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ワールドノイズ  作者: 優希
出会い/動き出す物語
3/25

第二話:RASE/サーチ開始

あたしは部隊?の人に付き添われ車に乗っていた。もちろん一緒にいた二人もいる。

「到着しました。ではこちらへお願いします」

そう言って車から降ろされたが、着いた所は─

「サイバーワークス!?」

なんと天下のIT企業、サイバーワークスだった。車も真っ黒だしてっきり秘密の組織だと思ったんだけど…。

そんなこんなでビルの中に入るとエレベーターへと向かった。ここサイバーワークスは、東棟、西棟、中央棟の三つに分かれてて、地下も入れると合計318階になるらしい、でっか…。

「乗って下さい」

エレベーターに乗ったあたし達は地下へと降りていった、ボタンの不思議な押し方からして、どうやら普段入れない秘密の階があるらしい。

エレベーターを降りてすぐのとこにある部屋に行くと

「少しお待ちください」

と言って部隊の人達は出ていった。部屋にはさっきの二人とあたしの三人が残された。

(どうしよ…話すこととかないし…)

なんだかビミョーな空気が流れる

「ねね!せっかく三人いるんだし、自己紹介しない?」

そんな沈黙を破ったのは黄色い髪の少女だった、

「いいですね、よろしいですか?」

もう一人があたしに確認を取ってくる

「はい!」

勢い良く答えた、黙ってるより全然いいやw

「うちは幼羽黃衣だよ〜、能力は長さ!こう見えて16歳なんだ〜、気軽に黃衣って呼んでね〜」

え?16?同級生じゃん!…背…低いな…

「私は笹狩煎慈といいます、能力は重さです。20歳なので現段階では最年長ですね」

こっちは背たっか!!あたしよりも高いってことは180くらいか…詩衣が好きそうなタイプだな。

「もう!煎慈くん硬すぎ!もう少しやわらかく言えないの!?」

「いや初対面ですし…礼儀ってものがありますので…」

「そんな硬く言われたら緊張しちゃうかもでしょ!」

「それは確かに」

議論がヒートアップしていく、入る隙、ないな。

「あ、そーじゃん!まだ名前聞いてなかった!」

「うっかりしていました。」

「はい!じゃあお願い!」

「え?あ、あたしは霧宮紅香って言います。17歳です。能力は…まだちょっとよくわかんないです」

「もう!みんな硬い!!」

「よろしくお願いします紅香さん。」

「てか17!?やっぱスタイルいい!身長何cm?何頭身?スリーサイズは?あ、紅っちって呼んでい?」

グイグイくるな…

ゴツッ!!

「コラ、黃衣、新入りの人を質問攻めにしない!」

そう思っていると誰かが入って来た。流れるように黃衣を叱る。慣れてるな…

「長官、お疲れ様です。」

「長官!痛いよ!」

「黃衣、お前は少し礼儀を知れ、煎慈を見ろ!」

「…はい、あ、お疲れ様です」

「それでいい」

「あの〜…」

「あぁ、君が新しく見つかった適合者だね?」

「はい!それで適合者ってのは何ですか?」

それ以外にもいろいろわからんけど…

「OK、順番に説明しよう。」

「まず、適合者というのはその宝石、〈マテリアストーン〉の能力を引き出すことの出来る、君達のような人間の事だ。次に〈マテリアストーン〉というのは、君達の使っている能力の塊、といったとこかな、〈アダプターバックル〉によってその力を制御している」

はぇ〜マテリアストーン…オシャレ…

じゃなかった

「あの、ここはそもそもどういった組織なんですか?」

そう、あたし急に連れてこられたからね、わからんのです。

「あぁ、まだ説明していなかったのか、ったく連れてくる時には必ず説明しろとあれほど………」

そ、そうだったのか…あたしなんの説明もされなかったけど…

「私達は〈RASE(レイズ)〉。あぁ、Revive And save earthの略でな、長いのでこう呼んでいる。表向きはサイバーワークスの災害の予測及び探査をしている部署だが実際は〈ディザーズ〉あの怪物体の討伐、調査をしている」

