面接
OFUSE始めました。
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「それで、中央に行って何がやりたいのか、聞かせてくれるかね?」
「中央に行ってやりたいことは、魔力とは何かという研究をしたいですね。魔力とは何か、魔法とは何か。それの真理を求めたい。ありとあらゆる事象の全てを魔法に落とし込めるのであれば、魔力は全てを解決する事になる。それの研究をしたいですね」
「……どう見るかね? 我々の所では面倒を見切れないとは思うが」
「こちらでも無理ですな。そもそも研究の内容が曖昧過ぎる」
「攻撃魔法こそが全てだというのが解っていないなら、こちらでも面倒は見切れないですな」
「では、我々の所で面倒をみましょうか。研究を自由にやりたいという意志を感じました。それなら我々の理念と合致すると思う」
「そうなのか? まあ、そっちがそれでいいなら構わないが。こっちでは面倒を見切れない」
現在、中央の技師が5人集まって面接をしている所だ。今回の話では、研究内容が合致すれば、引き受けてくれる研究室が集まっての面接らしい。と言う事は、最低でも5つの研究室があることになる訳だ。それ以上にもあるにはあるんだろうが、ここには来ていないと言う事だし、面倒を見る気はないと言う事なんだろう。それで、中央で何をやりたいのかと聞かれたのが今だ。中央でやりたいことは決まっている。まあ、それは簡単に説明した通りなんだけど、どうやら面倒を見てくれるところは1つしかないらしい。自由に研究をやらせてもらえるのであればいいんだけど、それで良さそうな所が1つしかないのは厳しいな。
「さて、魔力とは何か、という漠然とした問いを研究したいと言う事だが、何か成果は上がっているのかね? 何も成果無しでは少しばかり考えないといけないとは思うんだが……」
「成果ですか。……そうですね。既に魔力が何に宿るのかまでは突き止めています。その物質に宿ること、人体にもその物質が構成要素としてあること、それについては研究が終わっています。なので、今後の話ですが、人体にその物質を取り込んで、現状の魔力量を増やす研究もしてみたいですね。私は人よりも魔力量が多いとは言われていますが、それでもまだ足りないと思っている訳です。それの実験も兼ねて、研究室でネズミを飼いたいとは思っていますね。人体に影響を及ぼすわけですから、それの安全性を考えると、別の動物で実験を行った方がいいと判断しました。なので、それらの許可も貰いたいですね」
「待て! 魔力を増やすだと!?」
「それはどう言う事なのだ!?」
「まあまあ、皆さん。面倒を見るのは我々なのですから、我々が聞き出しましょう」
「魔力を増やす研究なら、こちらでも面倒を見られるぞ?」
「そうですね。魔力を増やせるのであれば、こっちも欲しい人材だ」
「いえいえ、始めに判断したではないですか。我々が交渉権を持ったのですから、割り込みはいけませんよ」
「っく! しくじったか……」
「仕方がない、か」
「それで、魔力を増やすと簡単に言いますが、どの程度の事を考えていますか?」
「そうですね……。出来るなら、既存の魔法であれば、1日中使っても魔力が切れない、使った以上に回復するまでにはしたいと思っていますね。まあ、そこまでやると、体組織とのバランスが悪くなるので、短命になる可能性もあるのですが、そこは研究次第ですね。負担が少ない様に、体内に埋め込むことが出来るのであれば、魔法をかなり使っても問題無い様にはなるとは思います。もっとも、そもそもその物質を持って魔法を行使した場合、物質に宿る魔力も使えますので、体内に埋め込まなければならないという訳ではないのですが。魔力を使いたいのであれば、その物質を持っているだけでも、魔力を外部から供給できるようにはなりますね。なので、体に埋め込めないのであれば、外部から供給できるようにしてしまえば良い訳です。それについては、研究が終わっているので、直ぐにでも自分の魔力量を超えた魔法の行使は出来るかとは思います。……もっとも、その物質は特殊な物質ですので、扱いは厳重にして欲しい所ではありますが」
まあ、ただの水酸化ルビジウムなんだがな。ただ、安定しているとは必ずしも言えない。ふとした瞬間に化学反応が起こってもおかしくない。……現にルビジウムを単体で作った時には、空気と反応してしまったからな。更に水とも反応したらしく、結局は水酸化ルビジウムで安定しただけなんだが。1族だから、注意はしないといけないと思っていたが、ここまで簡単に反応するのは予想外だった。それなら油を用意しておいた方が良かったとは思う。……水と反応して水素まで出てきてしまっていたからな。大量に作り出していたら、水素爆発で死んでいた可能性もある。取扱注意なのはそうなのだ。ルビジウムに関して、専門的な知識を持っている訳でもないからな。科学者が全ての元素に詳しいというのは違う。それぞれに専門分野があるのだよ。私の場合は、そもそも化学の方の知識は薄い。分野としては物理の方が専門だからな。それ故に、次元の壁を超える研究をしていた訳なんだが。
「……なるほど。既にその様な物質を手にしていると言う事なのですね。それはこの町からの産出する物質なのですか?」
「いえ。魔法で作り出した物質です。なので、天然のものについては、何処で取れるのかというのは解らないですね」
「魔法で物質を作り出した……。なるほど。土属性魔法を使った訳ですか。鉄が作れるのだから、そういった物質を作りだせてもおかしくは無いでしょうね。しかし、鉄の作り方は公開されていないはずですが?」
「そちらに関しては自分で作りました。ある程度の物質であれば、魔法陣を作って自分で生成できますので」
「……既にその域まで達してしまっているのですか。こんな片田舎に押し込んでおくのは惜しいですね。やはり、こちらで面倒をみましょう」
「それでなんですが、実験や研究は自由にしてもいいんですか? 何かしらのノルマがあるようなら、中央行きは止めようかなとは思っているんですが」
「ええ、自由に研究してもらっても構いませんよ。他の研究室とは違って、ノルマはありませんからね。資料も閲覧自由となっています。ただ、数年に1度の研究内容の発表は行ってもらいます。予算に関わってくる事ですからね。報告は必要になりますよ?」
「それくらいなら構いません。それでは、その研究室に厄介になればいいんですか?」
「そうなりますね。エドレンドラ研究室が引き取りましょう。それでよろしいか?」
「……仕方がない。だが、研究結果はこちらでも使わせて欲しい」
「ですね。外部に魔力を保存できるのは有難いですからね」
「それはお約束しましょう。ですが、まずは我々の研究室が最優先です。いいですよね?」
「それは仕方がない」
「だな」
面接はこんな感じで終わった。まあ、軍事的にも利用できるだろうからな。最強の魔法は作ってあるが、それは公開しない。あんな不安定な兵器を公開して堪るかって言う話だからな。最強ではあるが、扱いをミスれば、発動者すら死んでしまう。それだけの爆発を起こすものなのだから。安易に公開しても良いものではない。まあ、死蔵する事は決まっているんだがな。非人道的な魔法を公開してしまって、犠牲者が多くなっても仕方がないからな。魔法の研究をやりたいだけなんだから、兵器の研究はする必要がない。魔力とは何か、それをしっかりと研究をしてやろう。恩恵があるのかどうかは知らないが、研究室にも知識は還元するつもりでは居るけどな。




