序章【新しい記事-3】
寒さと孤独を友としてどれ程の時を過ごしたのか。
数秒にも数年にも思える曖昧な時の流れの中で、確かにわかった事がある。
オレは今、人間百科事典に等しいということだ。
原因も過程も、なにひとつ全くわからない。
ただ結果のみからそう判断せざるを得ない状況になっているのだ。
人間百科事典と言ったが、オレ自身にそんな知識は無い。
問えば、答えが出るのだ。
みんな大好き、天下のWikipedia様から。
……うん。
いや、待て。言いたいことはわかる。
だから先にこっちから言わせてほしい。
「スマホがあればいいじゃん。」って思ったんだろ?
「オレも人間百科事典じゃん。」って思ったんだろ?
…オレもそう思う。
けど、頼むから考えてくれ!
こんなわけのわからん状況に直面しても必死に考え抜いて!
出された答えが「ググればおk」だなんてあんまりだろ!?
だから、せめてこの金縛り?から覚醒するまでは人間百科事典と名乗らせてくれ…。
オレとしても早く目覚めたいんだ…寒いし…トイレ行きたいし…。
────待て。
今、オレなんて…?
トイレに行きたい、だって?
体の感覚すらな【表記変換:日本語を行います。】
───なんだ
【人類種:7度目の世界:再臨。】
───目が、熱い
【超越思考:招来:台本】
───背中が、痒い
【宙を:扉:コントローラー】
───なんで急にこんな
【対応表記無し:対応表記無し:よい旅を】
───答えろWikipedia
【ササキ スケサブロウ】
───待て、ちょっと急すぎじゃ【覚醒】