《 ✽ 華月 陽藍の、独り言。✽ 》
俺の“名”は、華月 陽藍と、今はそう名乗って在る。職業は所謂“物書き”だな。そう、小説家って奴だ。理由は単純に月並みな“家庭の事情”て奴かね。嫁が外に仕事に行くからな。それ故に子供育てたり、家事やったり、偶に趣味で事業やって小遣い程度に金稼いだりするのがーー俺の趣味ーーあれ? 違うな、“役割り”分担なんだよ。
え?“職業が『社長』や『オーナー』や『出資者』で、趣味が小説家やりながらの家事育児では無いのか?”だって?
和希、ちょっと黙れな?おっと、いけない、話逸れたじゃ無えか。失礼、続けるな?××××
此の俺や、今下らん事言いやがった此の“和希”って坊やは所謂“此の星の住人”と云う奴では無い。他の星の住人だ。何処の星とかは、まあ良いだろう。不必要だ。其の辺は語ら無くとも構わないだろう?さてと、
先ず。俺の“職業”の話だが、所謂“副業”も、やってる訳でな。其れが理解り易く云うならば、“神”って云う“職業”だな。え?『神は職業なのか?』だと? だって此れ『仕事』だぞ? それなら立派に『職業』じゃ無えか。え? 何だって? 和希ーー、ーーああ、成程な。それもそうか。じゃあ訂正するよ。賃金収入発生しないから、和希曰く“ボランティア”だとさ。そうか、此れ、“ボランティア”か。
え?何?「若しくは“そっち”こそ」ーー“趣味ですかね”ーーだと? 和希ーーーーーー御前、すっかり“擦れた”な。え?何?俺のせいなの??嘘は止めろよ。失礼だな、御前は。××××
おっといけない。悪巫山戯は此の辺でな。××××××××
要約するとだな。先ず。俺は今、俗に云う“仕事”の一環で、此処に在る。少し前の話に為るのだが、事情でな、此の星から数人の“住人”を、預かったんだ。そいつ等に今“稽古”つけてる訳なんだがな。
ずっと頑張ってるもんで、所謂“褒美”を、やりたいんだよね。どうしようかと思ったけど、和希の案も聞いて、里帰りさせてやるのは如何かと為ったんだ。それでその“話し合い”に、赴いて来た訳だ。タイミングがあってな。上手く遣らないと“鉢合わせる”んだよね。え?嫌、此方の話。細かい事は気にしないでくれ。
まあ。本来“星から星への行来”は。実は禁止されていてね。じゃあ何で俺達はやってんのか?って、話になるだろ?それについては、だ。
“依頼”を受けてるからだね。“見廻り”な訳だ。各“星々”の、ーーな。
要は“各星の其々の責任者”から、“宇宙世界と名付けられた空間及び其の空間内に存在する星々の見廻り”を、ーー頼まれてるんだ。
“俺達は”ね。
ん? なあ……和希? 先刻の発言だが、訂正するわ。“給料”発生してるじゃ無えか。“彼奴等”から背占めてーーおっといけない“言い方”だな。ーーな?だろ?××××××××
さておき。まあ、自分達の星の自衛行動には一円も金貰って無いってのも、御前の言い分には一理有る訳だよな。
まあ俺は。其の自分の星の自衛の為に先立つものと云ふ名の軍資金集めを行ってると、
“趣味は金儲けなんですよね?”ーーて、言われる訳だよね。ん?ああーそうだよ。主に言ってくるの御前だよ、和希。“不本意”だよ。
失礼だよな、皆してな。趣味な訳無いだろ。もっとも、
事業展開してると愉しくは在るので、調子に乗るってのは事実だな。
あれ?何時、脱線したんだ?此れーー又息子に言われちまうな。××××××失敬。
じゃあ“選手交代”だな。××××××××
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あ、どーも。初めまして。“橋本 和希”です。“高校”で英語とか、指導してます。先刻からずっと『ぐっだぐだ』だったーーあの人は、
俺の師匠の“華月 陽藍”ーー比類無きイケメンて奴です。本人“全否定”してるけどな。面倒なので其の辺り割愛。悪しからずな。さてと、
“陽藍さん”は俺の親友“友”と云う謂わば腐れ縁の、父親なんだ。その縁で俺は陽藍さんの、弟子と為った。“過去に”な。それでまあ、“神様”の一族の“仲間”と云う名の“使いっぱ”やってるんだけどね。陽藍さんの“パシリ”だよね〜俺。“逆らえ”ねーもん。“恐過ぎ”て。怒らすと如何なるか?だと。恐い事を聞いて来るなよ。“世界”が文字通り“終る”んだよ。前にあの人“やらかし”てますから。×××××ד不本意”だったみたいだけどね。
× × ×
陽藍さんの“過去のやらかし”は、さておき。まあ、今陽藍さんの家には、“居候”が在るんだ。其れが“此の星”の、少年“四人”ーーなんだけどね。××××
其の子達が弟子やってる“理由”が、ね。此の星の管理人“白神”君の為な訳で。
白神君は、此の星で神様やってる子で。実は凄い力を持っている。けれど、
其の力が巨大過ぎて、彼自身にもコントロール出来ない。“今は未だ”ね。其の“コントロール”を“実際”やってるのが、此の陽藍さんなんだよね。つまり、
白神君の“力”を、封じ込めてるんだ。“自らの力”を、使ってね。『白神君を“結界”に閉じ込めて在るーー』と、言い換えても良いかな。もっともだけど、白神君は“自由に歩ける”けどね。如何いう事か?と?
