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チートな『俺』は異世界にその名を轟かす  作者: 唯
第一章 死亡。そして、はじめてのいせかい。
16/28

初邂逅

とりあえず区切れたのでここで更新します

 扉が開いた、そんな感覚があった。その先にいるのははっきりとは見えないけども、これまで見た事も無い黒いオーラが見える、それ程の強者たちである事が分かる。それだけの領域(せかい)に、僅かながら踏み込んだ事、所謂『人外』の域を一歩歩き出した事をどこかで理解した。

 「―――っ!」

背中を寒気が駆け抜けた。思わず怯みかける。


 けども、もう、振り返らない。そう決めたんだ!

 その叫びに呼応するように、世界が再び動き出す。


 景色が戻ったその時、視界に入るのは敵の背中だけ。余計な音や思考がカットされ、最適な形で術を練っていく。あの辛さも消え、一切の無駄が無い状態で、術が出来上がっていく。


 「お前は言った。『俺』をガキだと。お前は言った。諦めろと。お前は言った。『俺』には覚悟が無いと。その通りだ、俺はガキだ。諦めが悪いガキだ。今だって全ての覚悟は決まっていない。まだ世界を知らない俺には、まだどれだけの覚悟をするべきかなど分からない。だけど、いや、だからこそ俺は決めた。絶対に諦める事だけはしないと。最後まで、足掻いてみせると」


 それは詠唱では無いが、確かに術に入っていく感じがした。これが、感情を、言葉を編み込む、という事なのか。薄らとそう理解しつつ、術が完成間近まで達しているのを感じた。


 「俺は、諦めない。涼も未来も、絶対に辿り着いてみせる、勝ち取ってみせる」


 そして、完成した。

最後に、もう一度だけ深呼吸して、それを確認する。。

 「出来た...」

 さあ、行こう。


 最後の術と、待機状態だった先程の二つを起動。そして、

 「よっ!」

 思いっ切り背を蹴り、跳び上がる。勿論、『ゼログラビティ』によるサポートも忘れない。

 そして再びかなりの高度まで到達した頃、遥か下方の岩狼の体を覆うように、いくつかの魔法陣が展開する。

 赤い魔法陣と、紫色の魔法陣が二つだ。紫色の方からは『ゼログラビティ』と『テラグラビティ』の魔力が狼の体内に流れ込み、そこで混ざる。それらは今は落ち着いているが、あるきっかけ一つで暴れ出す。そしてそれは既に動き出している。


 赤い魔法陣が強く光を放ち、岩狼を覆い尽くす程の大火球が出来、それは狼の岩すらも焼きながら収縮する。

 「ガアアアァァァッ」

 極限まで収縮して、とうとう核と並ぶまでに小さくなった火球は、しかし凶悪なまでの威力を秘めているのが目に見えて分かる程だ。


 「行け」

 一拍の、間を置いて。



 光が、世界を覆った。








 世界に再び色が戻った時、狼は消えていた。それを確認したあと、『ゼログラビティ』を切って落ちて行く。

 狼がいた辺りは巨大なクレーターになっていて、爆心から半径100メートル程の範囲にあった木々は根本から折れて吹き飛び、その外側の木も折れているのが殆ど。あの爆発がどれだけのものだったかなど、これ以上の説明は必要ないだろう、そう思える程の惨状だった。

着地の衝撃を『ゼログラビティ 』で緩め、辺りをみまわ...

 「っっ!」

 本能に従い、右側に思いっ切り跳ぶ。

 瞬間、先程までいた場所は謎の攻撃によって切り刻まれた。

 (切り刻まれた...けど、その斬撃には色が無かった。さらに、飛んでくる時も一切の音が無かった。切り刻まれた場所にも、なんらかの属性の影響を受けた感じは無い。だとすれば剣でもって斬撃を飛ばしたのか、何らかの術を使ったのか。ただ斬撃の感じは剣を振って飛ばした物だとすれば全長が短すぎる、そうなるとこれは何かの術による物だという事になるのだが、色も音も無く、あれだけの速度で連射出来る術となると)


 「風属性の術か?」

 とりあえず適当な方向に問いかけてみる。すると後ろの方から何かが地面に降り立った音が聞こえた。


 「良く分かったな。そうだ、あれは風魔術だ。そして、お前。








俺ら『魔族』に加わらないか?」

字数が伸びない......。

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