あぁ、だから正面から堂々と入れたのか…

RASE(レイズ)…その他には何か任務があるんですか?」

「基本的にはディザーズの撃退だが、もう一つ、特殊な任務がある、それは…」

「それは…?」

「君達のような適合者を探し出し、共に戦ってくれるよう、説得することさ。一つのストーンには適合者が一人でね…と、言うことで霧宮紅香くん」

そう言ってあたしに近づいてくる。

「は、はい!」

「私達と共に戦ってくれるかい?」

それってあんなのと何回も戦うって事?でも……

「やります!あたしにしかできないなら!」

「え?いいの紅っち!怖いんだよ?危ないんだよ?うち一週間悩んだよ?」

「黃衣、人の判断に口を出すのは良くないですよ、しかし、紅香さん、いいんですか?」

二人とも…知り合ったばっかなのに……え、一週間?

「君ならそう言ってくれると思ったよ。さて、そうと決まれば早速テストだ。なぁに簡単さ、ついてきてくれ」

そう言って長官が歩き出す。

「は、はい!」

「紅っちガンバ〜!」

「ご武運を…」

後ろから二人の声が聞こえる。ん?武運?


……………………………………………………………


しっかし広いな〜、ホントに地下?何度長官を見失いかけたか…

「ここだ」

「うおっと」

あぶね、ぶつかるとこだった。

「ここは?…」

目の前には無機質な白い部屋が広がっている。

「対怪物体用特殊訓練場…まぁ平たく言えばトレーニングルームだ」

そう言いながら長官が何か取り出す

「さぁ、これをつけて中に入って」

「は、はい!」

渡されたのは…VRゴーグル?

あたしはとりあえず白い部屋に入り、ゴーグルをつけた。

「おぉ!」

ゴーグルをつけてみるとさっき岩の巨人と戦った場所が広がっていた。

「それはサイバーワークス製の最新VR機器でね、その部屋がまるごと装置になっている、あ、私は指令室にいるから安心してくれ。」

そっか、じゃあ安心…指令室見えないけどね

そんなことを考えていると目の前にさっきの岩の巨人が5体出てきた。やっば!完成度高い!

「では始めてくれ!」

あれを倒せばいい感じ?なら楽勝だね!

「クロスアップ!」

その声と同時に地面からリボンが出てきて体に巻き付く、それが取れた時には服が出来上がり、赤いラインが入る。

「完了!」

よーし!さっきみたいにパッパと片付けますか!

「そりゃ!」

まず槍を投げて一体撃破!あ、これ手を引いたら槍も手元に戻ってくるんだ!便利〜

「あと4体!おっとと…」

危ない危ない…転ぶとこだった、でもなんもないとこで転ぶなんて…まぁいいや!

「せい!やぁ!」

二体撃破!半分超えた!

「っあ」

今度は転んでしまった、おっかしいな〜

しまった、背中を取られた。やられる!

「肩に付いているケースからディフェンスのカードを使え」

どっかから長官の声が聞こえた。

えっと肩の…あ、これかでバックルに装填!

〈ディフェンス〉

おぉ!バリアが張られた。煎慈が使ってたのはこれか…

「それは〈サポートカード〉何種かあってその場に応じた使い方ができる。しかし、まだ能力に慣れていないみたいだね。」

慣れてない?まぁ初めて使いますしね。

「頭の中でイメージした速さと実際出ている速さが違うんだ。」

あぁ!え〜っと、イメージを合わせて…

「とりゃ!」

おし!今度は転ばなかった!

「流石!元の運動神経がいいんだろう、適応が早い。」

褒められた…えへへ…じゃなかった!あと二体!

「てやぁ!」

連続撃破!ふぅ…けっこー疲れるな…

「お疲れ様。今日の要件は以上だ家のあたりまで送ろう。それではゴーグルを外して部屋から出てくれ。」

あたしは言われた通りにゴーグルを外し、さっきの部屋に向かった。



「紅っちおかえり!どうだった?大変だった?」

「お疲れ様です」

部屋に入ると黃衣と煎慈が迎えてくれた。

「うん、慣れるまでちょっと大変だったけどね、すぐ慣れたから」

「あぁ紅香くん、お疲れ様」

「長官、ありがとうございます。」

「いや、いいんだ。それとこれを持っていてくれたまえ」

そう言って長官は腕時計のようなものを取り出した。にしてはゴツゴツしてるけど…

「これは?」

「それはサイバーデバイスと言ってな、連絡、情報伝達から物体の転送など、その他諸々出来る優れものだ、まぁ腕輪部分から外してスマートフォンのようにも使えるが、とにかくディザーズの情報はこれで送るから持ち歩いてくれ。」

