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狂おしいほど好きなこの世界  作者: ルケア


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試験終了

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 解読は思いのほか早く進み、普通に春の種蒔きまでには終わってしまった。内容もそこまで難しい物ではなく、単純なものだったため、半分以上は汎用的な文字で代用が出来てしまった。


「……案外楽だったな。本当にこれで良いのか?」


「仕方がないだろう? 本当にこれでいいのかは向こうの判断だ。まさかこうまでして技術書を送り付けてこないとは思わなかったが」


「詩集に雑誌にってなあ。読む方もこれでいいのかって話になって来るわ」


「でも、案外こういう書物ばかりだったりするんですかね? 読めないというか、読む気が起きないものを送り付けて来ていた可能性も出てきたとは思うんですが。ここまで読めているのであれば、素直に全部読んだ方がいいとは思う訳ですけど」


「でしょうね。さっと読んだ感じで、技術書じゃないと思ったものについては、定期的にこちらに売られているんでしょうね。技術書があっただけマシなのかしら?」


「だろう。多分だが、多少の餌が無いと駄目だと思ったんじゃないか? まあ、そもそも読めないと思って送り付けているんだろうが」


 その疑惑は深まったな。送り付けている書物の大半は読めてしまったが、内容が内容のために、こっちに送り付けても害が出ないだろうと思って売り出したんだろうな。そっちで読めよとは思わなくもないが、ある程度読める内容のものであれば、読めたという報告を受けても、検証が簡単だとでも思っているのかもしれない。まあ、これで試験は終了した訳なんだけどな。これをもって、ロジエラ商会に答えを持っていってもらって添削してもらうと。その結果次第で、色々と起きると思う訳なんだけど、何が起きるのかは解らない。これが早いのかどうかも解らないからな。遅いとは思わないが、特別早い訳でもないとは思う。思ったよりも早く済んだのは良かったが、こればかりは中央の人たちがどう考えるのかなんだよな。こっちとしては、出来るだけの事はやったつもりである。出来れば結果は良い方がいいんだけどな。


 それはそれとして、他にも研究していることがあるので、今後はそちらにかかりきりになる予定なんだよ。試験が終わったんだから、魔力とは何かの研究を続けなければならない。魔力の真の意味を理解しなければならないとは思っている。その結果、魔力の何たるかが解って、三次元へのアプローチが可能になれば、最高の結果になる訳なんだが。ここからは独自の開発になるため、皆には内緒だ。というか、皆も内緒にしていることの1つや2つはあるんだよ。言えないような事もあるとは思う。それを披露して、中央へと行きたいと思っているんだろうからな。私だって隠し事の1つや2つあってもいいとは思うのだよ。別段悪い事をしている訳ではないからな。まあ、悪い事も出来ると言えば出来るのだが。しても無意味な事をやるつもりはない。ただひたすらに、魔力の研究をすればいいだけの話だ。


「で? 皆は中央へ行くための準備は出来ているの?」


「勿論、とは言いたいが、まだまだ研究の途中なんだよな。流石に完成するかどうかは解らない。準備はしてきているが、それが間に合うとは思えないんだよなあ」


「こっちも時間が足りないわね。研究をしていることはあるけど、1年ではものに出来なかったわね。悔しいけど、途中経過で何とか滑りこめればって感じかしら?」


「僕もまだまだなんだよね。準備が出来ているとは言えないかな」


「皆さんその様な感じなんですか。まあ、私もまだまだ研究が足りませんけど」


「フレイルはいいじゃん? 農業系の魔法があるんだし。それだけでも実績にはなると思うぞ?」


「そうね。それだけでも十分ね。こっちは何処までを評価してくれるのかは解らないわね」


 まあ、農業系の魔法の方で中央に行きたいわけではないんだけどな。魔力の研究で中央に行きたいわけだし。出来れば、魔力量も今よりも増やす研究とか、後付けで何とか魔力を増やす魔法なんかも作りたいとは思うんだよな。……ルビジウムとは解ったが、ルビジウムを何処にどのように配置すれば良いのかが解らないからな。現在は、ルビジウムは体内に含まれるが、なんの効果があるのかが解っていないのだ。まずはそれから調べる必要があるとは思うのだがな。途方もない研究になるとは思う。それを実現できれば、それはもう素晴らしい結果になるとは思うのだが、下手をすれば魔法兵を増やすだけに留まるかもしれない。研究の成果は出せばいいという訳ではないのだよ。今後の使われ方も考えないといけないとは思っている。とはいっても、やり過ぎれば死ぬだけなのだが。体のバランスを崩していくのだから、人間としては死ぬ可能性もある。始めは実験動物から始める必要があるとは思うが、そもそもそういった動物での実験を行っているのかどうかも解らない。とりあえず、繁殖が簡単なマウスで良いのだが、それも手に入るのかどうかだな。


「でも、中央に行きたいのは皆同じなんだろうし、何とか頑張らないといけないかな。こればかりは自分の研究だし、流石に相談できないけど」


「だな。ただ、フレイルは中央に行きたいわけじゃないって言ってなかったか?」


「そうですね。行きたいわけではないですが、研究の環境とかが揃うのであれば、行きたいって感じですね。どうなるのかは解らないですけど、今よりも環境が悪くなるようならいかないでしょうね」


「一番中央に近い奴が、一番行きたいとは思ってないってのがな。ままならないよな」


「そうね。でも、いいんじゃないかしら? 必ずしも中央がいい環境であるのかは解らないんだし」


 行ってみて、初めて解ることもあるとは思うが、現環境よりも悪くなるようなら辞退も考えているんだよ。今の環境は、資料の事に目を瞑れば、そこまで悪い環境ではない。だから、無理に中央に行く必要も無いんだよな。資料が読み放題になるのは確かに有難いんだけど、研究内容を否定されたり、研究自体を認めないとなっては、話が変わってくるからな。その辺りは敏感にならないといけないとは思っている。とにかく、中央に行きたいと思っている訳ではないと言う事が解って貰えればいいとは思うが。……成果としては十分なんだろうが、やりたいことと違う事をするのはな。それは私の心情にも関わってくる事だ。魔力のなにがしかを見極めることに主眼を置いた研究をさせてくれなければ、中央と言えど、断るしかないとは思っている。


「でもまあ、まずは試験の内容次第だしね。夢物語で終わる可能性もあるんだし、気楽に構えた方がいいとは思うけど。無理だって言われたら無理だしね」


「それはそうなんだけどね。諦められないじゃない? ここで腐って辞めていった奴らも居るんだし。ここに残ったって事は、そう言う事でしょ?」


「違いないな。そもそも俺は中央に行きたくて技師になったんだからな」


 水を差すことはしない。中央に憧れがあるのは解る話だ。読めない文字が少ない所に行った方が、色々と出来ることはあるだろう。だが、それで良いのかと言う事もあるんだよな。やはり、自由が無ければ、研究する意味も無くなるだろうし。結局はそこに行きつくんだろうとは思う。自由の無い環境で、締め付けられて研究をしたところで、実は結ばない。自由にやらせてもらえるからこそ、結果がついてくるのだ。約束された結果などは必要ない。想定外こそが真の研究だろう。全てが想定通りに進むのは、それはもはや実験の域だからな。研究では無いのだよ。

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― 新着の感想 ―
本は読める単語を増やす役には立ったろうな ルビジウムは魔道具作りの役にはたつだろう 1話でアインシュタインといってるし、現代に近い世界から転生したんだろうし 魔力を貯めて使うなら必要な魔力が多く使え…
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