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星に願いを  作者: 深月 陽真
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第1話 はじまり

 獅子神優仁ししがみゆひとは教室まで走った。朝練が終わり急いで教室に向かっている。黒髪からは汗が流れている。教室に着くと、優仁は後ろの席の人物に声をかけた。


「おはよう、蓮。間に合ってよかったよ」


 蓮と呼ばれた金髪の少年は教科書から視線を前の席に座る優仁に向けた。


「おはよう。ギリギリだったな」


「朝練が伸びちゃって。あ、しまった。一限の英語、今日ミニテストあるって言ってたよね?」


「残念だったな、その通りだよ」


「蓮のことだから予習は完璧だろうけど」


 水城蓮(みずしろれん)は見た目に反してとても真面目な生徒だった。髪は金髪で両耳にはピアスを付けており、進学校と名高い星宮高等学校では珍しい風貌だ。

 二人は幼い頃からの友人で幼稚園から高校までずっと一緒だった。家も近く親友と呼べる間柄だ。



 昼休みになると優仁は数人の友人たちと食事を取っていた。


「そういえば、最近話題になってる"星に願いを"ってアプリ知ってるか?」


 細身の長身の少年が聞いた。


「あれだろ?陽キャの間で話題の占いアプリ。インステとかTikTopとかみたいに流行ってる。陰キャの僕には怖くて手を出せない品物だよ」


 ぽっちゃりした体型の少年はそう言っておにぎりを口にした。長身の少年はスマホを取り出して画面を見せた。


「実はな、ついにインストールしてみたぜ!生年月日入力するだけの簡単なアプリなんだけど、これがよく当たるんだよ」


「おまえも、とうとう陽の仲間入りか。でも、占いなんてふわっとしたこと言うから、後でそれっぽく当たった気がするだけのように思うんだよね」


「いや、これは違うんだよ!内容が的確なんだよ。これを見てくれよ」


 そう言って長身の少年はスマホの画面を見せた。そこには今日の占いが書かれていた。


 "本日は車に注意。最初の信号で歩行者信号が青でも一度目は見送ること。信号無視をした車が横断歩道を走り抜けます。"


「まじでさ、信号無視してきた車がいたんだよ。このアプリ使ってなかったら今頃どうなっていたか」


 三人は驚いた顔で眼鏡の少年を見た。


「どういう仕組みなんだろう。登録だって生年月日だけなんだろう?」


「ああ。でも、なんか変な項目があったんだよな。貴方の星座のニックネームを付けろとか、星に願いをするなら何を願うかとか」

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