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プロローグ
少年は、それがとても嫌だった。
彼は一人、退屈に時を過ごしていた。
何でもいえば手に入るという豪華な暮らし、行動しようともなかなか変わらない日常の風景。少年はそんな何もない日常という退屈がとても嫌だったのだ。
それは少年だったら誰もが願う冒険心からくるもので、何も特別な事ではないもののはずだった。
少年にとっても、全てを押さえつけられて過ごす退屈な日常は少年ゆえの冒険心を大きくさせるものでしかなかった。
教国の貴族として名の通っている彼の父親は、時に厳しく、時に貴族であることを忘れない父親は、少年にとって怖くもあり、尊敬するべき父親でもあった。
しかし、引っ込み思案と言えるほど内向的な彼は、そんな父親に連れまわされるのがとても嫌いだったのである。
少年はいつも領主である親から言われていたのだ。
これから必要になることだから、今のうちに自分たちのしている社交の術を真似てできるようにしておきなさいと。
要は、格式の高い人々の中にも混ざっていけるように社交を学べ、ということを教え込まされているのである。
尊敬する父の言う言葉は確かに真実で、この先で最も必要であることは誰の目にも明らかだったのだ。
もちろん、少年の目でさえ。
だから、だろうか。
少年は、それがとても嫌だったのだ。