あぁ!煎慈があたしにバックル送ってくれたときの!へぇ〜そんな沢山機能がついてるのか…サイバーってつけるの好きだな。

「紅っち!連絡先交換しよ!ほら煎慈も!」

「交換しておけば何かと便利ですしね」

あたしは言われるがまま連絡先を交換した。

にしてもこの二人、仲いいな…ひょっとして、ひょっとする?いやいや、知り合ってすぐそんなこと聞くの失礼か…………また聞いてみよ…




あたしはまた車に乗り、家の前の通りまで送ってもらった。

ふぅ、遅くなっちゃったなぁ、なんて言おう……

「ただいまぁ」

「おかえり、紅香、遅かったわねぇ」

うっ…ちょっと機嫌が悪い…時計を見ると9時近い

「あ、うん、友達と盛り上がっちゃって」

「そう、楽しむのはいいけど、遅くなるなら連絡してよ、夏だから日も長いけど」

「うん、ゴメン」

「それならよし!晩ごはんはハンバーグよ、お風呂、先に入っちゃいなさい」

「は〜い」

良かった…機嫌直った…次から気を付けよう。

 

シャワーで汗を流し、髪や体を洗う。砂ぼこりで髪ギシギシだ…最悪…トリートメント2回ぐらいしよ…

髪のギシギシがあらかた無くなったのでゆっくり湯船に浸かる

「しっかし、今日は色々あったな〜」

宝石拾って、巨人…ディザーズと戦って、なんか組織に入って、黃衣や煎慈に出会って…なんか1年分のイベント一気にきたって感じだな〜、流石に言い過ぎかw


パジャマに着替えて早速晩ごはんを食べる。思えば昼から何も食べてない、あんなに動いたのに…

「いただきます!」

「はい、どうぞ」

美味しい!やっば母さんの料理サイコー!

「よく噛んで食べなさいよ〜」

母さんの注意も程々に聞き流してあたしはどんどん箸を進める。途中、(あっヤバ太るかも…)

と思ったから、少し抑えめに食べたけどね



ベッドに座り、髪を梳かしながら、詩衣と由愛からのメッセージを返す。

『明日は遊び行こーね♪』

『おう!どこ行こっか』

『詩衣?月曜日提出の課題、終わってるだろうな?』

『あっえっとその、来週だしいいかな〜って』

『そ~やっていつも当日「写させて〜」って言うのはどこの誰かな!?』

『ひー!レッドちゃん助けて〜』

『そーいやあたしも終わってないや』

『ほら!ここにも終わってない人発見!』

『紅はなんだかんだ終わらせてくるだろ!』

『だってわかんないんだもん!』

『仕方ない、今から詩衣っち行って教えてやるから』

『ワーイ!由愛がいるなら百人力だ!』

『てことで紅、また明日な、おやすみ』

『おやすみ、詩衣ガンバ!』

そーいえば詩衣と由愛は家が向かい同士だったな…は〜〜今日は疲れたな〜、あ〜だめだもう課題やる気起きないや、また明日やろっと。

そうしてあたしは目を閉じた。

キャラ紹介


幼羽 黃衣

16歳

159cm

誕生日 11月27日

父 幼羽 怜八、母 幼羽 由奈

ポジティブ&フレンドリー。基本タメ口でありコミュ力が高いが…煎慈とは小学校からの幼馴染。


笹狩 煎慈 

20歳

誕生日 8月4日

181cm

父 笹狩 健斗、母 笹狩 郁美

空手のアジア部チャンピオンであり、頭もいい。礼儀正しく、敬語から入る。黃衣とは家が近いため、家族ぐるみの付き合いである。


アンナ・ベルン

アメリカ人と日本人とのハーフ。対怪物体組織〈RASE〉の長官。物腰の柔らかい人で部下たちにも信頼されている。

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