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星に願いを  作者: 深月 陽真
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第2話 星霊

 放課後、弓道部の部活動を終えた優仁は一人、家に向かって歩いていた。昼休みに話題になったアプリについて考えていた。もし、このアプリがあれば彼女は事故に遭うことはなかったかもしれない。そして、ふとスマホを見た。


「え?僕、このアプリ、インストールした覚えないんだけど」


 優仁のスマホのホーム画面には星のイラストが描かれたアイコンがあった。それは昼休みに見せてもらった"星に願いを"のアプリだった。


 その時、急に視野が真っ暗になった。優仁は何が起きたのかわからずにただ、呆然としていた。そして光が注ぎはじめた。星が輝きを見せていた。まるでプラネタリウムにいるかのように満天の星空だった。


「ここは?」


 そこは先ほどまで優仁が歩いていた通学路とは違っていた。星が輝いているのは空だけではなかった。360度が夜空の空間と化していた。優仁は何も考えられずにいた。頭が現状に追いつかない。 


 その時、何かが優仁めがけて飛んでくることに気付いた。それは巨大な弓矢だった。あまりに突然の出来事に逃げることなどできなかった。


 ああ、だめだ。ふと彼女の顔が頭をよぎった。助けてあげられなくてごめんね、優菜。


 しかし、優仁は無事だった。目を開けると目の前には見知った人物がいた。


「れ...ん...?」


 蓮は優仁の前に立っていた。その横には女性がいた。だか、人間ではなかった。水色の髪に水色の肌、手には水瓶を持っていた。


「クリスティーヌ。絶対相手のスマホを壊すなよ」


「おまえはまた甘いことを。これでは"星霊戦争"を勝ち抜けないぞ」


「俺たちの目的は"ハートの女王"と"パンドラの箱"だ。相手を倒すことじゃない」


「まあいい。私が"星霊王"になれるならな」


 クリスティーヌと呼ばれた女性は手に持った水瓶を頭上に掲げた。すると水瓶から大量の水が飛び出し、弓矢が放たれた場所目掛けて飛んで行った。水が弾かれ、辺り一面に水が雨の如く降った。


 水しぶきが止み、上空を見上げると、少女と一匹のライオンが姿を現した。真っ白なワンピースに仮面を被った少女とライオンを見て、蓮はひどく動揺していた。


「え?レオ...?」


 蓮はぽつりと呟いた。すると夜空の空間が歪み出し、いつの間にか元いた場所に戻っていた。蓮と一緒にいた女性も少女やライオンの姿もなかった。

 

 

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