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「きれいな髪だね。しかしそんなに長いとメインテナンスが大変だろう」

 初めてお会いした田処氏はそつなく褒め言葉を口にし、その上気遣いまでも見せてくれた。


「よ・け・い・なお世話よ。でもそうね、千寿ちゃんはバンダナしましょうか。エイイチ、洗ってあるの取ってきて。あ、せっかくだから自分の分もね」

 そうか三角巾ではないのか、とタドコロA-1からバンダナを受け取るとき、いつの間にか背が私の肩を越しているのにふと気付いた。

 

 量る、混ぜる、焼く。ただし、レシピ通りに。

 お菓子作りというのは、要するにこれだけであった。

 人間はレシピ通りに動けばいいが、機械を動かすにはさらに取扱説明書と、さらにそれに従う人間が必要である。


「オーブンの設定ってこれでよかったのかしら。まあ、何事もやってみないとわからないしねえ」

 田処夫人はレシピとはかろうじてお付き合いできても取扱説明書とはご縁のない人であった。

 幸いなことに田処氏は田処家の電気ならびにガス製品を掌握しているらしく、一番手が汚れていない私が伝令役となる。


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