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序章【新しい記事】

導入部につき展開早め。

タグの要素は数回先の予定です。




寒い。


はじめに、その感覚があった。

まどろみの中にあってさえ、その鋭さをはっきりと感じられる程の寒気が身を包んでいる。



「あぁ、もう立派な冬なんだなぁ。」

そんな事を思いながら、人類史における最上の贅沢がひとつ─冬の朝の布団で二度寝─をしようとして



出来なかった。



「時間やっば~い☆遅刻遅刻ぅ~!」

そう言って家を飛び出せるのならどれ程幸せだっただろうか。



─無いんだ。


何が、と聞かれても、困る。


それは例えば、暖かい羽毛布団であったり、枕元に置いてあるはずの時計であったり。

カーテンの隙間から差し込む朝の日差しであったり、鳥のさえずりであったり。




視界に広がるはずの部屋の光景であったり。








自分の体の感覚であったり。


あるはずのものが、存在しないのだ。


その中にあってさえ、刺すような寒さはその主張をやめようとしない。



体の感覚がないのに、俺は一体何で寒さを感じているんだろう。

そんな事を考えたりするのは、いまのこの状況があまりにも非現実的で、馬鹿馬鹿しくって──どうしようもなく、現実だからだろう。




なにがあった。

あまりにも唐突に突きつけられたこの状況はなんだ。


なんで。どうして。オレがなにをしたっていうんだ。昨日寝る前なにしてたっけ。やばい。会社に遅刻?バイクのローンも残ってるのに。冷静に考えないと。無理。え、オレ、生きてる?金縛りとかいうやつなの?なにそれ?そんなのオカルトでしょ。え、まさか、オレ───








───死ん【金縛り(かなしばり)は主に就寝中、意識がはっきりしていながら身体を動かすことができない症状を指す。身体が締め付けられるような感覚からこう呼ばれる。】







───んん?










いま、なんか変な【医学的には睡眠麻痺と呼ばれる、睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態。思春期に起こりやすく、仰向けの姿勢、不規則な生活、寝不足、過労、時差ぼけやストレスなどから起こるとされる[1]。】












─────なんだ、これ。


あー確かに最近不規則な生活リズムだったなー、とか

思春期の頃に戻りてぇなー、とか

[1]ってなんなんだよ、とか

そんなのどうでもいいんだ。




寝ぼけてる訳じゃない。

意識ははっきり覚醒してる。

そして、体の感覚が全く無いのも自覚している。

金縛りだって言うなら、オカルトだろうと睡眠麻痺だろうと納得できる。





なら、この沸いてくるイメージは、一体なんだ。






オレはどうな【・「金縛り」( 2018年10月27日 (土) 23:12 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/金縛り)】






……オレはどうなっているんだ?

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