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第五話 『VS土魔将バルギルド』

ヒロイン登場!

 土魔将バルギルドを名乗る、巨大な龍。

 その種族は、岩窟龍アースドラゴン、それがバルギルドの種族だ。

 鉱石が取れるような鉱山に多く生息しており、魔王の配下として活動する龍種の一つ。

 岩に覆われた表皮は恐ろしい程に硬く、並大抵の魔術では傷を付けることすら出来ない。


 『やけに小さな魔力が動いていると思ったが、封印結晶が見えているのか。

 貴様のような矮小な人間がこの奈落迷宮の最下層にまで来れるとは到底思えぬ。

 どうやってここまで辿り着いた?』


 バルギルドの威圧感に、全身からじっとりとした汗が滲み出てくる。

 以前倒した土魔将とは、物が違う。

 魔王が迷宮の強化を行ったという推測は、正しかったのかもしれない。


「……外への魔法陣はどこにある?」

『質問に答えろ人間。どうやってここまで来た』

「……ッ!」


 押し潰されるかのような威圧感。

 早鐘のような心臓の鼓動を、深呼吸して抑える。

 どうにかして、ここから逃げ出す方法を考えなければならない。


 そう思った時だった。


『……む?』


 バルギルドが、何か疑問の声を漏らす。

 そして、次の瞬間、大きく息を吐き、その巨体を後ろへ傾けた。


『その黒髪に、黒目……! 貴様、まさか……!?』


 向けられた威圧感が霧散し、逆にバルギルドが気圧されるように体を震わせる。

 その発言で、俺はバルギルドの行動の意味を理解した。


『き、貴様、”アマツ”か!?』


 この龍は、英雄時代の俺を知っている。


 元々、魔物は長命だ。

 その中でも、龍種はかなりの年月を生きる。

 その事を考えると、百年前の事を知っていてもおかしくはない。


「そうだ……と言ったらどうする? 土魔将」


 焦りの表情を消し、バルギルドにそう強気で問う。

 上手く行けば、こいつと戦わずに済むかもしれない。


『……ッ!』


 息を呑むバルギルドへ、更に追い討ちを掛ける。

 このままバルギルドを威圧して、戦わないままにここから脱出する。


「先代の土魔将は巨大なゴーレムだったな。なかなかに強かったよ」

『……やはり、アマツか。百年前、一度だけだが貴様の姿を見たことがある。人間の身でありながら、我ら龍種を蹂躙していたな』

「そんな事もあったな」


 余裕の表情で、相槌を打つ。

 完全に、場の流れは俺に傾いている。

 あと一息だ。


「バルギルド、アンタは先代の土魔将よりも強い。

流石の俺でも龍種と戦うのは面倒だ」

『……なんだと?』

「俺はただ外へ出たいだけなんだよ。

お前が俺を攻撃しないっていうなら、見逃してやってもいい」


 こいつと戦えば、俺に命はない。

 だからこその、この交渉。

 以前の俺を知っているというのなら、俺の強さも知っている筈だ。

 

 だが。


『……出来んな』


 地の底から響くように、バルギルドはそう言った。


「……何故だ? 俺と戦えば、お前の命はないぞ」

『だとしても、我は魔王様から土魔将の地位を任された身! 魔王軍を脅かす者を逃がす訳にはいかん!』


 グラグラと迷宮が震動する。

 凄まじい魔力が、バルギルドの体から噴き出した。

 最悪だ……!


『たとえ届かないとしても、貴様を見逃す理由にはならん――!!』


 バルギルドの口から、無数の岩石が発射される。

 舌打ちし、身体強化の力を使ってギリギリの所で回避した。


『なんだ……?』


 地を転がるようにして避ける俺に、バルギルドが疑問の声を漏らす。

 腕を持ち上げ、俺へ叩き付けるバルギルド。

 それに対して、俺はただ逃げることしか出来ない。


『貴様……本当にアマツか? 何故、攻撃してこない』


 出来ないからだよ。

 と、答える余裕もない。

 作戦の失敗を悟り、俺は即座にバルギルドへ背を向け、逃走を開始した。


 今の状態で、龍と戦って勝てる訳がない。

 ここはどんな手段を使ってでも、逃げなければ――。


『逃すと思うのか?』


 入り口の目の前に到達した瞬間、土の魔力が部屋の壁を走るのを感じた。

 そして開いていた口を閉じるかのようにして、入り口が重い音を立てて閉じてしまう。

 入り口を剣で斬り付けるが、壁は固く刃が弾かれてしまった。


『ふん……。どうやら、ただのハッタリだったらしいな。

何がアマツだ、ただの人間ではないか』


 バルギルドの声を余裕が戻る。

 俺のハッタリは、完全に見破られてしまった。

 

