5月第2週 政治・経済 重大ニュースベスト5【レオ14世 政治資金不記載 実質賃金減 カシミール紛争】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
どうぞご覧ください。
第5位 『新ローマ教皇にプレボスト枢機卿=レオ14世名乗る―史上初の米国出身・コンクラーベ』
MSNニュース5月10日の記事より
『カトリック教会の最高指導者、ローマ教皇を決める選挙「コンクラーベ」で、8日の投票の結果、4月に88歳で死去したフランシスコ教皇の後任に、米国のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)が選出された。第267代の教皇で、レオ14世を名乗る。米出身の教皇誕生は史上初めて。世界14億人の信徒を束ねる重責を担う。
新教皇はペルーの市民権も有している。アルゼンチン出身のフランシスコ前教皇に続き、南米にゆかりのある人物が選ばれた。
バチカン市にある選挙会場のシスティーナ礼拝堂からは8日午後6時(日本時間9日午前1時)すぎ、新教皇が決まったことを示す白煙が上がり、鐘が鳴った。その後、カトリックの総本山サンピエトロ大聖堂のバルコニーにレオ14世が登場。笑顔で手を振って初演説に臨み、広場に集まった数万人に「皆さんに平和があらんことを」と語りかけた。
新教皇の就任式典はバチカンで18日に開かれ、各国代表が列席する見通しだ。
コンクラーベは高位聖職者・枢機卿のうち80歳未満の133人による事実上の互選。立候補制ではなく、規定の3分の2(89人)以上から支持が集まったプレボスト氏が就任を受諾した。投票の詳細は非公開。
選挙では、前教皇が進めた改革の継承か、伝統への回帰かが最大の争点となった。プレボスト氏の考えは前教皇に近く、大筋で改革路線が踏襲されるとみられている。
投票は7日にスタート。初日の1回と、2日目の8日午前の2回は票が割れ、不選出の黒煙が上がった。選出に成功したのは同日午後で、通算4回目とみられる。2005年、13年同様、選挙は2日間で決着した。
日本は前田万葉大阪高松大司教(76)、菊地功東京大司教(66)の2人が参加した。』
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日本にはキリスト教徒が全人口の1%、カトリック教徒はその半分なのにも関わらず思ったよりも報道されているのは驚きです。
日本のご皇室は「男尊女卑」とか言われているのにローマ教皇にはその批判が無いのですから理不尽過ぎですよね。
今回の「コンクラーベ」では当初「最有力」と言われていたピエトロ・パロリン枢機卿は選ばれませんでした。
パロリン氏は司教の任命権をほとんど中国政府側に渡してしまったことから「親中派」だと言われていたので、
アメリカなどは脱中国を目指しているために「チャイナリスク」を踏まえて「色があまり無い」レオ14世を選出したのではないかと僕は考えています。
第4位 『県知事20人、献金ずさん記載 個人名義も企業所在地』
共同通信5月4日の記事より、
『国会議員の政治団体に寄付した個人献金者の住所表記が実態と異なる例が相次いで発覚した問題で、県知事20人の団体が2021~23年に受けた個人献金でも同様の記載が計610件(総額3629万1千円分)見つかった。共同通信が4日までに各団体の政治資金収支報告書を独自に調べ、寄付者が代表や役員を務める企業・団体の所在地などが書かれているケースを集計した。国会議員に加え、地方自治体の首長側への個人献金でもずさんな処理が判明した。
寄付者の企業が県発注工事を落札したり、県と随意契約を結んだりしていた例もあった。企業・団体献金の受け皿となる政党支部を持たない知事が、後援会などを「抜け道」に事実上の企業献金と疑われかねない寄付を得ていたことになる。
4月1日時点の都道府県知事を調査し、うち20人が代表の団体で実態と違う記載が見つかった。最多は大野元裕・埼玉県知事の団体の317件(計458万円分)。長崎の大石賢吾知事の78件(計681万円分)、長野の阿部守一知事の43件(計84万円分)などが続いた。』
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25年4月7日には玉木氏や前原氏を筆頭に野党6党首も個人献金の杜撰記載が累計289件2千万円も発覚しましたが、県知事でも同様の問題があることが分かりました。
