表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星に願いを  作者: 深月 陽真
32/40

第31話 羊は永遠の眠りに付く③

「僕は謝罪が欲しいわけじゃない。ただ、認めて欲しいんだ。僕の、いやきっと僕らの声を聞いて欲しいだけなんだ。ただ、それだけなのに」


 青年はいつも苦しそうに戦っていた。泣いていた。


 この後、青年は永遠の眠りに付くのだった。



「蓮?本当に大丈夫?」


 一瞬、また過去の記憶の断片を見ていた。寝いる時に過去の夢を見ることはあるが、日中に、しかも突然フラッシュバックに襲われることなどなかった。


「ああ。悪い。ちょっと疲れてるのかもしれない。じゃあ、俺は帰るから、何かあったら連絡をくれ」


 蓮は優仁の部屋を去った。


「あの夢のこと言えなかったな」


 先程見たレオと白ウサギの夢だ。


「蓮は何かを隠している。どうして僕を信じてくれないのかな」


 優仁は膝を抱え、俯いた。蓮の挙動がおかしいのは、最初からだった。星霊戦争に巻き込まれた時から異常に冷静で、まるですべての結末を知っているかのようだった。

 

「貴方を愛しています」


 その時、頭の中に知らない女性の囁き声が響いた。


「誰?もう何なんだよ!」


 優仁は側にあった枕を壁に投げつけた。早く終わりにしたい。終わらせられないなら、せめて僕に力を与えて欲しい。蓮と対等に戦うだけの力を。


 優仁のスマホが光った。するとまたあの森の中にいた。大樹の近くにレオと白ウサギ、その真ん中に仮面を付けた少女が立っていた。


「優仁、貴方に少しだけ戦える力を与えます。でも、どうかその力は貴方な大切なモノのために使ってください」


 仮面の少女が手を差し出すと小さな光の玉が現れ、優仁の体の中に入っていった。


「本来なら貴方と私が会うのは非常に危険な行為。でも、繰り返される時間の中で、彼の肉体と精神は限界に来ています。もう、貴方自身で選択をするしかないのです。本当にごめんなさい、優仁」


 霧が辺り一面を覆い隠し、優仁は目を覚ました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