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新次元紀行  作者: 木戸攘夷
第5章 チャネルローズ
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(1)

 ローグランから南へ約1,500km。チャネルローズは一千万人が暮らす大きな都市。理想都市だった筈の都市。

 今となっては遠い昔の話。

 理想とかけ離れていく現実は僻地へ追いやり、管理された植物が都市の隙間を埋め、理想のみがレジコンで継接ぎされている。

 

 未だに世界中で溢れる戦争と貧困と汚染はこの都市には表面上無関係だ。それは遠く離れた異国の御伽噺。

 だが理想に萎えた人間はここに住むことはできない。

 速すぎる情報の流れが人々を狂わせる。


 人々の平均睡眠時間は6.57時間。平均寿命は105歳。散在的成人病患者は全人口の9.7786%。何某らのがん細胞の保有者12.163%。潜在的性犯罪予備軍66万9,860人。


 情報は総てに把握され、個人は情報の総てを把握する。

 例えるならば隠れるところの無い都市。

 そして引きこもりが逃げ場を与えられない都市。

 受胎したと同時にIDが付与され、一生IDを背負って生きる。IDを携帯しない者は何もすることができない。


 巨大な空気清浄機が風化合成樹脂からこの都市を守っていた。

 都市の外れの空気プラントから送られた清浄な空気が対流を生み出し町全体を包んでいる。


 対流内と外では空気温度が10度も違っていた。

 100年以上前の話だ。異常気象に悩みぬいた人類は偏西風をコントロールするために世界中に巨大な創風プラントを作った。

 緯度30度を中心に作られた創風プラントは1千箇所以上に上る。

 今となってはその5割も機能していない。


 あるプラントはテロによって破壊され、あるプラントは莫大な維持費用をまかなえずにいる。

 たとえ機能していたとしても当初の機能としてではなく空気清浄機としてしか機能していない。

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