上級国民である政治家の中で「抜け穴として常識化」しており自民党とはスキームの金額や規模が違うにしろ「同じ穴の狢」なのでしょう。
この手の話題になる度に申し上げますが、「民主政治は相対的に良い人を選ぶだけ」に過ぎないのです。
一番の問題は国民が政治家を信じ切ったり安心したりして「白紙委任」することであり、選挙以外の場面でもしっかりと監視していく必要があるのです。
そうでなければ政治家が好き勝手に国民から集めた金を収支報告書に記載しない事実上の脱税を平気な顔をして行ってしまうのです。
第3位 『3月実質賃金2.1%減、3カ月連続マイナス 名目も鈍化=毎月勤労統計』
ロイター通信日本語版5月9日の記事より
『厚生労働省が9日に公表した3月の毎月勤労統計速報によると、実質賃金は前年比2.1%減だった。3カ月連続のマイナスで、減少幅も2月の1.5%から拡大した。名目賃金の伸びが鈍化する一方、コメを含めた食料品などの高騰で物価がプラス3%─4%超で高止まりしており、実質賃金には厳しい局面が続いている。
3月は労働時間が前年比マイナス2.9%と、昨年6月以来の減少幅だった。トラック運転手の労働時間に上限を課した「2024年問題」などが影響した。パート労働者の比率も前年比0.48ポイント上昇する中、キャベツやコメなどの価格が高止まりし、実質賃金にとって「厳しい状況」(厚労省担当者)となった。
労働者1人当たりの平均名目賃金を示す現金給与総額は、同2.1%増の30万8572円だった。プラスは39カ月連続だが、伸び率は前月の2.7%増から縮小した。現金給与総額のうち、賃上げのベアを反映する所定内給与(基本給)は1.3%増で、前月と変わらなかった。
消費者物価指数(持家の帰属家賃除く総合)の上昇率は同4.2%と前月の4.3%からほぼ横ばいだった。1月に復活した電気・ガス代の補助金が2月の請求分から反映されており、1月の上昇率4.7%に比べると鈍化している。
今回の3月分から、すべてを含めた「総合」の消費者物価指数を考慮した実質賃金を追加した。政府の経済財政諮問会議での議論を踏まえ、物価変動の物差しとして国際比較しやすい指数も使うことにした。「総合」の伸び率は3.6%で、同指数を反映した実質賃金は1.5%減と、2月の0.8%減からマイナス幅が拡大した。』
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実質賃金が低下していることは日本の貧困化であり問題ではありますが、
それ以上に問題を感じることがあります。
特に後半の『すべてを含めた「総合」の消費者物価指数を考慮した実質賃金を追加した。』と言うところは実は影響が大きいです。
これまで「帰属家賃」を含めないのでいたのですが、それを含めたすべての項目で実質賃金を計算するようになったそうです。
更に4月18日の読売新聞の記事では
「帰属家賃を含めた総合で算出すると実質賃金が高めに出るため、当面は併記して発表する。今年1月の実質賃金(速報値)は1・8%減だったが、内閣府が新たな基準で試算すると1・2%減となり、0・6ポイント押し上げられた。」
とあるように、今回の統計方法の改訂国民の懐は全く潤うことなく「実質賃金が改善しやすくなる」という恐るべき統計方法なのです。
しかもこれらを基準として「景気判断」を行い「経済政策」の指針としているのですから「好景気と言う事にして緊縮」がやりやすくなるのです。
こういった報道はほとんど表に出ることなく「ひっそり政府にとって有利な統計」に修正されたことは「闇」を感じました(しかも読売新聞にあるような併記が報道ではされていない)。
第2位 『石破茂首相、政治資金3000万円超不記載か 文春報道』
日本経済新聞5月7日の記事より、
『石破茂首相が、支援者の男性から政治資金パーティー券の代金などとして計3千万円以上を受け取りながら政治資金収支報告書に記載していなかった疑いがあると、週刊文春電子版が7日に報じた。
林芳正官房長官は記者会見で「首相の事務所は取材に対し、政治資金は法令に従い適正に処理し、収支を報告していると回答している」と説明した。
