とやらを開いていた。

 参加条件は、「お料理もしくはお菓子を1家族につき1品持参」のみであり、テーブルにはデコレーションケーキから味付のりまで多種多様な「1品」が並んでいた。

 田処夫人がお菓子作りを思い立ったのもどうやらこのためであったらしい。


 持ち寄りパーティは伏魔殿である。

 タドコロA-1はよくわからん特殊能力によって見ただけで味の良しあしがわかるらしく、白黒つける呪文を教えてくれた。


 黒いケーキの中でも、絶品だったのがハトルテとやらだ。

 ザ・ハトルテ、と伊達に定冠詞がついているわけではない。この世にただひとつしかない太陽ザ・サンザ・ムーンと並び立つ存在感である。

 いつかケーキ屋に行ったときにねだれるよう、タドコロA-1相手にハトルテの名前を練習し、7の段を唱えた後にも思い出せることを確認してから料理に取り掛かる。


「あれ、そういえばエイイチのお母さんと作ったのって」

「そこの、白いの」

「……まああれだよね、せっかくだし初めてのやつとか試してみないとね」

 さりげなく置かれたおむすびや大学いもを確保してから、未知の味覚を開拓していくことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