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王都との取引

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 石鹸作りも上手く良き、解読もどんどんと進めていっている。……まともな書物が無いのが問題ではあるんだが。当たりは最初の方で出尽くしたのか、碌な書物を読めていない。読んでも読んでも意味が解らない書物なんてものもあり得る。理解が出来ないのだ。たぶんだが、本当に書きなぐっただけの書物もあり得ると言う事である。


 読めない書物が回ってきているんだから、当然の事ではあるんだが、攻撃魔法に関する書物は1つも当たらない。私はそれでも構わないのだが、当人たちは思う事があるようである。


「……こうも攻撃魔法に関する内容を外されると、中々に酷いものを感じるわね。本当に王都では読めている可能性があるわ。そうなってくると、伯爵家の戦力とは比べ物にならないくらいに強いはず。それでも勝ちに行こうとしないのだから、他国もそれくらいの力を持っていると思っているのかしら? 慢心は良くないかもしれないけど、ある程度の戦闘にはなると思うのよね」


「だよなあ。攻撃魔法の1つでも開発しないと、王都行きは無理だろうからな。まあ、王都へ行っても埋もれるだけだとは思うが。ここである程度の知識をつけたところで、って事になりかねん」


「そうだろうな。僕も王都へ行きたいって思っていたけど、ここの情勢を見ると、王都に行かなくても良いんじゃないかって思えてきたんだよ。ここでも十分に魔法の研究は出来るし、新しい魔法を作ることも出来る。それで良いんじゃないかってさ。必ずしも戦闘用の魔法を作らなくても良いんじゃないか。そう思えてきたんだよね」


「魔法の研究をするだけなら、ここでも十分だとは思うぞ? 私はそもそも魔法の研究がしたいから、王都行きはどうでもいいが。攻撃魔法も作ろうと思えば作れるが、作ったところでだ。戦争にしか使われないものを作っても仕方がない。それなら領地を発展させる魔法を作った方がマシだな。それなりの知識はあるし、研究費もちゃんと工面してくれれば、研究を何処でやろうが関係ない。それを評価してくれる人がちゃんと居ることが大切なのだ。研究をして、それに見合った評価を受ける。これで良いと私は思う。研究に対して不当な扱いを受けるくらいなら、ここで研究をして、農村を育てた方がマシだろうとは思う」


 魔法の研究がしたい。これは事実だ。だが、王都に行けば、攻撃魔法の研究が最優先されるはずだ。こうやってのんびりとした研究は出来ない。書物を読み解き、それを内政に活かす。それで十分ではないのかね? それで正当に評価されれば、満たされるのではないか。代官様がそれで評価をしないのであれば、話は変わってくるが、ここの代官であるダイアロン=ローレンディア様は、私たちを評価してくれている。それで良いのではないかと。そう思う訳だ。


 それらの結果の積み重ねが、国の基盤を変えるのであれば、それで良いと思う。確かに、読んだこともない書物が王都には多くあるのだろう。読み解ければ、莫大な利益を得られるだろう事は想像に難くない。だが、これでも地方都市は潤うのだよ。最悪は、ここリベリエルを拠点に独立も出来るだろうくらいには育つはずなのだ。それが出来ない訳ではないとは思う。そこまでやるつもりがあるのかどうかが問題なだけだ。やるつもりがあるのであれば、私は協力するつもりである。内戦くらいは勝たせてやれるとは思うぞ。攻撃魔法だってちゃんと用意してあるにはあるんだから。


 まあ、使ったら酷いことになるのは解り切っているのだが。なるべくは使わない方が良い。理論上は作れると言う事で作りはしたが、使わない事を願っているのだよ。首都を壊滅させることが出来るくらいの威力はあるはずだ。跡形も無く消し飛ばすくらいの威力はあるはずだ。それを使った兵器など、存在しないので、どうなるのかは未知数ではあるのだが。使わないに越したことはないと言う事なのだよ。


「でもよ。書物は欲しいぜ? 王都に行けなくても、ある程度の魔法は作れるだろうからな。何なら効率さえ考えなければ、何でも作れると思う。でもやっぱり書物が足りないんだよ。攻撃魔法だけじゃねえ。あらゆる知識が足りない。書物にはそれが書いてある。やっぱり独自に書物を入手できる方法を考えた方が良いんじゃねえか? そうしないと、後2年もしたら、読む書物が無くなるぞ? そうなったら詰みじゃねえか?」


「確かにその懸念はあるわよね。読みたい書物が無いって状況もそうなんだけど、そもそも読んでいない書物がないって事になるものね。新しい書物を王都の研究室に求めればくれるのかしら?」


「そこは代官様にお願いしないといけないんじゃないか? 流石に儂らでは交渉も出来んだろう」


「そうなるよなあ。代官様が何処まで動いてくれるのか。……いや、代官様は動いてくれるだろう。だが、王都が簡単に動くのかって話になってくるのか。写本を作るのもタダではないからな。面倒な作業をしなきゃならねえ。それをやってくれるのかなんだよな」


「とりあえずですが、こちらにとって無意味な書物の内容を記載した要約書を作らないといけないかと。まずは実績を見せないと、向こうを動かすことは出来ないと思いますね。私なら、この愚痴本を王都側に公開します。それの内容を見て貰って、新しい書物を寄こしてもらうって事にした方が良いと思うんですよね。なるべく無意味な本を向こうに渡せば、こっちの利益にもなるんですから。無意味な書物の解読をしたという実績の為に、向こうの研究者を動かせるわけですからね。そうして実績を積んで、新しい書物を欲すれば、ある程度は条件を飲まないと、他国に動くと言われると不味いでしょうし。こちらが望む本は貰えるかどうかは解りませんが、やる価値はあると思いますよ?」


「……書物をなるべく簡単に要約してって事ね。それで向こうが答え合わせをしてくれると。その間にこっちにも読ませたい書物を寄こしてくれれば良いかという感じなのね? それなら、まあ、何とかなるかしら?」


「面倒だが、やるしかないのかもしれないな。だが、代官様を毎度毎度王都に行かせる訳にも行かないぞ? 王都まではどう頑張っても20日程度はかかる。それだけの為に、代官様を動かすのは違うだろう。だが、伯爵は動かんぞ? どうするんだ?」


「ロジエラ商会を使うしかないでしょうね。そのために、王都へと支店を作ると話を聞いています。本当は私を押し込みたかったんでしょうが、それが出来なくても、王都への足がかりは作れるわけですからね。まあ、契約している物品を王都に届けないといけないので、もう既に王都には支店があるかもしれないですけど」


「まあ、そうか。商人を使うのか。それだったらまだマシか?」


「そうよね。商人の商売ついでに色々と出来れば有難いわ。こちらも忙しいんだし、向こうにも多少は無理をしてもらいましょうか。読めるようになった書物を送り出すとして、どの書物を書き写そうかしら?」


「これでいいんじゃねえか? とりあえずはこれが読めたって事にしておけば。内容の精査は必要だろうし、根拠なんかも付けないといけないだろうがな。向こうにだって簡単に検証できる何かがあるかもしれないし。検証したら爆発するようなものでもないしな」


 まあ、良い感じに読めた文章を、適当に要約して届ければ、ある程度は出来ると踏んで、書物を送って来てくれても良いとは思う。読めるところに書物を送りたいだろうからな。こちらが読めるという実績を示す必要があるだろう。

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