『封印結界が見えている時点で、気付くべきだったか』


 バルギルドがよく分からない事を言い、体を持ち上げる。

 怒りに満ちた目で、俺を睨みつけていた。


『我を謀った度胸は認めよう。だが、代償は払って貰うぞ』

「クソ……!」


  バルギルドの口から、連続して岩石が発射された。

 群れをなして迫ってくる岩石を避ける余裕はない。

 身体強化し、咄嗟に剣で弾き返そうとして、


「――っ」


 根本から刃がへし折れる感覚が伝わってきた。

 岩石の勢いに負け、思い切り地面に叩き付けられる。

 その衝撃で折れた剣が手から離れ、どこかへ飛んでいってしまった。


 頭と背中を激しくぶつけたことで、意識が遠のきかける。

 歯を食いしばって意識を保ち、どうにか上を見上げると、悠々とこちらを見下ろすバルギルドの姿があった。


『終わりだな』


 止めを刺そうと、口を大きく開くバルギルド。


「諦めて、たまるか……!」


 痛む体に鞭を打ち、俺は立ち上がった。


 英雄時代にだって、何度も絶望的な状況に追いやられたことがあった。

 それでも俺は諦めず、今日まで生き延びてきたのだ。

 そう簡単に諦められるか。


 岩石が着弾する位置を予測し、犬のように地を這う。

 直後、予測通りの位置に岩石が降り注いだ。

 着弾の衝撃に脳が揺れ、砕けた岩の破片が背中へと突き刺さる。


「っ、あああッ』


 跳ねるように起き上がり、覚束ない足取りのままその場から全力で走り出す。

 向かうのはへし折れて飛んでいった刃がある場所だ。

 先端の鋭い部分はまだ無事だった。


 岩窟龍は全身が硬い岩の鎧に覆われている。

 どんな攻撃も通らないだろう。

 だが、唯一眼球だけは、鎧に守られていない。

 刃を回収し、どうにかバルギルドの眼球にそれを突き立てれば――。



『小賢しい』


 バルギルドが足で激しく地面を踏み鳴らした。


『――”激流土アースフラッド”」


 足が触れた部分から、地面へと魔力が流れ込んでいく。

 部屋が振動したかと思うと、

 地面が揺れる水面のようにグネグネとうねり始める。

 やがて、うねりが波となり、転がっていた刃を飲み込んでしまった。


「土属性の……!」


 入り口を塞いだ時と、同じ魔術。


『万策尽きたようだな』


 部屋を見回すが、代わりの武器となりそうな物は何もない。

 最後の希望が今、完全に失われた。


『力もない、魔力もない。ただ矮小なだけの人間よ』

「ちく……しょう!」

『貴様が本物か、偽物かは分からんし、どちらでもいい

 どちらであろうが、貴様はここで死ね』


 バルギルドの体に、魔力が集まっていく。

 今度こそ俺が躱すことの出来ない大規模な魔術を放つつもりなのだろう。

 それを止める術は、俺には無い。

 

 この窮地を脱する方法はないのか。

 考えろ、考え続けろ。

 最期の瞬間まで、諦めてたまるか。


『さらばだ人間』


 無情にも、その時はやってきた。

 バルギルドが地面を踏み鳴らした瞬間、

土が巨大な波としてうねり、一斉にこちらへ向かってくる。


『土の波に、飲まれて消えよ』


 土を自在に操る強大な土属性の魔術――激流土アースフラッド

 バルギルドの支配は部屋全体に及び、

轟音を響かせながらあちこちから土の波が発生している。


 こんな所で、俺は死ぬのか。

 死にたくない、死んでたまるか。

 そう強く思うも、どうすることも出来ない。


 あらゆる方向から迫る土の激流に、逃げ場はなかった。


「――――」


 一秒後、俺は死ぬ――。


 そう悟った瞬間、視界に変化が現れた。


 世界が速度と色を失ったのだ。

 視界が灰色に染まり、動きが緩慢としたものへ変わる。

 こちらへ迫る激流が、止まって見える程に。


 その刹那、灰色の視界に俺の姿が浮かび上がった。

 間違えようもない――あれは英雄時代の俺だ。

 どんな苦難も、乗り越えてきた英雄アマツの姿だ。


 灰色の英雄が己の正面へと手を翳す。

 全身から溢れる魔力が掌へと収束していく。

 それは酷く見覚えの構えだった。

 