報道によると、男性は2003年から約10年間、毎年数百万円単位でパーティー券を購入した他、08年、12年に首相が自民党総裁選に出馬した際には「陣中見舞い」として首相側にそれぞれ現金100万円を手渡したなどと主張。首相関連の収支報告書には記載がなかったとしている。
政治資金規正法は、パーティー1回につき同一の者から20万円を超える支払いがあった場合、氏名や金額を記載しなければならないと定めている。』
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仮に10年間で3000万円の不記載が事実だとしたなら、非公認など処分された自民党の議員の中でもトップレベルの金額です。
最低でも会計責任者の監督不行き届きで政治家として不適格であると言わざるを得ません。
寄付をしたとする男性を証人喚問で呼び、嘘を吐けば偽証罪になる状況で証拠を出させる必要があるでしょう。
石破氏も旧石破派で24年10月7日2019年から2021年に開いた政治資金パーティーの収入の一部が政治資金収支報告書に記載されていなかったのを「訂正」したという「前科」があるのです。
まったくクリーンな人間であるとは言えず、真相を徹底追及していく必要があります。(できれば国会の外で“時間外労働“でやって欲しいですけどね……)
第1位 『インドとパキスタン、即時の完全停戦で合意 米などが仲介』
5月10日ロイター通信日本語版より
『トランプ米大統領は10日、インドとパキスタンが「完全かつ即時の停戦」に合意したと自身の交流サイト(SNS)に投稿した。
「米国の仲介による協議の末、インドとパキスタンが完全かつ即時の停戦に合意したことを発表できることをうれしく思う。常識と優れた知性を駆使した両国を祝福する」と述べた。
ルビオ米国務長官も、両国が即時停戦で合意したと明らかにした。両国は中立的な場所で幅広い問題について協議を開始するとした。ルビオ長官とバンス副大統領がこの48時間に両国の高官と協議していたという。
パキスタンのダール外相も「即時」の停戦で合意したと述べた。インド外務省は、インド時間10日午後5時(日本時間午後8時半)から停戦が発効すると述べた。
ダール氏は「パキスタンとインドは即時停戦に合意した。パキスタンは常に、主権と領土の一体性を損なうことなく、この地域の平和と安全のために尽力してきた」とXに投稿した。
また、ジオ・ニュースに対し、「部分的ではなく完全な」停戦合意だと説明した。停戦に向けた外交努力に34カ国が関与したと明らかにした。
インド外務省は、両国軍の司令官が10日午後に電話会談を行い、戦闘を停止することで合意したと発表した。12日に再度協議する予定だとしている。
係争地カシミール地方のインド側で4月下旬に発生した観光客襲撃事件を受け、インドが7日にパキスタンのテロリスト施設を攻撃したと発表。パキスタンは10日未明、インドに対する軍事作戦を開始したと発表。核保有国間の緊張に主要7カ国(G7)は自制と対話を要請していた。』
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イギリスから独立した際に問題となった「カシミール地方係争問題」ですが今回もそこまで悲惨なことにはなら無さそうに思えます。
双方が核保有国であることから毎回のように核戦争が懸念されていますが、
核戦争にもなれば争っている地域は焦土となり、国際的に孤立するというリスクがあるので余程の状況にならない限り起きないと思います。
むしろ「核を持っている同士だから毎回短い間で停戦になっている」と言う見方すらも出来ると思います。
ただ双方に「停戦違反」を主張しているという記事もあるために予断は許さない状況にあると思います。
ですが、戦力が拮抗していることで逆にそこまで抗争が激化しないのだという事だと思います。
日本も5月11日には弾道ミサイルに対抗できる可能性がある電磁砲レールガンが洋上実験がされるようなので期待したいところですね。
5月3日には中国が尖閣諸島空域侵犯(2017年以来通算3回目)しておきながら、中国海警局が「日本の民間機が釣魚島領空に不法侵入した」と逆に抗議をしてくるということもありましたが、その後は特に無さそうなのでランキング外としました。
いかがでしたでしょうか? 皆さんの注目した今週の政治・経済のニュースを教えていただければ幸いです。