存在ちゃん_3(完結編)
第三次世界大戦。始まってから幾月が経っただろうか?
シスターの願いを聞き届けてから数日後、僕に護衛の子が来た。どうもお礼らしい。
かわいい女の子だ。話すうちにすぐ打ち解けた。
「ははっそれいいね!」
「そう?」
戦争の最中なのにそんなことを言って冗談めかせる相手ができるとは夢にも思わなかった。
これが世界君と存在ちゃんの馴れ初めだ。
「ねぇ花言葉って知ってる?」
「え?なにそれ~」
「花の一つ一つに言葉があるんだよ」
なんとも朗らかだ、そして幸せだ。
こんな幸せが長く続いてほしいと願わずにはいられない。
しかしその幸せも長く続かないのは知っていた。
先のシスターとのやり取りでの代償だ。いまだに頭の隅に引っかかっている。おそらくこの子なんだろうな・・・言いようのない不安が彼を襲う。
こんなに幸せなのにだからこそ奪われるときは辛いものだ。
この子はそのことすら知らずに笑いかけてくれる。
まるで天使のように。
「ねぇ何か記念になるもの作らない?」彼女は言った。
「いいね!それ!」僕は答える。
最後の日はすぐ近い・・・だからこそ記念になる思いでこそはたくさん作りたいものだ。
あの花を探そう。
永遠を誓うに等しいあの花を。