農村の成果
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「素晴らしい成果だとは思わんかね? 今年の税収が集められたが、それ以上に収穫物が農村に残っているのだ。これで寒村は脱しただろう。……各所で狩人が足りないという報告も出てきているくらいだからな。農村が活性化してきた分、害獣も多く出てきているようだ。それについては今後に期待をしなければならないだろう。村の人口が増えていけば、自ずと狩人の成り手も増える。今は何とか現状を維持してもらい、順次村を拡張していけば良いだろう。お前の成果だ。これは誇れることでもあるのだぞ?」
「あれだけの魔法を使える様になれば、それはまあ、そうなるだろうとしか言えませんね。技師として、役に立ったのであれば、嬉しく思います。出来れば、王都との取引を成功させてくれると有難いのですが、そちらの方はどうなのですか?」
「ああ、王都の方か。ロジエラ商会に依頼をして文書を届けて貰った。それで見返りに新しい書物を送ってもらえるようにはしている。まあ、向こうでは既に解読された内容らしいが。本当に解読できるのかの試しらしい。それが5冊来るそうだ。それを解読できたら初めて、対等な関係であると認識されると言う事になる。勿論だが、王都の方が研究は進んでいる。それは確かな事なのだ。それを追い抜くことが出来れば、まず向こうからの引き抜きがあるだろうな。こちらの技師のレベルの高さが解るだろうし、既に魔法も開発できているとなっては、向こうも放置は出来ないだろう。まあ、全員が引き抜かれても困るのだが、ある程度は仕方がないとは思っている」
「……なるほど。既に解読が出来ているものを、どれだけ読み解けるかの試験ですか。それなら急いだ方が良いのでしょうね。読み解ける早さも競う必要があるでしょうから。余りにも遅すぎると、それはそれで資格なしと思われそうだ。それはそれで癪に障ることになるでしょうね。解りました。全力を尽くして、読み解いて見せましょう」
解読済みの書物を寄こすと言う事は、そう言う事なのだろうな。こちらの実力を量りに来たと、そう言う事だ。この結果次第では、色々と面倒な事が起きるかもしれない。出来ればいい方向に着地させてしまいたいとは思うのだが、どういう結果を望んでいるのかだよな。まずはそこからすり合わせないといけないだろう。今日は私の魔法のお陰で、農村が活性化してきたという報告を受けてきた訳なんだが、技師長でもあるメイダリアから話があるのだろうな。それまでは黙っておいた方がいいとは思う。先に話を聞いていたとなっては、技師長の面目もあるだろうからな。聞いていなかったと言う事にした方がいいとは思う。まあ、知っていても別に構わないとは思うのだが、一応な。それくらいの気遣いは出来る様にしておいた方が良いからな。
さて、農村の活性化が見えてきた。それはとてもいい事だし、今後はもっと活性化をしていってもらわないと困る訳だ。農村を大きくしていってもらわないと困る。基本的に食料事情が解決しない事には、人口は増えないからな。食料自給率は維持しなければ、人口は増えない。当然の事ではあるのだが、これが解らない人が多いのだ。当たり前の話として受け取って貰えるのかどうかなのだよ。政治家連中でも解らないという奴は居るからな。人口が増えるには、食料が足りないと意味がない。そういった基本的な事が解っていないと、問題は更に大きくなっていくのだよ。
食料自給率を語るうえで、何をもって食料自給率とするのかという議論が日本国内ではあったのだが、普通はそんな事は考えないのだよ。通常であれば、金額ベースで食料自給率を考えるのが普通なのだ。日本はカロリーベースで食料自給率を計っていたのだが。それが間違いだとは言わないが、正解でも無いのだよ。そもそもの話、食料自給率というのは、カロリーベースで考えた時、必ず100%を超えているのが前提なのだ。そうでなければ、国民が飢えることに繋がる。人口の維持に必要なカロリーを生産できなければ、そもそも餓死者が出るのだ。だから、カロリーベースで考えた時、食料自給率が100%を超えていないのは、国としての在り方が間違っていると言う事になる。外部からの食料に頼り過ぎているのだ。物流が死んだとき、確実に餓死者が出てくると言う事でもある。普通はカロリーベースの食料自給率は100%を超えている状態なのだ。それが達成できていない時点で、国の政策が間違っていると言えるのだよ。
では、金額ベースで食料自給率を計るのは何故なのかというと、貧困層でも生きていけるのかの指標となるのだ。金額ベースで食料自給率が100%を超えないと、幾らカロリーでは100%を超えていても、食料が手に入らなければ意味がない。生産しても、高すぎれば購入できないからな。故に、何処の国でも食料自給率を表すときは金額ベースで語るのだ。食料があっても、購入できなければ意味がない。それもまた、内政が間違っていることを示しているからだな。まあ、カロリーベースで語らなければならないよりは健全ではあるのだが。国として、カロリーベースの食料自給率を満たすことは当然の話であって、それが満たされていない状態を維持しているのは端的に言って、政治家が無能過ぎるのだよ。食料自給率の何たるかも解っていない状況だと言う事だからな。生物は食べ物が無ければ死んでしまう。それすらも解っていないのだよ。
この世界でも同じだ。まずは食料の確保を優先しなければならない。そうしなければ、人口は増えないからな。人口が増えないと、発展も見込めない。全ては人口が無ければ話にならないのだよ。人口が少なければ、天才が生まれてくる可能性も低くなる。1人の天才が技術革新を起こすことは、不可能ではないのだ。故に天才と言われるのだからな。しかも、天才を発掘するには、教育機関も必要となる。それだけの文明レベルに達しなければならないのだ。難しい事ではあるが、まずはそういったところから成し遂げていかなければならない。凡人が1万人集まるよりも、天才1人の方が文明としては進化する。それが当たり前の事のように伝わっていかなければならない。そういった土壌を作るのが、私たちの仕事だ。天才を放置しないことが、国の発展に資するのだよ。
まあ、そんな事が解っている貴族家は少ないとは思うがな。それが解っていれば、寒村なんて放置している訳がないのだから。もっと教育にも力を入れるべきだろうとは思う。天才が何も成さないまま、死んでいくのは未来の損失だ。天才には自分の出来る範囲の事をやって貰わなければ困るのだよ。出来るだけ世界をひっかきまわしてもらいたいものなのだ。それが出来るのが天才だからな。出来る限りの事をやってのけ、世界の常識をひっくり返してもらいたいものだ。そういう役目は、私では無理だからな。私はあくまでも凡人だ。天才の道筋をなぞってきただけに過ぎない。それでは駄目なのだよ。本物の天才とは、もっと理不尽であり、災害のような物なのだから。世界を変革させるだけの力があるのだよ。私には到底真似できるものではない。世界の常識をひっくり返すことはできないのだ。それが出来るのであれば、そもそも私は技師として既に大成していなければならない。この都市で成果を残すことは出来るだろうが、それもここまでの話だ。本物であれば、都市の構造から変えてしまうものなのだよ。本物には憧れるが、なろうとは思わない。私では到底無理な領域だからな。




