肥料の配合と金属
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「それじゃあ、麦の種は蒔き終えたんだね? じゃあ野菜の種を蒔くことになるんだよね? 私も使いたいんだけど、どれか使っても良い種はあるの?」
「フレイルが畑を作るの? 良いけど、野菜の世話はちゃんとしないといけないわよ? 皆と遊ぶ時間が無くなると思うけど……」
「皆と遊ぶと、お腹が空くから、畑仕事をしたいかな。それに、色々と実験しないといけないし」
「そう? じゃあマトマとカラカコシなんてどうかしら?」
「どんな野菜なの?」
「マトマは赤い実を付ける野菜よ。これは沢山出来るから、食べ応えも良いし、長期的に食べることが出来るわね。それに、乾燥させることで長持ちするし、良い野菜だと思うわ。カラカコシは黄色いつぶつぶの野菜よ。1つの種から1本しか取らないわ。だから、摘果をしないといけないわね。手間がかかるけれど、フレイルも好きよね? その2つでどうかしら?」
「ああ、その2つね。それなら私でも作れると思う。多分だけど。でも、色々と実験はしたいから、結構広めに作ろうかな」
トマトとトウモロコシだな。今くらいから植えると、初夏には食べられる。トマトも脇芽をしっかりと取らないといけないし、トウモロコシはヤングコーンとして成熟する前に取らないといけないので、面倒ではある。が、美味しい野菜なのでこれが肥料の効果で大きく沢山実をつけられれば、かなりの成果になると思うんだよな。よし。まずは肥料の配合量を決めてしまうとするか。窒素、リン酸、カリウムの配合だけで良い。それ以外はちょっと配合が難し過ぎるからな。基本の3種だけで良いとは思う。魔力の関係もあるし、複雑な魔法陣は作れないしな。
個人用の畑と言う事で、とりあえず10aの畑を用意した。……麦は最終的に5haくらいにはなったんだよ。結構な量を作れると思うぞ。いつもの10倍くらいにはなっているはずだ。それが色んな家庭で起こっているんだから、食べるための麦が足りないのは仕方がない。けど、野菜に使う畑も、かなり広く作れるようになったんだよなあ。今までは10aでも広いって言われていた位なんだよ。秋野菜にはそのくらいはあるかなあって感じだったんだよね。
因みに父さんは大工仕事に行ってしまって、今回は畑がない。母さんが50a、長男と次男で30a、長女と次女と三男で20aの管理を行う。俺の実験農場を含めないで1haの野菜畑が作られることになるんだけど、母さんは20aくらいはキール芋を育てるらしい。まあ、端的に言えば、サツマイモだな。秋まで割と手間がかかる。雑草は取らないといけないから、面倒ではあるんだけど、かなりの収穫量を見込めるので、キール芋は育てて貰わないと、農具の更新が出来ないんだよな。
「そして、肥料の配合を考えて、とりあえず60種類は作ったから、これで畑を180に分けて、肥料の量を考えないといけない。肥料を1回、2回、3回に分けて与えるとして、どの配合が一番よく収穫できるのかのデータを取らないといけない訳だ。出来るかぎりの条件を同じにしないといけない訳なんだけど、難しいか? いや、やらないと実験にならない。必死になってやらないと。農家になるんだったら、この位はしないといけないんだし」
大体実験場所1つに付き、畳2枚くらい。1坪だな。まあ、大体だけど。マトマとカラカコシを作るんだから、180を更に2分割するからな。これでも結構な場所を取る訳で。10aの畑って広いんだぞ? 単純に考えて、10m×100mなんだから。母さんはこの5倍は1人で面倒を見るんだから、私だってこの位はやらないといけない。まあ、肥料の関係で、色々と問題が出てくるとは思うけどな。始めから全部が上手くいくとは思っていない。まあ、失敗する場所も多くあるとは思う。最低限の実は取れるとは思うが、配合は基本的に間違えない様にしなければならないとは思っている。
そんな訳で、全部の種を均等に植えて、肥料の配合比を記した看板を立てた。……ちょこっと挿すだけの簡単な看板だけどな。明日からは毎日水やりだ。水を与えすぎても、マトマなんかは美味しくならないんだけど、今回は肥料の実験だから。魔法陣をこねくり回して肥料の配合の分だけ魔法陣を作った。後は肥料を与える時に、全部に同じだけ肥料を与えないといけないだろうな。そうじゃないと比較実験の意味がないし。
後は毎日の水やりと、雑草処理をするだけだな。雑草処理が終わったら、すぐさま魔法陣を作って、新しい魔法の開発をしないといけない。今度はある程度金になるものを作らないといけないと思う。魔力を毎日使い切るくらいの勢いで問題ないと思うんだよな。それくらい魔法を使い倒せば良いとは思うんだよ。魔力量にものを言わせて、ガンガンと何かを作った方が良いとは思う。だけど、何にしようかな? 何ならある程度の値段で売れるんだろう?
「魔法で作る物質は消えない。つまりは、土属性魔法は錬金術と言っても過言ではない。と言う事は、金を作るのが正解か? ……流石に魔力量が幾らあっても足りないって事になるような気がするけど……。金か。作れないことはないよな。何に使うのかって言われたら、解らないけど。貴族が挙って手に入れようとするくらいか? それとも、金貨を作る材料に欲しいとか? そもそも通貨を見たことがない。金貨なんて農村には無いだろうしなあ。良くても銀貨が村長の所にあるかどうかって所じゃないのかな。基本は銅貨とかを使っているような気がする」
そんな訳で、両親に聞いてみた。まずはお金って何処にあるんだって事で。
「金か? 金なら母さんに預けてあるぞ? 基本的には農具を買い換える時に使うからな。鉄が無いと、農具が作れない。鋏なんかも必要だからな」
「そうね。お金は母さんが預かっているわ。何か欲しい物があるの?」
「いや、そうじゃなくて、お金ってどうやって数えるのって聞きたかったんだよ」
「ああ、そう言う事か。お金はな。鉄貨、銅貨、銀貨ってのがある。まあ、商人から聞いた話によれば、金貨ってのと、白金貨ってのもあるらしい。まあ、俺は銅貨までしか見たことがない」
「お金はマトンっていうの。鉄貨が100枚で銅貨が1枚になるわね。だから農具が欲しくてって言われると、鋏が200マトン程度で、鍬が1300マトンくらいになるわね。作るのには鍛冶場が必要だから、町で作っている筈よ?」
「なるほどね。じゃあ、金って売れるのかな?」
「金? 金貨の金か? まあ、売れるんじゃないか?」
「そうねえ? ちょっと解らないわね。商人さんに聞いてみたら? 夏にはやってくるから、その時に聞いてみたらどうかしら?」
「うん。聞いてみるよ」
なるほどなるほど。最小単位は鉄貨か。なら、同量の鉄と同じくらいの価値があると考えてもいいのかもしれない。それなら、魔力の多くない人には鉄を生産してもらって、私みたいに魔力が多い人は金を生産すれば、商人に売れるんじゃないか? 多分だけど。売り物があるってなると、商人が来る回数も増えるんだろうし、良い事なんじゃないかな。これからは野菜も多く作られる。それの売り場所が必要になってくる。商人には来て貰う方が良いな。それの呼び水に、金属を売るというのは、悪い事ではないはずだ。
多分だけど、他の村も同じような内職をやっているはずだ。そうじゃないと寒村からの脱出が無理だからだ。農家だけではやっていけない。……まあ、狩人は居るんだけど、偶にのお肉は良いものだ。回ってくることは少ないけど、肉は良い。ジビエだから、味は察して欲しい所ではあるけど。