「力を――」


 かつての己の背中へと、手を伸ばす。

 体の奥から燃えたぎるような魔力が溢れだし、突き出した腕へと集まっていく。


「あいつを倒す、力を――!!」


 世界に色が戻っていく。

 緩やかに動いていた土の激流が元の動きを取り戻していった。

 徐々に消えていく英雄が、最後に口にした言葉。

 魔力の導きのまま、俺はそれを叫んだ。


「――”魔天失墜エクリプス”」


 漆黒の光が掌から溢れだす。

 まるで黒い穴のように、光は小さな渦の形を形成していく。


『我の魔力を吸収しているだと!?』


 その渦はこの部屋に漂う全ての魔力を強制的に吸収していった。

 バルギルドが放っていた魔力が、渦の中へと飲み込まれていく。

 流石というべきか、バルギルドから吸収される魔力は凄まじい量だった。


 迫っていた激流からも、渦は魔力を奪い取る。

 魔術で操られていた地面が動きを止め、次々に元の形へと戻っていった。


『いったい何をした、人間!』


 動搖を露わにしたバルギルドへと伸ばした手を向けた。

 魔力を吸収したことによって膨れ上がった渦が、凝縮されるかのように小さくなっていく。

 小さな球体となった渦が、内包していた魔力を急激に放出した。

 漆黒の光が、矢のようにバルギルドへと向かっていく。


『な、なんだこれは!?』


 放たれた漆黒の奔流。


 危険を感じたバルギルドが、激流土を発動して足元の地面を操り始めた。

 光を回避する為に地面へとその巨体を沈めようとするが、もう遅い。


 漆黒の光がバルギルドの胴体へと直撃した。

 鉄をも弾く頑強な岩ですら、この魔術の前では無意味だ。

 光が触れた瞬間、轟音を響かせながら膨大な魔力が弾ける。


 バルギルドの胴体が一瞬にして、跡形も残らず消失した。

 凄まじい爆発が起こり、迷宮全体が衝撃に激しく震度する。

 地面が抉れ、天井から砕けた土が降り注いだ。

 


『馬鹿……な』


 魔王を殺す為に編み出した一撃が、土魔将の命を刈り取っていく。

 呆然とした言葉を残し、胴を失ったバルギルドが地面へと崩れ落ちた。

 

 奈落迷宮の主が、完全に絶命した。



「勝った……のか?」


 バルギルドの骸を見ても、勝利の実感は湧いてこない。

 ただ呆気に取られ、しばらくの間俺は立ち尽くしていた。

 やがてバルギルドを倒したことによって、体内にそれなりの量の魔力が流れこむのを感じ、ようやく俺は思い切り地面へ倒れこんだ。


「魔天失墜……本当に使えるなんて」


 視界に映った灰色の英雄が使おうとしていたのは、俺が持つ最大の威力を誇る魔術だ。

 周囲から魔力を強制的に吸収し、自分の持つ魔力と合わせて放出する対魔王用魔術。

 魔力を吸収する魔術を発展させて作り出した、俺だけの固有魔術だ。


 膨大な魔力を完全に使いこなす必要があり、英雄時代の俺でも習得にかなりの時間を掛けた。

 結局、肝心の魔王には通用しなかったのだが。


「……どうなってるんだ」


 俺の魔力では、発動すら叶わぬ魔術の筈だ。

 だが、どうしてか”使える”という確信があった。

 そして、発動と同時に存在しない筈の魔力が体から沸き上がって来たのだ。


 色と時間が失われ、その中で俺はかつての自分の姿を見ていた。

 その自分が使おうとしていた魔術を再現しようとして、俺は魔天失墜を発動させることが出来た。


 危機が迫ったことによって、失われた能力が一瞬だけ戻ったのか。

 それとも。

 

 失われた魔力を引き出す力。


 もしかすると、それが今の俺の持つ力なのかもしれない。

 クラスメイト達と同じように、俺にも何かしらの力が付与されていてもおかしくない。

 力を自覚出来ないのは面倒だが、それでもこの危機を脱することが出来たのはありがたい。


「流石に前ほどの出力は出せないか……」


 魔天失墜の威力は以前よりも大幅に弱くなっていた。

  魔王に使った時の威力が出ていたら、バルギルドを倒すだけではすまず、この迷宮を崩壊させていただろう。

 そう思うと、力が弱まっていて、逆に良かった。


「魔素が薄くなっていく……」


 バルギルドが倒されてから数分が経過し、迷宮内に変化が現れ始めていた。

 迷宮の主だったバルギルドが消えたことで、内部の魔素の量が急激に減少を始めているのだ。

 しばらくすれば内部で活動していた魔物達の動きは鈍り、また混乱状態に陥るはずだ。


 

