マジカル♡クロム降臨!!!!!
「うぉおぉおぉお!!!!!とうっちゃ〜〜く!!!!!」
俺が魔法少女を探して辿り着いた場所はよくある交差点だった。
「確か・・・この辺だったはずだ【ドゴォォォォォォォォォンンン 】
俺の後ろから爆音が響いてきた。
俺は慌てて近くの路地裏に身を潜め交差点を覗くとそこには、
赤髪のツインテ美少女とサムライのような怪物がビルの壁を突き抜けてきていた。
「あ、あれは・・・リオンたんじゃないか!?!?!?」
マジカル♡リオン―――テーマカラーは赤。赤髪のツインテールが特徴。胸はAよりのB(by俺目測)。魔法は火を操り、主に両手に装備したメリケン・・・いやグローブで戦う。火を纏った拳で敵を倒す様子がまさに獲物を殺すライオンのよう!彼女は今の魔法少女達のリーダー的存在だ。
「嘘だろ・・・?リオンたんが苦戦している?」
リオンは魔法少女達の中でも戦闘に秀でている魔法少女だ。しかしその彼女はサムライの怪物に攻めあぐねている。
「くそっ・・・あれは・・・『ヒト』型の中でも珍しいサムライかよ・・・」
怪物達は様々な姿をしている。人のように二足歩行をしている『ヒト』型、四足歩行で動物のような姿をしている『ケモノ』型、機械のような形をしている『ムセイブツ』型などがある。
その中の『ヒト』型の怪物はザコが多い。強くても騎士のような格好をしているのが多い。だがこの怪物は現れた数がまだ少ないサムライ。
故に未知の技を数多く繰り出し通常の『ヒト』型よりかなり強い。
そしてサムライは刀を使うのに対してリオンはグローブ。間合いではサムライの方が圧倒的に有利。そのためリオンは中々近づけず一方的に攻撃されている。
「クソ・・・俺も助けたい・・・けど・・・」
そう。今ここで俺が出てきても邪魔なだけだ。助けるどころか逆に状況を悪化させるだけだ。
でも今なお彼女は戦い続けている。苦戦しながらも表情は決して諦めていない。
「俺は・・・ただ見守ることしか出来ないのか・・・」
「いや、出来ることはあるさ」
俺の後ろからとてつもなくハードボイルドな声が聞こえた。
俺は驚き後ろを振り向くがそこには誰もいない。
「君に頼みがあるんだ」
上から声がしたので少し顔をあげると。
そこには羽の生えた小さなオッサンが飛んでいた。
「私の名前は柳林醍醐郎。魔法少女に使える精霊さ」
「・・・」
「どうかしたかね?」
「はあぁあぁあ!?!?てめぇみたいなちっさいオッサンが精霊!?!?はあぁあぁあ!?!?名前どうした!?シ〇ップとかメー〇ルみたいな名前じゃねぇのかよ!!!なんだよ柳林って!!!醍醐郎って!!!夢ぶち壊しじゃねぇか!!!」
「君が言いたいことは分かる。だが今は私の話を聞いてくれ」
いやこれで落ち着けるやついたら教えてくれ。ぶん殴ってくるから。
「助ける方法は一つだけある。それは・・・」
「君が魔法少女になるんだ」
ハッハッハ。俺は遂に頭が狂っちまったか。まず男が魔法少女とか無理だろ。何言ってんだか。
「本当にこれしか方法がないんだ・・・」
あれ?結構深刻な顔してるな?え?マジ?俺やらないといけない?そりゃ助けたい・・・けど・・・
「私の言葉に驚くのも無理はない・・・だが無理を承知でもう一度言おう」
俺が今ここで助けなければ彼女は倒れてしまうだろう。俺は・・・何としても助けたい。
「魔法少女になってあの子を助けてくれないか?」
本当に魔法少女になれるのか?・・・いや今はそんなことを言ってる場合じゃねぇ。
俺は何としてもリオンを助ける。絶対に。何を引き換えにしても!!!!
「やってやるよ!!その魔法少女とやらをな!!!!!」
「いい覚悟だ!さぁこれを使ってマジカル♡チェンジだ!!」
渡されたのは魔法少女になるためのただ一つの道具―――マジカル♡ステッキ。
「オーケイ・・・いくぜ!!マジカルッ!!!!チェエエエエエエエエンジ!!!!!」
俺は黒く輝く光に覆われ、瞬く間に魔法少女の服に包まれた。
「俺が・・・いや私が!マジカル♡クロムだ!!!!!」
俺はこの時、魔法少女となったのだ。
牡丹餅です(`・ω・´)ゝ
魔法少女もんってあまり見ない私。
この作品のために色々と見るつもりです。