鉄の錬成
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「うーん。いや、でもなあ。そもそもこれで魔力が足りるのか? 大分大きな魔法陣になると思うんだけど……。鉄を生み出す魔法って言ってもな。ここまで大きな魔法陣が必要になると、普通の人で10gくらいが関の山じゃないか? まあ、それくらいで良いのかな? そうじゃないと鉱山の意味がなくなるか。それでも、毎日10gでも出せば、毎年3.6㎏は出せるわけで。それは結構な量になるんじゃないかな。うーん。もうちょっと改良をしてみるか? いやまあ、当面の間は、これで良いか。私が鉄を出すと、ちょっと不味い事になるから、私は金の方を作るとしてだよなあ。まあ、これでとりあえずは運用してもらうか。効率のいい魔法陣が出来れば、それを使ってもらえば良いんだし、とりあえずは急ごしらえで悪いけど、効率の悪い魔法陣を使ってもらうか」
現在、鉄を錬成する魔法陣を開発中である。まあ、個人でやる分には問題ないと思うんだよなあ。価格破壊になるような事は無いと思うんだよ。鉄を魔法で出すのは非常に効率が悪い。平民の普通の魔力量だと、10gがやっとだ。それでも、鉄は鉄だ。売れないことはないとは思う。まあ、殆ど砂鉄レベルの物でしかない訳だけど。一応10gでも、一塊になる様には作ったぞ? それを木の箱にでも詰めていけば、それなりの金にはなるんだろうし。お小遣い稼ぎには丁度いいよなって思うんだよ。これも寒村から抜け出す策だ。
普通に他の村ではやっているんじゃないかな。こっちに知らされていないだけで。ある程度は魔法を改良したり、便利に使っていると思う。そうじゃないと寒村から抜け出せないと思うんだよなあ。向こうには耕作機械がありますって言われたら、そりゃあ人力では勝てないねって話にはなるんだろうけど、良くても馬が居るか、牛がいるかの違いでしかないと思うんだよな。それでも大きく違うとは思うけど。牛が居るだけでも人力の10倍近くは違うとは思うんだよ。まあ、それを維持するにはかなりの維持費が必要になると思うんだけど。それを捻出するには、どう考えても、何かしらの特産品が無ければ無理だ。それなりの金額を集めようと思うと、特殊な何かをしないといけないとは思うんだよな。
それが何なのかは解らない。解らないけど、こうやって鉄をちまちま貯めて、売ると言う事でもしないと、収入は増えないと思う訳だ。そもそも魔力は眠れば回復するんだから、毎日全部使い切った方が得なのである。それを考えると、鉄でも作った方が儲かるよねって事になる。鉄よりも儲かるものがあれば話は別になるんだが、金属の方が価値があるよな? 流石に農作物を作る訳にはいかないし。作ったとしても、美味しいのかどうかも解らない。食べられるものが出来るのかも解らないんだよな。それは飢餓が来た時の最後の手段って事にしないといけないとは思う。
なんだかんだと内職は必要だと思うんだよ。それが鉄の錬成で良いのかって話なんだよなあ。商人に聞いてみないと解らないことが多すぎる。だというのに、商人が来る回数が少なすぎるんだ。季節に1回しか来ない。計4回である。そんな馬鹿な。流石の寒村。何もないと思われていると言う事である。これからは違うって事を見せつけないといけない訳だ。最低でも月に1度は来て欲しい。そういう商人が居てくれても良いと思うんだよな。利益さえあれば、商人だってこっちにやってくるんだ。利益を与えてやらないといけないと思う。
「そんな訳で、鉄を作る魔法陣を作ってみたんだけど、とりあえず、実験で私は使ってみた。鉄は出来たんだけど、父さんでどの位の鉄が出来そう?」
「父さんでか? まあ、魔力は余っているからやってみるが……」
そんな訳で、やって貰うと、パチンコ玉程度の鉄が出来上がった。……まあ、そうなるよな。そうなると思っていた。
「お? 案外できるもんだな。これなら売れるんじゃないか?」
「そうね。これなら皆が毎日魔法陣を使えば、結構なお金になるんじゃないかしら?」
「だよな! これは凄い魔法陣だぞ! こんなに簡単に鉄が出来るんだからな!」
「うーん。でも、効率が良くないと思うんだよね……。まだまだ出せそうな気がするんだけど、いい案が思い付かないんだよ。もっといい案があれば良いんだけど……」
「いやいや、贅沢を言っちゃあいけねえ。鉄が出せるってだけでも大事だからな。これも皆に広めても良いのか?」
「まあ、毎日の余った魔力の使い道って感じだけどね。多少は売れるものになるんじゃないかなとは思うけど、もうちょっと研究はしてみるよ。いつも水やりと草抜きしかしてない訳だし、時間はまだまだあるからさ」
「そうか? 無理するんじゃねえぞ? 遊びたいなら遊んでも良いんだからな?」
「いいよ。遊んでたらお腹が減って来るし。それに、今年は父さんたちが大工仕事をしているから、皆畑を作っているんだよ。ちょっとでも食べるものが欲しいってさ」
「そうか。それなら良いんだが」
まあ、遊ぼうと思ったら遊べる。それはそうなんだけど、それよりも、魔法の研究をしたい。その方が楽しいからだ。楽しい事は良い事だ。魔法の勉強にもなるし、効率のいい魔法の使用は、農村を豊かにしてくれる。良い事しかないからな。魔法をどんどんと使って、この寒村を発展させていくのだ。よくある話ではないか。村を元気にしないと、領地が活性化しないと。そういう物語は山のようにあるだろう? それを現実にしているだけなんだ。
「まあ、そもそも原因が私だからね。原因が遊んでいる訳にもいかないでしょ。ちゃんと食べられるものを用意しないといけないとは思っているよ。……それに、肥溜めの処理は私はやっていないしね。それも皆でやらないといけない仕事なんでしょ?」
「まあ、そうだがな? 正直、お前の頭を遊ばせておくのは惜しいんだ。父さんや母さんよりも、お前の方が賢いと思っている。だから自由にやらせているし、困ったことがあったら言って来い。父さんでは役に立たないかもしれないが、村の誰かは助けてくれるだろう」
「そうね。畑が大きくなったのも、フレイルのお陰だもの。皆褒めてくれているのよ?」
「認めて貰えるのは有難いけどね。出来る事しか出来ないんだし」
「そうだ。出来ることをやればいい。だが、無茶をするんじゃないぞ?」
「そうよ? 無茶はいけないわ」
「それは解っているつもりだけど」
無茶をしないという選択肢は、無かったりする。多少の無茶はしても問題なかろうよ。まあ、無茶できることの方が少ないんだけどな。そもそもどうしていいのかが解らない事も多くあるんだから。ただまあ、その恩恵として、肥溜めの世話をしないでも済むのは有難いとは思うけど。あれって結構危ないんだよなあ。ちゃんと機能していると、高温になって危ないんだよ。そういう反応が出てこないと、肥料としては使えないんだけどさ。その手の処理は、今は三男が行っている。その分、畑の世話は少な目って感じなんだけど。どっちが良いのかって所だよな。普通なら肥溜めの処理の方が面倒で嫌だとは思うけど。
まあ、為になることをしよう。村に恩恵のあることをしようと思う。色々としないといけないことがある中で、ある意味特権でやらせてもらっているんだから。ただ、肥も麦の分しか無いんだよな。いや、今年からは麦の分すら無くなったのか。そこまで糞尿が貯まる訳ではないからな。そんなに人口も居ないんだし、各家庭の肥溜めなんて、そこまで大きなものではないんだよ。早く実験している肥料の結果が出ないものか。