 魔物が迷宮に集まるのには理由がある。

 一部魔王の指示によってやって来た知能の高い者を除き、ほとんどの魔物は迷宮の魔素によって生み出されている。


 迷宮に漂う魔素によって、魔物という存在が発生するのだ。

 同時に魔物にとっては魔素は酸素のようなもの。生きるために必要不可欠な物である。

 それが魔将の消失によって、迷宮内から魔素の量が大幅に減少した。

 弱い魔物は魔素を求めて一目散に逃走し、また高位の魔物も居心地の悪さを嫌って迷宮を後にすることだろう。


 まあ出て行った魔物は本来の強さを失っているだろうし、王国防衛軍でもそれ程犠牲を出さずに殲滅させられると思う。

 土蜘蛛のような強力な魔物は、魔素が無くなってもすぐには弱体化しないだろうが。


「……あいつらを助けたことになるのか」


 五将迷宮を踏破しろという国王の命令は、俺が達成したことになってしまう。

 クラスメイト達があの後安全な所に留まっていたのなら、遠くない内に迷宮から脱出出来るだろう。

 まぁ、もう俺には関係のない事だ。


「よし……行くか」


 ある程度体力が回復したのを見計らって、俺は起き上がった。

 いつまでもここで寝転がっている訳にもいかない。

 全身が痛むが、まだ動ける範疇だ。

 バルギルドを倒したことで、魔力の残量も増えているしな。

 それでも、魔力量はごくごく僅かなのだが。


「一応、回収しておくか」


 バルギルドの骸から、役立ちそうな物を頂くことにした。

 魔天失墜によってバラバラになった体から、めぼしい物を回収していく。


 鋭く尖った牙を数本、そしてかなり高純度の土の魔石。

 あまり多くは持っていけないが、使えそうな物は出来るだけ懐に閉まっておく。

 牙は剣の代わりになるし、魔石は外へ出た時に売ればかなりの金額になるだろう。


「これくらいか」


 十分な量を回収した後、入り口へ向かって歩き出した。

 魔天失墜を使った影響で、塞がっていた入り口が開いている。

 あそこから出て、外へ通じる魔法陣を探しに行こう。

 どうしても見つからなければ、最悪一番上まで登ることも考えなければならないな。

 

「そういえば……」


 ふと、部屋の中に封印結晶があったことを思い出した。

 バルギルドが暴れてもびくともしていなかったが、あの封印結晶はどうなっているのだろう。


「……!」


 振り返ると、封印結晶の姿は無かった。

 粉々に砕け散り、今は残滓が漂っているだけだ。

 じゃあm中に封印されていたあの少女はどこへ行ったんだ?


 その疑問はすぐに解消された。


「百五十年ぶりの外界か」


 いつの間にか、バルギルドの骸のすぐ隣にその少女は立っていた。

 どこか悠然とした雰囲気を漂わせながら、少女は部屋の中を見回している。


 俺と同じ、高校生くらいの少女だった。

 腰まであるさらさらとした銀髪に、どこか威厳を感じさせる黄金の瞳。

 一糸纏わぬその裸体には、所どころ魔術的な紋章が浮かび上がっていた。

 どこかでこの紋章に似た何かを見た気がするが、思い出せなかった。

 現実ばなれした美しい容姿だが、気にすべき点はそこではない。


「…………」


 少女から感じ取れる魔力は、思わず息を呑んでしまう程の量だった。


 軽く見積もっても、宮廷魔術師クラス。

 つまり、国が抱える最高レベルの魔術師と同程度、

 もしくはそれ以上の魔力を、少女はその小さな体に内包していた。


 少女はバルギルドの骸を一瞥した後、こちらに視線を向けた。


「この龍を倒したのはお前だな?」

「…………」


 軽い調子で話し掛けてくるが、不気味さを感じて俺は言葉を返さない。

 可憐な少女という外見に、宮廷魔術師クラスの魔力量。

 迷宮に封印されていたという事もある。

 容姿に騙されて、気を許すべきではない。

 

「ふむ、強力な魔力の残滓を感じる。戦闘の結果、私の封印が砕かれたようだ」


 少女は裸体を晒すことに羞恥心を覚えていない様子で、俺の方へズンズン近寄ってくる。

 俺は閉まっていたバルギルドの牙を懐から取り出し、近付いてくる少女に向けて構えた。

 それを見ても少女は全く気にした素振りを見せず、すぐ目の前にまでやってくる。

 

「礼を言うぞ。お前のお陰で、私はこうして再び外へ出ることが出来た」


 間近でハッキリと聞く少女の声には、凛とした張りがあった。

 内包している魔力量といい、纏っている雰囲気といい、やはりこの少女は只者ではない。

 魔天失墜の魔力吸収があの封印結晶にも作用し、結果的に封印を解いてしまったのだろう。


「……お前、何者だ?」


 俺の問いに、少女はおどけたように笑う。


「あぁ、そうだな。失礼した。まずは名乗っておくべきだったな」


 警戒を隠さない俺に対して、少女は不敵な笑みを浮かべる。

 そして、その笑みを消さぬまま、ゆっくりと名乗った。



「我が名はエルフィスザーク・ヴァン・ギルデガルド。

 


 ――”元魔王”だ」


次話→5/10 12:00

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