つまり。白神君をーー“閉じ込めてる結界”は、“身に付けられる”もので在って、言い換えると“着ける”なんだよね。そうーーつまり“着て”、います。“白”神『君』は。ーー『白い衣』を、ね。
つまり“衣装”が結界の役割を担ってるんですよ。“彼のケース”は。“俺”とはちょっと違うな。まあ“いいけど”だね。××××
解り易く云うと、
白神君は昔“生まれたばかりの頃”に、偶々だけど陽藍さんに救われたんだ。その時に対処として施されたのが、結界の役割を果たす“白い衣”を陽藍さん自らの力を使って“練り上げ”て、その場で『着せた』訳だ。此れが二人の出遭いで有り、経緯だった訳なんだけれどね、話は“此れ”で終わりでは無かったーー
と、いう、良く有る話な訳だよね。
× × ×
その時はそれで終わった訳だけど。詳しい内容については今は必要無いから、省くけどね。今“関係”してるのは、“その後”の話にーーなる。
其処には“俺”が、関係しているんだけど。××××××
××××××××
先にも言ったけれど、俺には親友が在る。此の陽藍さんの息子で、四男。名前は華月 友と云う。友とは大分“昔”に、出会った。前世の前世の、もうずっと前だ。出遭ってしまい、友の“影響”を色濃く受けていた“俺”は、
図らずも“神に近い存在”に、なってしまった訳だ。
そして。
“事”は起きた。
“転移”したんだ。“此の星へ”ね。俺達は此の現象を『異世界迷子』と、呼んでいるのだけどさ。××××
つまり。
友と馴れ合い“過ぎ”た、此の俺は。当時ただの人間だった。故に其の影響力、つまり“エネルギー”を、
持て余してた訳なのだ。そしてそれが、
……………………。“暴走”ーーしてしまった。××××××××××
其の“現象”が、『異世界転移』だった訳だよ。×××××××××××××
詳細は省くけれど、其の時に“迎え”に来てくれたのが、此の陽藍さん。“慣れた”ものだった。
まあつまりは“その時”に、今回の“きっかけ”が、発生した訳だよね。『成程』だろ?
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ーーと、云う訳だ。和希の話で、大体理解ったかな?
和希がいなくなっちまって、捜しに来た“俺”が、後に“サクラ令嬢”と呼ばれる“お嬢さん”と、会っちまった訳だよね。“この時に”、さ。
後になって“失敗した”とは思ったんだけどさ。“遅かった”訳だよ。理解したかい?ワトソン君?そう?“流石”だな。××××××××××××××××××××
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つまり陽藍さんは、“跳ぶ時代”を、“間違えた”ーーらしいよ。え?ああーー『当時は跳べた』んだよ。『時間移行』が。今は“駄目”だぜ?“勿論”だよな。はあ。頭痛え。
俺のせいでも有る様な気もしなくは無いから、放っても置けない訳だよ、なあ?ホームズさん?
『難題』だよな、此れ。つまり“あのお嬢さん”から、『初代サクラ御令嬢』を、
『抜き取る』んだよ。『厄介』だろ?ホームズさん?違った、“陽藍”さん。全く別物が混じってるんなら、其処迄で無かった事案なのに、今回は“同じ血”が流れてる訳だよね。上手に“別け”れんの?此れ?
“成る様に為るだろ”だって? 師匠、あんた相変わらず暢気だよな。は?そうだね、『慣れた』“モノ”だよ。たくな。